(4)シンクロ電機
シンクロ電機は単にシンクロ(Synchro)とも呼ばれ,また,俗称としてはセルシン(Selsyn;Self-Synchronizing motorの略,米国G. E. 社の商品名)の名で古くから広く知られている。シンクロは同期的な動作や,同期位置に関連した電気信号を与える一種の交流精密回転機で,一次巻線(励磁巻線)と二次巻線(出力巻線)との角度位置によって,二次電圧の大きさが変化することを利用した回転 電気信号の変換器の一種とみなされる。その代表的なものの構造を図2.57に示す。
図2.57 シンクロ構造
1. 回転子 2. 固定子 3. 外枠
4. ボールベアリング
5. スリップリング 6. 刷子
7. ダンパ(トルク受信機のみ)
8. 端子
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JISC4906(シンクロ電機)では角度信号の伝達,指示などの目的に用いるシンクロ電機で,周波数50Hz及び60Hz共用,交流電圧250V以下の電路に使用されるものについて規定している。
シンクロは通常ほぼ同じ構造の発信機と受信機とを組み合わせて使用するが,その使用目的によって機種,結線等が下記の如くそれぞれ異っている。
(a)トルク用シンクロ
回転角を伝達する際,受信機を駆動するエネルギーを発信機から供給するシンクロ電機をトルク用シンクロといい,発信機の軸を外力によって回転し,受信機の軸には回転しようとする負荷を接続して使用される。
トルク用シンクロの巻線は通常回転子は単相に,固定子は三相に巻かれており,回転子の単相巻線が交流電源から励磁される。図2.58にトルク用シンクロ発信機と受信機が1対1の場合の結線例を示す。
図2.58 トルク用シンクロの結線
図2.59トルク用シンクロの特性曲線
図2.59は発信機と受信機との間の角度差と出力トルク,入力電流,入力電力の相対的関係を示し,角度差が90°の時トルクが最大になる特徴を示している。
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