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貝のオスとメス
 ほとんどの貝はオスの貝とメスの貝に分かれています。これを雌雄異体(しゆういたい)といいます。陸に住んでいるカタツムリや海にすんでいるアメフラシやウミウシなどの仲間は、一つの体にオスとしての働きをする器官とメスとしての働きをする器官を一緒(いっしょ)に持っています。これを雌雄同体(しゆうどうたい)といいます。
 この他にオスからメスに変わる貝もいます。これを性転換(せいてんかん)といいます。性転換は年齢や栄養状態、近くにいる個体の性別によって起こります。
 
貝の繁殖
 貝はすべて卵からふえていきます。多くの種類は海中に卵と精子を放出して、体外で受精しますが、中には親貝が体の中で卵や卵からかえった幼生をまもるものや卵をまもるためにケースの中に入れて生み出すなど、卵が生き延びるためにさまざまな工夫をしています。
 受精卵は海中を漂いながら細胞分裂(卵割(らんかつ))を繰り返してトロコフォラ幼生にかわり、その後ベリジャー幼生になります。トロコフォラ幼生、ベリジャー幼生ともに泳ぐことができます。ベリジャーになると、巻き貝ではらせん状の殻ができ、二枚貝では二枚の殻を持ちます。ベリジャー期をすぎると、適当な場所にくっつきます。
 
 
沖縄の貝
 沖縄の海、川、山にさまざまな貝が住んでいますが、もっともたくさんの貝が住んでいるのは、サンゴ礁です。サンゴ礁は、岩礁と同じように姿をかくすには都合のよい場所ですが、潮が引くと水温や塩分の濃度があがるなど厳しいすみかでもあります。干潮でも干上がらない礁池(しょうち)(モート、方言名イノー)やリーフ上(方言名、ヒシ)、リーフの外側にそれぞれに特有の貝がすんでいます。
 ホシダカラガイやヤクジマタカラガイなどのタカラガイの仲間、クロミナシガイやツボイなどのイモガイの仲間はサンゴ礁の代表的な貝です。
 







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