5 適合要件
5.1 制限値及び許容値
直接モニタリング及び計測方法によって得られた排出物の値は、エンジンが附属書VIの13規則の要件に継続して満足していることを検証するために、附属書VIの13規則に規定されているNOx排出制限値とNOxテクニカルコードの6.3.11.1、6.3.11.2及び6.3.11.3で与えられている許容値と比較されなければならない。
5.2 適合証明のためのデータ
認証は、NOxテクニカルコードの1.3.2により年次/中間、定期、及び臨時検査又はNOxテクニカルコードの1.3.2により実質的改造の継続において、証明することを要求される。NOxテクニカルコードの2.3.4に従って、データは最新のもの、即ち30日以内のものが要求される。データは少なくとも3カ月の間に船上に保管することを求められる。これらの期間は本船の稼働期間としなければならない。30日以内のデータは、要求負荷ポイントを満たす一度のテスト順序として選択するか、又は、2回又は更に分割して、エンジン負荷がこのガイドラインの3.1に要求されるものに一致する機会に得るかのいずれでも良い。
5.3 証書の様式
直接測定及びモニタリング方法は、これらのガイドラインに基づいた船上モニタリングマニュアルの中に文書で記録されなければならない。マニュアルは承認のために主管庁に提出されなければならない。そのマニュアルの承認については、EIAPP証書への付録のsection 3の下に入れられるべきである。方法が予備検査による最初のEIAPP証書の発給の後に承認された場合、主管庁は、正しく改正された付録のsection 3の詳細が付いた新しいEIAPP証書を発給できる。
5.4 機器及び方法の検査
直接測定及びモニタリング方法の検査は、次を考慮して行うが、これに限定するものではない。
.1 要求された測定から得られ、展開されたデータ、及び
.2 マニュアル(上の5.3)の中で得られる情報により、データを得るために取られた手段
サンプリング場所の接続フランジ
1 下記は、直接計測及びモニタリング法によって認証を要求される際の各エンジンの排気管に設けられる一般的なサンプリング用接続フランジ例である。
種類 |
寸法 |
外径 |
160mm |
内径 |
35mm |
フランジ厚さ |
9mm |
ボルト円径 1 |
130mm |
ボルト円径 2 |
65mm |
フランジ溝 |
4穴、各12mm径でボルト円径に等間隔に配置。2つのボルト円にあけた穴は、同じ半径で整列させる。フランジには内外ボルト円の間に12mm幅の溝を設ける。 |
ボルトおよびナット |
4セット、径及び長さは規定のもの |
フランジは鋼製で表面は平滑であること |
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2 フランジは、排気管の径にあわせた適当な規格材の短管に取り付ける。管は、フランジの反対側に近づけるのに十分な長さだけ排気管の覆いから張り出す程度の長さに止めること。また、管は、被覆し、サンプルプローブや関連の付属物の取り付けに支障のない近づきやすい場所に開口すること。
3 管が使用されない時は、耐熱性のガスケツトをつけた盲フランジで塞ぐこと。サンプリングフランジと盲フランジは、使用されない時は、事故を防ぐために取り外し可能な耐熱性のカバーで覆うこと。
負荷点の選択と重み付け係数の修正
1 ガイドラインの3.1にあるようにE2/E3/D2テストサイクルの場合、NOxテクニカルコードの3.2に規定されている重み付け係数の総和が0.5より大きくなるように負荷計測の最小点数を決めること。
2 結論として、E2/E3テストサイクルでは、75%負荷点と他の1、2点の負荷点を使用することとなる。また、D2テストサイクルの場合、25%又は50%負荷点と組み合わせた重み付け係数が0.5を超える1、2点の負荷点を使用すること。
3 下記は、修正重み付け係数を適用する負荷点の考えられる幾つかの例を示す。
E2/E3 テストサイクル
出力 |
100% |
75% |
50% |
25% |
重み付け係数 |
0.2 |
0.5 |
0.15 |
0.15 |
オプションA |
0.29 |
0.71 |
|
|
オプションB |
|
0.77 |
0.23 |
|
オプションC |
0.24 |
0.59 |
|
0.18 |
組み合わせた公称重み付け係数が0.5を越える他の組合せを加える。従って100%+50%+25%負荷点のみでは不十分である。 |
|
D2 テストサイクル
出力 |
100% |
75% |
25% |
25% |
10% |
重み付け係数 |
0.05 |
0.25 |
0.3 |
0.3 |
0.1 |
オプションD |
|
|
0.5 |
0.5 |
|
オプションE |
|
0.45 |
0.55 |
0.55 |
|
オプションF |
|
0.38 |
|
|
0.15 |
オプションG |
0.06 |
0.28 |
0.33 |
0.33 |
|
組み合わせた公称重み付け係数が0.5を越える他の組合せを加える。従って100%+50%+10%負荷点のみでは不十分である。 |
|
4 C1テストサイクルの場合、少なくとも各定格、中間及びアイドル速度から1点を選ぶ。下記は、それぞれの修正重み付け係数を持つ負荷点の組合せ例を示す。
C1テストサイクル
速度 |
定格 |
中間 |
アイドル |
トルク |
100% |
75% |
50% |
10% |
100% |
75% |
50% |
0% |
重み付け係数 |
0.15 |
0.15 |
0.15 |
0.1 |
0.1 |
0.1 |
0.1 |
0.15 |
オプションH |
|
0.38 |
|
|
0.25 |
|
|
0.38 |
オプションI |
|
|
|
0.29 |
|
0.29 |
|
0.43 |
オプションJ |
0.27 |
0.27 |
|
|
|
|
0.18 |
0.27 |
オプションK |
0.19 |
0.19 |
0.19 |
0.13 |
|
0.13 |
|
0.19 |
少なくとも各定格、中間及びアイドル速度での出力点との組合せを加える。 |
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5 修正重み付け係数計算例
オプションAの場合、
75%負荷:修正値は 0.5×(1/(0.5+0.2) = 0.71
100%負荷:修正値は 0.2×(1/(0.5+0.2) = 0.29(注:原文の「50%負荷」は誤り)
オプションFの場合、
75%負荷:修正値は 0.25×(1/(0.05+0.3+0.1))=0.38
(注:原文の「0.25×(1/(0.05+0.25+0.3+0.3))=0.38」は誤り)
注:修正重み付け係数は、2桁で表す。しかしNOxテクニカルコードの18式では、全桁を用いる。すなわち、オプションFの場合、修正重み付け係数は0.38と表記するが、実計算では0.384615・・・となる。 つまり、これらの修正重み付け係数の事例では、2桁表示した係数の総計は、1.00にならないことがある。
負荷設定点の安定度
1 負荷設定点の負荷変動係数は、サンプリングレートを最低1-Hzとし、10分以上計測する。その計算値は、5%以下とならなければならない。
2 変動係数を求める計算式は以下の通り、
%C.O.V: 負荷変動係数 %
S.D.: 標準偏差
Ave: 平均
N: データ採取点総数
Xi、Xj: ith、jth設定点での負荷 KW
i: 標準偏差式の変数指数
j: 平均式の変数指数
3 例として、10分間のサンプリングを1-Hzの間隔で行う。この結果、X1、X2、X3、・・X600のN=600のデータが採取でき、計算は下記の通りとなる。
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