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平成15年度 通信講習用 船舶電気装備技術講座(電気工学の基礎編、初級)

 事業名 船舶の電気装備に関する技術指導等
 団体名 日本船舶電装協会 注目度注目度5


2・4 電磁誘導・誘導起電力
2・4・1 電磁誘導
 
図2・14
 
 図2・14において(a)の場合は, 磁石をコイルの中に出し入れさせると, コイルに起電圧が発生し, 電流が流れ, 検流計の指針が左右に振れる。また, (b)の場合は, NSの磁石の磁界中に導体を上下に動かすと導体に起電圧が発生し, 電流が流れ, 上記と同様に検流計の指針が左右に振れる。いずれの場合も, このように導体に磁束の変化を与える(又は導体が磁束を切るともいう。)と起電圧が発生することを電磁誘導といい, 誘導される起電力を誘導起電力, 流れる電流を誘導電流という。
 誘導起電力の方向はどうかといえば, これについて, 1834年ドイツのレンツが次のように論文を発表し, これをレンツの法則といっている。
 即ち「誘導起電力の方向は磁束が減るときにはこれを増やし, 増えるときにはこれを減らすような電流を流す方向に起電力を生ずる」ということで, 後述する誘導起電力の式に(−)の符号がつく。
 上記の電磁誘導現象を最初に発見したのは1831年イギリスのファラデーであった。これによれば誘導起電力の大きさは「磁束ΦがΔt秒間にΔΦ〔Wb〕だけ(注;Δは微小を意味する。)変化する速さ, 即ち
 
 
と磁束が切るコイルの巻数Nとの積に等しい」ということである。
 式で表せば誘導起電力の大きさ
 
 
のようになる。これを, ファラデーの法則という。
 しかし, その後1845年ドイツのノイマンは上式とレンツの法則とを結びつけて次のように表した。
誘導起電力の大きさ
 
 
(注:起電力の大きさにeの小文字を用いたのは変化する起電力を意味する。)
上記の説明では, 図2・14(a)の場合に相当するが, 図2・14(b)のように導体が磁束を切る速さは上記同様に
 
 
の割合であるから, 誘導起電力の大きさは(2・9)式と同様で
 
 
となる。
〔例題〕100回巻きのコイルのコイル辺が0.1秒間に0.05〔Wb〕の磁束を切ったときに発生する誘導起電力eの大きさは何〔V〕か。
〔解〕
 
 
で, 導体は100本が直列と考えられるから
e=100×0.5=50〔V〕
〔応用〕電磁誘導の原理を応用したものには, 発電機, 変圧器等がある。
 2・3・5で述べたフレミングは同時にフレミングの右手の法則を発表した。先に述べた左手の法則は電磁力の方向を示したのであるが, 右手の法則は誘導起電力の方向を示したものである。
 
図2・15
 
 即ち「右手の親指, 人さし指, 中指を互いに直角に曲げ, 人さし指を磁界の方向(B), 親指を導体の運動の方向(v)に向けると中指の方向が起電力の方向(e)を示す」ことであって, (図2・15(a)参照のこと。)これをフレミングの右手の法則という。
 図2・15(b)及び(c)のように磁界中で導体が運動したときの導体の誘導起電力は紙面の裏面から表面の方向であるが, その大きさは導体が1〔s〕間に切る磁束はBlv〔Wb〕であるから,
e=Blv〔V〕・・・(2・10)
B:磁束密度B〔Wb/m2
l:導体の長さ〔m〕
v:速度〔m/s〕
 しかし, これは導体が磁界と直角の方向に運動した場合であって, 図2・15(C)のように直角でなくθの角度で運動した場合はV′=v sinθのようになおして計算する。
 よって, e=Blv′=Blvsinθ〔V〕・・・(2・11)
〔例題〕磁束密度2〔Wb/m2〕の平等磁界で, これと直角に長さ10〔cm〕の導体を100〔m/s〕の速度で動かすとき, 導体中に誘導される平均の起電力は何〔V〕か。
〔解〕B=2〔Wb/m2〕, l=0.1〔m〕, v=100〔m/s〕であり, e=2×0.1×100=20〔V〕







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