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平成15年度
ISO文書STEP船用AP218 Ship Structures
調査解析報告書
 
平成16年2月
株式会社IHIマリンユナイテッド
三菱重工業株式会社
 
 
 
1.1. 分析対象文書と平成14年度報告書との相違点
 本書は下記ドキュメントについて解説を行うことを目的に作成した。
DRAFT INTERNATIONAL STANDARD ISO/DIS 10303-218
ISO/TC 184/SC 4
Voting begins on 2002-06-20 Voting terminates on 2002-11-20
Industrial automation systems and integration -
Product data representation and exchange:
Part 218:
Application protocol: Ship structures
 
 対象文書は昨年度同様、N877(2001-03-23)が対象である。
 
1.2.1. シュトゥットガルト会議(平成15年6月22〜27日)
 AP218は年内にISとなる見通しである。ATS318はキャンセルされたがテスト作業自体は続けられており新たにISPEプロジェクトの成果も取り入れ板切断、開先加工、溶接などの製造データを扱う3年間プロジェクトに継承される予定である。
 
1.2.2. ポアティエ会議(平成15年10月26〜31日)
 AP218はHarvestプロジェクトの貢献により、2003/11にISとなる予定。AP218はISPEプロジェクトの対象APとなっている。韓国チームとのJointミーティングで、韓国ではAP218も対象にテストケースの実装に取り組んでいるとの情報を得た。本会議ではT23 Chairが欠席し議事進行役も途中参加でその他主要メンバーもほとんど参加しないという状況であった為、通常のT23 meetingとは異なる形式でいくつか場が設けられたがAP218はIS化目前という事情もあり規格そのものについての議論はほとんどなされなかった。
 
 分析対象文書は、次のような構成になっている。このうち、本書にて解説する個所をカッコ内に示す。
1 Scope(本書「2. SCOPE」で説明)
2 Normative references
3 Definitions and abbreviations
4 Information requirements
4.1 Units of functionality(本書「3. UNIT OF FUNCTIONALITY (UOF)」で説明)
4.2 Application objects
4.3 Application assertions
5 Application interpreted model
6 Conformance requirements(本書「6. Conformance requirements」で説明)
A AIM EXPRESS expanded listing
B AIM short names
C Implementation method specific requirements
D Protocol Implementation Conformance Statement (PICS) proforma
E Information object registration
F Application activity model(本書「4. APPLICATION ACTIVITY MODEL (AAM)」で一部を説明)
G Application reference model(本書「5. Application Reference Model (ARM)」で一部を説明)
H AIM EXPRESS-G
J Computer interpretable listings
K Application protocol usage guide
L Technical discussions
Bibliography
Index
 
 本書の構成は次のとおりである。
1. はじめに
2. SCOPE
3. UNIT OF FUNCTIONALITY (UoF)
4. APPLICATION ACTIVITY MODEL (AAM)
5. APPLICATION REFERENCE MODEL (ARM)
6. CONFORMANCE REQUIREMENTS(適合性要件)
7. TECHNICAL DISCUSSIONS
8. 得られた知見、問題点
※なお、和訳本文中の段落番号は原文のまま記述する。
 
 本書ではまず、「1. はじめに」で本書の概要を紹介し、「2. Scope」でAP218の取り扱う範囲を説明する。次に「3. Unit of functionality (UoF)」で、本APで取り扱う情報に関する要求事項を説明する。「4. Application Activity Model (AAM)」では、船のライフサイクルの中での本APの範囲や位置づけを明確にする。「5. Application Reference Model (ARM)」で、本APの特徴的な情報モデルを数個抜き出して解説する。「6. Conformance requirements」で適合性要件を、「7. TECHNICAL DISCUSSIONS」で本APの基本コンセプトを解説し、最後に「8. 得られた知見、問題点」で、この解析作業を通して得られた知見や、考えられる問題点について述べる。
 
 ISO10303は、製品データのコンピュータによる表現と交換のための国際規格である。その目的は、その製品のライフサイクル全域における製品情報を、特定のシステムに依存することなく記述できるような、中立的な仕組みを提供することである。このことにより、中立的なファイルによる交換のみならず、製品データベースなどの実装やデータの共有も実現することができる。この国際規格は、それぞれ別々に発行される、分冊方式によって構成されている。分冊は「description method」、「integrated resources」、「application interpreted constructs」、「application protocols」、「abstract test suites」、「implementation methods」、「conformance testing」のいずれかに分類することができる。この分類は、本規格の第1分冊で規定されている。今回の、文書解析対象となっている本文書は、「application protocols」(以下APと省略)に分類されている文書の中の1冊である。この分冊では、船体構造およびそれに関連するデータを取り扱う。この分冊では、本APの考え方、対象とする範囲、船体構造で取り扱う情報に関する要求事項、およびその要求事項に応えるために「integrated resources」をどのように使用していくか、などについて述べる。船用のAPは、キーとなる要素をもとに、次のように分類できる。
・ship arrangements(配置)
・ship moulded forms(船型)
・ship distribution systems(配管、配線、HVACなど)
・ship structures(構造)
・ship mechanical systems(荷役装置や推進機器、装置など)
・ship outfit and furnishings(外装、内装)
・combat systems(武器)
・navigation(運航)
・operation(操作)
 ここに分類された、それぞれの要素が一つもしくはそれ以上のAPで定義される。また船用APでは全ての関連APに共通する基本的なモデル要素を"Ship Common Model (SCM)"として定義しリソースの共有を図っている。SCMの船用AP全体における位置づけと本文の解析対象であるAP218の関係を示す図を以下に記す。SCMの詳細は別添資料1: AP215の7章を参照
 AP218は上記分類の ship structures に対応したものである。本APでは異なった組織間で、船体構造に関する情報を交換するためのプロトコルを規定する。組織には、船会社や船級協会、船舶設計会社、造船所などが含まれる。ライフサイクル内での対象範囲は、一般商船および艦艇における、見積りから設計、建造、修理、そして運航中の検査などが含まれる。
 
Figure 1-Shipbuilding application protocols
 
 
Figure 2-Data planning model







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