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3・13・6 直流電力の測定
 
図3・31
 
 直流電圧計と直流電流計を図3・31(a)(b)のように接続して電力P〔W〕測定する。
 
(a)図の場合
 
(b)図の場合
 
 (3・18)式及び(3・19)式からわかるように計器の損失が多少負荷電力に影響する。したがって,計器の損失電力が負荷電力に比べて非常に小さいときには,実用上は電圧計の読みVと電流計の読みIの相乗積P=VI〔W〕でさしつかえないが,そうでなければ
とI2γaと比べて損失の少ない計器を負荷側に接続した方がよい。
〔例題〕
 電圧計及び電流計を用いて直流電力を測定する場合に,回路の電圧約100〔V〕,電流約1〔A〕であるとき,計器の損失に対する補正を行わないで測定の誤差を小にするには,図3・31(a)(b)のいずれの接続法を選べばよいか。ただし,電流計の抵抗は10,000〔Ω〕,電流計の抵抗は2〔Ω〕とする。
〔解〕
 
(a)の接続では
式より
 
(b)の接続では電流計の損失電力=12×2=2〔W〕(3・19)式より計器の損失は(a)の場合が(b)の場合より小であるから(a)の図を選べばよい。
 単相の指示電力計を用いて,交流電圧を測定することが最も簡単な方法であるが,この計器の持ち合わせがないときには次の方法による。
(1)3電圧計法による電力と力率の測定
 交流電圧計3個を用意し,かつ,抵抗R〔Ω〕を負荷に直列に接続し,図3・32のように電圧計V1,V2,V3を接続する。
 AB,BC,CA間の電圧の実効値をそれぞれV1,V2,V3として負荷電流の実効値をIとすれば,図3・33のベクトル図によって,
V32=(V1+V2 cosθ)2+(V2 sinθ)2
=V12+V22+2V1 V2 cosθ・・・(3・20)
故に,
(3・21)式でV1,V2,V3は電圧計の読みで測定できるから,力率cosθが算出できる。
 
図3・32
 
図3・33
 
 また,電力P〔W〕を計算するには,V2=IR,P=V1 I cosθ
 この2式を(3・20)式の第3項目に代入すれば,
V32=V12+V22+2PR
 
故に
となる。
 
 これから,電力P〔W〕が算出される。
 この方法は,Rに電力損を生ずる欠点はあるが,小電力や高周波電力の測定に用いられる。
 
(2)3電流計法による電力と力率の測定
 
図3・34
 
 交流電流計3個を用意し,かつ,抵抗R〔Ω〕を負荷と並列に接続し図3・34(a)のように電流計A1,A2,A3を接続する。
 A1,A2,A3の電流計の読みを,それぞれI1,I2,I3(いづれも実効値)とすれば,図3・34(b)のベクトル図によって
I32=(I1+I2 cosθ)2+(I2 sinθ)2
=I12+I22+2I1 I2 cosθ・・・(3・23)
 
故に,
 
 また,電力P〔W〕を計算するには,V=I2R,P=VI1 cosθから,この2式を(3・23)の第3項目に代入すれば
 
 
よって,電力
 
 力率cosθ及び電力P〔W〕は,それぞれ(3・24)式及び(3・25)式によって算出できる。
 この方法は,Rの電力損を生ずる欠点はあるが,小電力や高周波電力の測定に用いられる。







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