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II. 高校(こうこう)の種類(しゅるい)と学科(がっか)
 
 
 高等学校(こうとうがっこう)には、全日制(ぜんにちせい)、定時制(ていじせい)、通信制(つうしんせい)、単位制(たんいせい)の4つの課程(かてい)があります。
 
  全日制
(ぜんにちせい)
定時制
(ていじせい)
通信制
(つうしんせい)
単位制
(たんいせい)
通学日
(つうがくび)

時間
(じかん)
毎日
(まいにち)

昼間
(ひるま)
毎日
(まいにち)

昼間 (ひるま)
(8:40〜12:40)
/夜間(やかん)
(17:00〜22:00)
家(いえ)で自学自習(じがくじしゅう)をする。
報告課題(ほうこくかだい)(レポート)を提出(ていしゅつ)し、添削指導(てんさくしどう)を受ける(うける)。
月(つき)に2、3回(かい)登校(とうこう)し、面接指導(めんせつしどう)を受ける(うける)。
試験(しけん)も受ける(うける)。
毎日(まいにち)自分(じぶん)で決める(きめる)
一日(いちにち)の
勉強時間(べんきょうじかん)
50分(ぷん)授業(じゅぎょう)が6時間(じかん)、1週間(しゅうかん)で約(やく)30時間(じかん) 50分(ぷん)授業(じゅぎょう)が4時間(じかん)、1週間(しゅうかん)に約(やく)20時間(じかん) 90分(ぷん)授業(じゅぎょう)が3〜4コマ、1週間(しゅうかん)で15〜20コマ
卒業(そつぎょう)までの
年数(ねんすう)
3年(ねん) 4年(ねん)
(大検(だいけん)を受ける(うける)などし、3年(ねん)で卒業(そつぎょう)することもできる)
3年以上
(ねんいじょう)
(人(ひと)によって違う(ちがう))
その他(た)   夜間(やかん)は
給食(きゅうしょく)があります
毎日(まいにち)通う(かよう)ことができない人(ひと)のための学校(がっこう)です 2学期制
(がっきせい)
 
2. 高校(こうこう)にはどんな学科(がっか)がありますか。
 
 高校(こうこう)には、普通科(ふつうか)、専門学科(せんもんがっか)、総合学科(そうごうがっか)の3つがあります。
(1)普通科(ふつうか):国語(こくご)、数学(すうがく)などの普通教科(ふつうきょうか)を中心(ちゅうしん)に学び(まなび)ます。
(2)専門学科(せんもんがっか):職業(しょくぎょう)を主(しゅ)とする学科(がっか):職業教育(しょくぎょうきょういく)を主(しゅ)とする学科(がっか)と、それ以外(いがい)の専門教育(せんもんきょいく)を行う(おこなう)学科(がっか)があります。職業(しょくぎょう)を主(しゅ)とする学科(がっか)では将来(しょうらい)のスペシャリストとして必要(ひつよう)な専門性(せんもんせい)の基礎(きそ)・基本(きほん)を重視(じゅうし)し、望ましい(のぞましい)勤労観(きんろうかん)や職業観(しょくぎょうかん)を育て(そだて)、社会(しゃかい)に貢献(こうけん)できる職業人(しょくぎょうじん)の育成(いくせい)を目指して(めざして)います。
農業(のうぎょう)に関する(かんする)学科(がっか):
 農業科学科(のうぎょうかがくか)、畜産科学科(ちくさんかがくか)、食品科学科(しょくひんかがくか)、林業科学科(りんぎょうかがくか)など
工業(こうぎょう)に関する(かんする)学科(がっか):
 機械科(きかいか)、電気科(でんきか)、情報技術科(じょうほうぎじゅつか)、建築科(けんちくか)、土木科(どぼくか)、工業化学科(こうぎょうかがくか)など
商業(しょうぎょう)に関する(かんする)学科(がっか):
 商業科(しょうぎょうか)、流通経済科(りゅうつうけいざいか)、国際経済科(こくさいけいざいか)、会計科(かいけいか)など
水産(すいさん)に関する(かんする)学科(がっか):
 海洋漁業科(かいようぎょぎょうか)、水産食品科(すいさんしょくひんか)、栽培漁業科(さいばいぎょぎょうか)、機関工学科(きかんこうがくか)など
家庭(かてい)に関する(かんする)学科(がっか):
 家政科(かせいか)、生活文化科(せいかつぶんかか)、生活(せいかつ)デザイン科(か)、人間生活科(にんげんせいかつか)など
看護(かんご)に関する(かんする)学科(がっか):
 衛生看護科(えいせいかんごか)
福祉(ふくし)に関する(かんする)学科(がっか):
 福祉科(ふくしか)
(3)総合学科(そうごうがっか):普通教育(ふつうきょういく)と専門教育(せんもんきょういく)の科目(かもく)を総合的(そうごうてき)に学ぶ(まなぶ)。選択科目(せんたくかもく)が多い(おおい)ので、将来(しょうらい)の進路(しんろ)を考え(かんがえ)ながら、自ら(みずから)課題(かだい)をみつけ、解決法(かいけつほう)を考える(かんがえる)ことができる。自然科学系(しぜんかがくけい)、地域国際系(ちいきこくさいけい)、人文科学系(じんぶんかがくけい)、情報(じょうほう)システム系(けい)など、いろいろな分野(ぶんや)の学習(がくしゅう)ができる。
 
3. 外国人(がいこくじん)・帰国生徒(きこくせいと)のための特別措置(とくべつそち)がありますか。
 
 道立校(どうりつこう)・札幌市立校(さっぽろしりつこう)とも特別入学枠(とくべつにゅうがくわく)や特別試験(とくべつしけん)などの措置(そち)はありません。
 特別(とくべつ)の配慮(はいりょ)を希望(きぼう)する場合(ばあい)は出願前(しゅつがんまえ)に中学校(ちゅうがっこう)の先生(せんせい)を通して、志望高校(しぼうこうこう)と相談(そうだん)してください。
 帰国子女(きこくしじょ)の方(かた)は住所(じゅうしょ)にかかわらず、札幌国際情報高校(さっぽろこくさいじょうほうこうこう)の普通科(ふつうか)に学区内(がっくない)の扱い(あつかい)で出願(しゅつがん)できます。
 (海外在留期間等(かいがいざいりゅうきかんなど)の条件(じょうけん)がありますので、中学校(ちゅうがっこう)の先生(せんせい)に確認(かくにん)してください。)
 
III. 進路選択(しんろせんたく)についての留意点(りゅういてん)
 
1. 内申点(ないしんてん)と学力点(がくりょくてん)をあげるためにどうしたらよいですか。
 
 公立高校(こうりつこうこう)の入試(にゅうし)には学習点(がくしゅうてん)(内申点(ないしんてん))と学力点(がくりょくてん)(入試(にゅうし))と面接(めんせつ)で決まり(きまり)ます。
 私立高校(しりつこうこう)もほぼ同じ(おなじ)ですが、学校(がっこう)ごとにその基準(きじゅん)や判定方法(はんていほうほう)は異なり(ことなり)ます。
 
(1)学習点(がくしゅうてん)について
 国語(こくご)・社会(しゃかい)・数学(すうがく)・理科(りか)・英語(えいご)の5科目(ごかもく)だけでなく実技系(じつぎけい)の音楽(おんがく)・美術(びじゅつ)・保健体育(ほけんたいいく)・技術家庭(ぎじゅつかてい)の評定(ひょうてい)も同比率(どうひりつ)で計算(けいさん)されます。(p. 5)。
 日頃(ひごろ)の学習活動(がくしゅうかつどう)(授業(じゅぎょう))への参加態度(さんかたいど)なども評価(ひょうか)の重要(じゅうよう)な対象(たいしょう)となっています。テストの得点(とくてん)だけでなく、作品(さくひん)・提出物(ていしゅつぶつ)・授業中(じゅぎょうちゅう)の発表発言(はっぴょうはつげん)なども評価(ひょうか)されます。積極的(せっきょくてき)なとりくみがより評価(ひょうか)されます。
 昨年(さくねん)から、絶対評価制度(ぜったいひょうかせいど)が導入(どうにゅう)され、ある一定(いってい)の基準以上(きじゅんいじょう)の実力(じつりょく)があるものは人数(にんずう)の制限(せいげん)を受ける(うける)ことなく高い(たかい)評定(ひょうてい)をもらうことができるようにことなりました。今(いま)までの相対評価(そうたいひょうか)(評定(ひょうてい)の割合(わりあい)が決まって(きまって)いる(例(れい):5の人数(にんずう)は7%など))に比べる(くらべる)と全体的(ぜんたいてきに)に評価(ひょうか)は平均(へいきん)するとわずかですが高く(たかく)なる傾向(けいこう)にあります。
 
(2)学力点(がくりょくてん)について
 学力点(がくりょくてん)は得点力(とくてんりょく)を上げる(あげる)ためには継続的(けいぞくてき)、計画的(けいかくてき)な学習(がくしゅう)が必要(ひつよう)です。特(とく)に、英語(えいご)・数学(すうがく)などは総合的(そうごうてき)な力(ちから)がついてこないと得点力(とくてんりょく)は向上(こうじょう)しません。
 学力(がくりょく)をつけるために、継続的(けいぞくてき)・計画的(けいかくてき)な学習(がくしゅう)をすることが必要(ひつよう)です。そのためには家庭学習(かていがくしゅう)を自覚(じかく)を持って(もって)しっかり行う(おこなう)ことが大切(たいせつ)です。また、学習塾(がくしゅうじゅく)は、お金をはらって、継続的(けいぞくてき)・計画的(けいかくてき)な学習(がくしゅう)を行う(おこなう)場(ば)を提供(ていきょう)してもらうところですが、本人(ほんにん)の自覚(じかく)と持って(もって)いる能力(のうりょく)によりその効果(こうか)には差があるので、過度(かど)の期待(きたい)はしないほうが良い(よい)と思い(おもい)ます。お金(かね)を2倍(ばい)払えば(はらえば)成績(せいせき)が2倍(ばい)になるということはありません。
 もっとも重要(じゅうよう)なことは、本人(ほんにん)の自覚(じかく)・強い(つよい)意思(いし)です。家庭学習(かていがくしゅう)でも十分効果(じゅうぶんこうか)のある学習(がくしゅう)は可能(かのう)です。
 
2. 中学校(ちゅうがっこう)での進路相談(しんろそうだん)で何(なに)をしますか。
 
 中学校(ちゅうがっこう)3年生(ねんせい)になると、生徒(せいと)と学級担任(がっきゅうたんにん)がその生徒(せいと)の将来(しょうらい)を見通し(みとおし)たうえでの進路(しんろ)の相談(そうだん)を行い(おこない)ます。11月(がつ)末(まつ)〜12月(がつ)初め(はじめ)には三者懇談(さんしゃこんだん)といって、生徒本人(せいとほんにん)・保護者(ほごしゃ)と担任(たんにん)が意見(いけん)を交換(こうかん)しながら将来(しょうらい)についての希望(きぼう)と見通し(みとおし)を相談(そうだん)して、最終的(さいしゅうてき)な卒業後(そつぎょうご)の進路先(しんろさき)を決定(けってい)します。
 担任(たんにん)としては、生徒(せいと)の入学後(にゅうがくご)の学習状況(がくしゅうじょうきょう)と現在(げんざい)の家庭学習(かていがくしゅう)の状態(じょうたい)と得点(とくてん)の推移(すいい)を総合的(そうごうてき)に考え(かんがえ)具体的(ぐたいてき)に名前(なまえ)の出て(でて)いる志望校(しぼうこう)の合否(ごうひ)の可能性(かのうせい)、高校入学後(こうこうにゅうがくご)の学校生活(がっこうせいかつ)・卒業後(そつぎょうご)の見通し(みとおし)(どんな進路先(しんろさき)が考え(かんがえ)られるか)などを総合的(そうごうてき)に考え(かんがえ)て、生徒(せいと)と保護者(ほごしゃ)にアドバイスします。
 帰国子女(きこくしじょ)の場合(ばあい)の懇談(こんだん)は、保護者(ほごしゃ)がまだ日本語(にほんご)を十分(じゅうぶん)に理解(りかい)できないことが多く(おおく)、生徒本人(せいとほんにん)が担任教師(たんにんきょうし)と保護者(ほごしゃ)の間(あいだ)の通訳(つうやく)を行う(おこなう)ことになります。その場合(ばあい)、子ども(こども)は自分(じぶん)が学校生活(がっこうせいかつ)の中(なか)で身(み)につけた日本語(にほんご)を通して(とおして)理解(りかい)した高校(こうこう)についてや日本(にほん)の受験制度(じゅけんせいど)、担任(たんにん)との懇談(こんだん)の状況(じょうきょう)などを中国語(ちゅうごくご)で通訳(つうやく)して話(はなし)をしなければなりません。生徒本人(せいとほんにん)の理解(りかい)も不十分(ふじゅうぶん)な場合(ばあい)が多い(おおい)上(うえ)に、中国(ちゅうごく)と日本(にほん)では上級学校(じょうきゅうがっこう)に対する(たいする)考え(かんがえ)方(かた)や制度(せいど)も大きく(おおきく)違う(ちがう)ことなども説明(せつめい)しなければならないということは、相当(そうとう)に難しい(むずかしい)ことだといえるでしょう。
 普通(ふつう)は教師(きょうし)から保護者(ほごしゃ)へ直接(ちょくせつ)伝え(つたえ)なければならないことも、生徒(せいと)が自分(じぶん)で保護者(ほごしゃ)へ伝え(つたえ)なければなりません。自分(じぶん)の勉強(べんきょう)の弱点(じゃくてん)や自分(じぶん)から保護者(ほごしゃ)には直接(ちょくせつ)いいにくいことも、自分(じぶん)の口(くち)で伝え(つたえ)なければなりません。このことが子(こ)どもに大きな(おおきな)負担(ふたん)を強いて(しいて)いることがよくあります。
 
例(れい)(1) 小学校(しょうがっこう)5年(ねん)の頃(ころ)日本(にほん)に帰国(きこく)した男子生徒(だんしせいと)。中学校入学時(ちゅうがっこうにゅうがくじ)、日常会話(にちじょうかいわ)はほとんど不自由(ふじゆう)はないほど日本語(にほんご)はできるようになっていた。学習塾(がくしゅうじゅく)にも通い(かよい)、担任(たんにん)から見れば(みれば)本人(ほんにん)もよく努力(どりょく)をしているし、塾(じゅく)にもいって勉強(べんきょう)をしているだけの効果(こうか)はあると見て(みて)いる。進路相談(しんろそうだん)の中(なか)で現状(げんじょう)の学習点(がくしゅうてん)・学力点(がくりょくてん)と今後(こんご)の見込み(みこみ)、や高校入学後(こうこうにゅうがくご)の希望(きぼう)などを考え(かんがえ)、公立(こうりつ)K高校(こうこう)の受験(じゅけん)がもっとも適当(てきとう)だとの意見(いけん)を持って(もって)、三者懇談(さんしゃこんだん)を迎え(むかえ)た。懇談(こんだん)の中(なか)で本人(ほんにん)の今(いま)までの努力(どりょく)を評価(ひょうか)し、今後(こんご)の見通し(みとおし)を語り(かたり)、本人(ほんにん)もK高校(こうこう)を希望(きぼう)しているしもっとも望ましい(のぞましい)と思う(おもう)という話(はなし)をしたところ(担任(たんにん)がこういう話(はなし)をして、生徒本人(せいとほんにん)が保護者(ほごしゃ)に通訳(つうやく)した。どの程度(ていど)正確(せいかく)に通訳(つうやく)したのかは不明(ふめい)であるが)、突然(とつぜん)保護者(ほごしゃ)が怒り(おこり)はじめた。「おまえをそんな高校(こうこう)にいかせるために、高い(たかい)お金(かね)を払って(はらって)塾(じゅく)へやらせたのではない。K高校(こうこう)なんかまともな生徒(せいと)の行く(いく)ところではない。そんな高校(こうこう)へ入って(はいって)も、まともな大学(だいがく)なんか入れない(はいれない)。」ということらしい。最終的(さいしゅうてき)には保護者(ほごしゃ)も納得(なっとく)しK高校(こうこう)を受験(じゅけん)し合格(ごうかく)。現在(げんざい)、元気(げんき)に高校生活(こうこうせいかつ)を送って(おくって)いる。
 
 
例(れい)(2) 日本(にほん)に帰国時(きこくじ)、学齢(がくれい)は中学(ちゅうがく)3年(ねん)であるが、日本語(にほんご)が全く(まったく)できないため中学(ちゅうがく)1年(ねん)に編入(へんにゅう)した女子生徒(じょしせいと)。日本語(にほんご)が全く(まったく)わからないため、授業(じゅぎょう)は理解(りかい)できない状態(じょうたい)であったが、学年(がくねん)が進む(すすむ)につれて日常会話(にちじょうかいわ)も不自由(ふじゆう)がなくなり授業(じゅぎょう)の理解(りかい)も深まって(ふかまって)いった。3年(ねん)進級時(しんきゅうじ)は標準以上(ひょうじゅんいじょう)の学力(がくりょく)にまでなった。現在(げんざい)は公立(こうりつ)B高校(こうこう)に進学(しんがく)してがんばっている。この子(こ)の場合(ばあい)もそうだが、明るく(あかるく)閉じ(とじ)こもらない性格(せいかく)が非常(ひじょう)に良い(よい)方向(ほうこう)に向かった(むかった)ようである。
 
 
例(れい)(3) 早い(はやい)時期(じき)に帰国(きこく)した女子生徒(じょしせいと)、日常会話(にちじょうかいわ)、授業等(じゅぎょうなど)において言葉(ことば)の不自由(ふじゆう)はない。公立(こうりつ)A高校(こうこう)を受検合格(じゅけんごうかく)したが、保護者(ほごしゃ)が仕事上(しごとじょう)の都合(つごう)で東京(とうきょう)に転居(てんきょ)することになった。札幌(さっぽろ)の親類(しんるい)のもとに残り(のこり)、しばらくは通学(つうがく)し、やがて転校(てんこう)する予定(よてい)であったが、急遽(きゅうきょ)東京(とうきょう)の公立高校(こうりつこうこう)の受検(じゅけん)の話(はなし)があり(入学制度(にゅがくせいど)が異なる(ことなる)ので4月(がつ)に特例(とくれい)の枠(わく)があった)受検(じゅけん)、合格(ごうかく)し東京(とうきょう)の公立高校(こうりつこうこう)に入学(にゅうがく)した。札幌(さっぽろ)のA高校(こうこう)や教育委員会(きょういくいいんかい)・東京(とうきょう)の区教育委員会等(くきょういくいいんかいなど)と連携(れんけい)をし非常(ひじょう)に微妙(びみょう)な手続き(てつづき)であったが最終的(さいしゅうてき)にはA高校(こうこう)からの転校(てんこう)という手続き(てつづき)になった。非常(ひじょう)に恵まれた(めぐまれた)例(れい)である。通常(つうじょう)の場合(ばあい)、このような時期(じき)にはほとんど無理(むり)であるといえる。
 
三者懇談(さんしゃこんだん)のための基礎知識(きそちしき)
 
(1)いろいろな観点(かんてん)の高校選択(こうこうせんたく)がある
 有名(ゆうめい)な○○大学(だいがく)に入る(はいる)には△△高校(こうこう)に入る(はいる)しかない。という考え(かんがえ)は過去(かこ)のものになりつつあります。高校(こうこう)から大学(だいがく)へ進学(しんがく)するのはあくまでも本人(ほんにん)の力(ちから)があってのことで、その高校(こうこう)に入れば(はいれば)○○大学(だいがく)へ行ける(いける)というものではありません。それ以上(いじょう)に、やっとの思い(おもい)で△△高校(こうこう)に入って(はいって)も授業(じゅぎょう)についていけないのであれば、たとえどんな優秀(ゆうしゅう)な高校(こうこう)にはいっても、全く(まったく)意味(いみ)はありません。その高校(こうこう)に入って(はいって)十分に(じゅうぶんに)他(た)の生徒(せいと)と比較(ひかく)して力(ちから)を発揮(はっき)していける高校(こうこう)を選択(せんたく)した方(ほう)が本人(ほんにん)にとっても有利(ゆうり)なのです。
 また、日本社会(にほんしゃかい)ではいい大学(だいがく)を卒業(そつぎょう)すること=立身出世(りっしんしゅっせ)といった考え(かんがえ)は成り立たなく(なりたたなく)なってきています。どこの大学(だいがく)を出た(でた)かではなく、どれだけのことをやれるのか、やる気(き)と行動力(こうどうりょく)・人物(じんぶつ)を重視(じゅうし)する社会(しゃかい)になりつつあります。
 高校(こうこう)においても単純(たんじゅん)に、有名大学進学(ゆうめいだいがくしんがく)ということではなく、生徒本人(せいとほんにん)の個性(こせい)・能力(のうりょく)を伸ばす(のばす)ことのできる大学(だいがく)(上級学校(じょうきゅうがっこう))への進学(しんがく)が考え(かんがえ)られています。
 私立高校(しりつこうこう)であれば系列(けいれつ)の大学(だいがく)に優先的(ゆうせんてき)に進学(しんがく)する制度(せいど)が充実(じゅうじつ)していますが、公立高校(こうりつこうこう)も指定校推薦(していこうすいせん)などの各大学(かくだいがく)への推薦枠(すいせんわく)を持って(もって)います。そういう制度(せいど)を利用(りよう)して進学(しんがく)するには一般的(いっぱんてき)にその高校(こうこう)の上位で力(ちから)を発揮(はっき)していることが必要(ひつよう)です。
 
(2)公立高校(こうりつこうこう)の入試(にゅうし)は北海道(ほっかいどう)のもので、他府県(たふけん)はさらに制度(せいど)が異なる(ことなる)
 高校進学(こうこうしんがく)にあわせて、親(おや)も仕事(しごと)のために他府県(たふけん)に転居(てんきょ)しようという場合(ばあい)、進路事務手続き上(しんろじむてつづきじょう)、難しい(むずかしい)場合(ばあい)があります。入試制度(にゅうしせいど)は都道府県(とどうふけん)ごとに異なる(ことなる)ため、手続き(てつづき)も異なり(ことなり)、受験資格(じゅけんしかく)の確認(かくにん)のために本人(ほんにん)と保護者(ほごしゃ)が受験先(じゅけんさき)の教育委員会(きょういくいいんかい)に直接(ちょくせつ)行かなければ(いかなければ)ならない場合(ばあい)もあります。他(ほか)にもいろんな違い(ちがい)がありますので、このような場合(ばあい)は、遅く(おそく)とも10月(がつ)末(まつ)までには事情(じじょう)を担任教師(たんにんきょうし)に伝え(つたえ)、行動(こうどう)を開始(かいし)する必要(ひつよう)があります。公立高校受験(こうりつこうこうじゅけん)においては10月(がつ)以降(いこう)の転校(てんこう)、特に(とくに)3月(がつ)から4月(がつ)にかけての転居(てんきょ)は微妙(びみょう)な問題(もんだい)を含んで(ふくんで)いますので慎重(しんちょう)な配慮(はいりょ)が必要(ひつよう)になります。
 
(3)受験(じゅけん)は公立(こうりつ)1校(こう)・私立(しりつ)2校(こう)まで可能(かのう)です。
 公立高校は(こうりつこうこうは)は同時(どうじ)に1校(こう)のみ。私立高校(しりつこうこう)は北海道(ほっかいどう)はA・B日程(にってい)から1校(こう)ずつ2校(こう)が受検(じゅけん)できます。道外(どうがい)の公立高校(こうりつこうこう)は、入試制度(にゅうしせいど)が異なる(ことなる)のですが、いずれにしても公立(こうりつ)を2校(こう)受検(じゅけん)することはできません。道外(どうがい)の私立高校(しりつこうこう)については日程(にってい)さえ重なって(かさなって)いなければ制限(せいげん)なく受検(じゅけん)が可能(かのう)です。
 
 







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