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2. Scope
 
1. Scope
 ISO 10303のこのパートでは、船殻構造の製品定義データ、形状、承認についての情報の交換のために、必要な範囲と要求される情報について統一基準の仕様を詳細に示す。この中で形状は、選択された製品モデルの船殻構造の改正の履歴によって明確にされるデータに関係する。承認は、社内の承認と船級協会の承認が関係する。このAPは造船業の活動と、設計部門と製造部門の協同作業を支援するものである。
注− annex FのApplication Activity Model (AAM)が、ISO 10303のこのパートでの定義をもとにした、作業の過程と情報の流れを視覚的にあらわしている。
 
 
・商船ならびに艦艇における船体構造、上部構造と、他のすべての内部構造の船殻構造に関係する製品定義データ。
・以下に示す船のライフサイクルの諸段階について、船殻構造に関係する製品定義データ。この国際標準の項目は以下のとおり。
a)設計準備段階
b)主設計段階
c)製作段階
・船の製品構成の組織、組立に関する製品定義データ。
・船殻構造を設計することに関連した、船の一般的な特性とみなされる製品定義データ。船の一般的な特性とは、船の主要な寸法、名称と、船級、規定、船舶に適用される標準といった基本的な特性を含んでいる。また、設計や設計承認のための軽荷重量分布と乾舷などの諸特性を含んでいる。
・船殻構造の幾何定義のための全体座標系、局部座標系と空間グリッドに関する製品定義データ。
・船殻部材とアセンブリの形状表現に関する製品定義データ。
・船体の板や補強材の外形と、船の構造の部品と組立に含まれるエッジ、コーナー、内装の切り欠きなどの機能の記述を含んだ、構造の特徴の製品定義データ。
・船殻構造の部品と組立の、溶接接合と継手の開先加工や溶接法・寸法を含む設計の製品定義データ。
・強度の承認に用いられる横断面構造の詳細に関する製品定義データ
・船体の縦強度を決定するために、船殻構造にかけられるせん断力や曲げモーメントの設計荷重に関する製品定義データ
・船殻部材やアセンブリの、重量・重心に関する製品定義データ
・船やその部品を製作するときに要求される、船殻構造の材料に関する製品定義データ
・承認、バージョン、改正の管理を含む、船体の形状管理の製品定義データ
・船殻構造部材やアセンブリを設計したり、生産するときに必要な、外部参照、技術文書などの補助的なものに関する製品定義データ。
 
 
・船のライフサイクルの中で、運航と解役の段階における船殻構造に関する製品定義データ。
・予算、スケジュール、必要資源などの、船の工程を管理するための経営的な情報。
・設計段階での船体構造の直接計算に関する製品定義データ。
・構造部材の塗装と製品の耐久性に関する製品定義データ
・船の分割に関する製品定義データ。
・船のディストリビューション・システムに関する製品定義データ。(例1: 電装、配管、HVACsystem)
・船の機関や推進システムに関する製品定義データ。
・船の艤装と、備品に関する製品定義データ。
・鍛造あるいは鋳造によって製作された船殻部品に関する製品定義データ。(例2: スタンフレーム、ラダーホーン、シャフトブラケット)
 
 
4.1 Unit of functionality
 このAPで規定するUoFは次のとおり。
・class_approvals
・configuration_management
・definitions
・design_loads
・external_references
・hull_cross_section
・items
・library_references
・location_concept
・product_structures
・ship_general_characteristics
・shapes
・ship_manufacturing_definitions
・ship_material_properties
・ship_measures
・structural_features
・structural_parts
・structural_systems
・welds
 
 
4.1.1 Class Approvals(船級承認)
 船級承認UoFは船殻部材やその全体としてのシステム、板材、条材、特定の場所の船殻横断面の船級承認の定義に使用される。定義には、船級承認状況ももたせることができる。その場合、このエンティティの各部分は承認状況を示すことになる。このUoFでは、以下に示すアプリケーションオブジェクトが使用される。
・Corrugated_part_approval
・Corrugated_part_rejection
・Hull_cross_section_approval
・Hull_cross_section_rejection
・Hull_cross_section_result
・Plate_approval
・Plate_rejection
・Plate_survey_rejection
・Profile_approval
・Profile_rejection
・Profile_renewal_definition
・Reason_for_decision
・structural_class_approval
・structural_class_approval_result
・structural_class_conditional_approval
・structural_class_rejection
 
 
4.1.2 Configuration Management(構成管理)
 このUoFでは、「承認」、「変更」、バージョン履歴の中での個別の「バージョン」の識別とその違い、といった側面を取り扱う。「承認」には、いつ、だれが、なにをどのようなレベルで承認したか、また承認同士がどのような関連があるかが記述される。「変更」には、いつだれがどの情報を変更したかが記述される。さらに、その変更の影響を、他の情報の作成、修正、削除という観点で記述できる。情報の「バージョン」は、バージョンを付けるという問題と、そのバージョンを履歴の中のほかのバージョンとどう区別するのかといった問題の双方を取り扱う。このUoFでは、以下に示すアプリケーションオブジェクトが使用される。
・Approval_event
・Approval_history
・Change
・Change_definition
・Change_impact
・Change_plan
・Change_realization
・Change_request
・Check
・Envisaged_definition_creation
・Event
・Revision
・Revision_with_context
・Version_creation
・Version_deletion
・Version_history
・Version_modification
・Version_relationship
・Versionable_object_change_event
 
 
4.1.3 Definitions(定義)
 定義UoFは品目の定義、品目の構造、品目の関係について概要を記述する。このUoFでは、以下に示すアプリケーションオブジェクトが使用される。
・Definition
・Definition_relationship
・Design_definition
・Design_requirement
・Functional_definition
・General_characteristics_definition
・Library_definition
・Library_design_definition
・Library_manufacturing_definition
・Manufacturing_definition
・Parametric_definition
 
 
4.1.4 Design Loads(設計荷重)
 設計荷重UoFは、強度計算のために船体構造にかける荷重に関する図書を取り扱う。ここでは、実際の荷重と、船級協会によって定められる荷重の両方を取り扱う。静水中および波浪中での曲げモーメントとせん断力が典型的な設計荷重である。承認は、通常は基本的縦強度計算で使用される人工的な荷重ケースに対応している。このUoFでは、以下に示すアプリケーションオブジェクトが使用される。
・Bending_moment
・Design_load
・Design_still_water_bending_moment
・Design_still_water_shear_force
・Design_SWSF_values
・Design_vertical_wave_bending_moment
・Design_vertical_wave_shear_force
・Maximum_permissible_still_water_bending_moment
・Maximum_permissible_SWBM_values
・Maximum_permissible_still_water_shear_force
・Maximum_permissible_SWSF_values
・Shear_Force
 
 
4.1.5 External References(外部参照)
 外部参照UoFは他の製品モデルデータセットが持つ情報への参照とデータ交換やデータ共有によって得られるデータ以外の情報への参照の為の能力と機構を準備する。そして外部参照UoFは外部のライブラリーやISO 10303のスコープ以外に定義された標準や文書の特定と参照に用いられる構造品を定義する。このUoFでは、以下に示すアプリケーションオブジェクトが使用される。
・Boolean_property_value
・BSU
・Class_BSU
・Document
・Document_reference
・Document_reference_with_adress
・Document_usage_constraint
・External_instance_reference
・External_reference
・Integer_property_value
・Library_element_reference
・Logical_property_value
・Number_property_value
・Property_BSU
・Property_value
・Real_property_value
・String_property_value
・Supplier_BSU
・Universal_resource_locator







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