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(b)制御用シンクロ
 制御用シンクロとは図2.60に示す如く受信機を接続した機械装置を制御する(例えば,サーボモータにより駆動する。)ために,発信機と受信機との回転角度差(角度変位)を電圧信号として取出すのに使用されるシンクロ電機をいい,その電気的な構造は,トルク用シンクロと同様である。制御用シンクロの受信機は角度変位を電圧信号に変換する役割をするので,シンクロ制御変圧機と称する。
 
図2.60 制御用シンクロ
 
 シンクロ制御変圧器の出力電圧の零点位置は発信機の回転子の相対位置により電気的に90°ずれたところにあり,この点を基準にして,通常,発信機回転子と制御変圧器出力軸の回転角差を出力電圧として検出する。出力電圧E0は図2.61に示すように,回転角度差Φの正弦(sinΦ)に比例して変化するが,角度差の小さな範囲ではほとんど直線的に変化する。また,出力電圧の位相は回転角差Φが正の値か,又は負の値かによって(例えば,遅れ角か,進み角かによって。)180°反転する。
 
図2.61 シンクロ制御変圧器の出力電圧
 
(c)差動シンクロ
 差動シンクロとは二つの回転角の和又は差に対応する機械的出力あるいは電気信号を送出するシンクロ電機で,2個のトルク(又は制御)シンクロ電機の中間に固定子,回転子共三相巻線を有する差動発信機又は差動受信機を接続して用いられる。差動シンクロ使用例を次に示す。
(i)トルク用差動シンクロ
 二つの回転角入力に対し,その和又は差の回転角を伝送するのに次の二方式がある。
(イ)差動発信機を用いる方式
 結線は図2.62に示す通りで,その機械的出力はシンクロトルク受信機の回転軸より得られる。
 
図2.62 差動受信機を用いるトルク用差動シンクロの結線
 
(ロ)差動受信機を用いる方式
 結線は図2.63に示す通りで,入力は2箇のシンクロトルク発信機により,その機械的出力はシンクロトルク差動受信機の回転軸より得られる。
 
図2.63 差動受信機を用いるトルク用差動シンクロの結線
 
(ii)制御用差動シンクロ
 図2.64に示すように,二つの回転角入力に対し,その和又は差に対応する電圧信号を送出する。
 
図2.64 制御用差動シンクロの結線







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