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3. サンゴの体のつくり
(1)ポリプのからくり
 サンゴ礁の体は、ポリプがもとになってできています。サンゴの種類によってポリプの大きさはさまざまです。どのような種類のサンゴでも、1つあるいは2つ以上のポリプからできています。
 ポリプの中心には、口があります。口をとりまくように、多数の触手が並んでいます。触手は他のサンゴを攻撃したり、餌となる動物プランクトンを捕らえるために使われます。胃腔というおなかの中には、隔膜というしきり膜があります。隔膜には卵巣や精巣などがついています。隔膜の縁や下の方には、隔膜糸(かくまくし)と呼ばれる細い糸が伸びていて、取り込んだ餌を消化します。
 ポリプは、ちぢんだ時には、莢(きょう)というコップのような骨の穴にしまい込まれます。莢は共骨という骨によって支えられています。
 
サンゴの体:郡体性サンゴのポリプと骨のつくり(西平, 1988より)
 
(2)光の影響
 造礁(ぞうしょう)サンゴには褐虫藻(かつちゅうそう)が共生しているため、正常に生長するためには十分な光が必要です。ポリプや共肉が十分な光を受けるようにするために、枝状のサンゴは暗い場所では枝の間が広くなります。現状の群体では、しばしば扁平になることがあります。また、クボミハナサンゴは暗い場所では葉状になり、その仲間の明るさでは群体の下部が葉状で上部が枝状の複合型になることもあります。
 
浅瀬のトゲサンゴ
 
深みのトゲサンゴ
 
静かな場所のショウガサンゴ







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