5.12 external_references [SHI-ME]
external_references UoFは、他の製品モデルのデータセットの情報を参照するため、あるいは、データの交換や共有のため外部から与えられた情報を参照するための能力とメカニズムを備える。そして、識別子やISO10303のスコープ外の外部ライブラリーで定義される標準やドキュメント参照ための構造を定義する。
ここではISO10303-216 G (ARM)を参照しながら、definitions UoFに含まれる8個のアプリケーションオブジェクトについて解説していく。
5.12.1 Document (IS-4.2.27)
Documentは、ISO10303の範囲外で定義される人間に可読のデータの証明を表現するVersionable_object(IS-4.2.120)の一タイプである。documentは、著者、タイトルを持ち、作り替えられる。Documentと関連するデータは、以下の通りである。
- author
- source_type
- summary
- title
5.12.1.1 author (IS-4.2.27.1)
authorは、Documentを著した人物、組織、あるいは人物と組織を記述する。
5.12.1.2 source_type (IS-4.2.27.2)
source_typeは、documentのタイプが印刷された文書か、電子文書かのタイプを記述する。
例)電子文書のタイプとは、PDF、Word、WordPerfect、Textなど。
5.12.1.3 description (IS-4.2.27.3)
descriptionは、文書の内容の解説を記述する。必ずしもDocumentに対してdescriptionを指定される必要はない。
5.12.1.4 title (IS-4.2.27.4)
titleは、タイトルを記述する。
5.12.2 Document_portion (IS-4.2.28)
Document_portionは、Document(IS-4.2.27)のある特定の部分を一般的な用語で限定するもの。
例)レポートの章分けは、ページ番号によってその範囲を示すことが出来る.
Document_portionと関連するデータは、以下の通りである。
- element_type
- element_value
- source
5.12.2.1 element_type (IS-4.2.28.1)
element_typeは、Document(IS-4.2.27)の部分集合に対する名前を記述する。
例)elementのタイプとは、ページ番号、章番号、章のタイトル。
5.12.2.2 element_value (IS-4.2.28.2)
element_valueは、Document(IS-4.2.27)の部分集合に対する値を指定する。
例)考えられるelement_valueには、ページ番号=“1-10, 15”、章番号=“3.2.4”、章のタイトル=“Introduction"など。
5.12.2.3 source (IS-4.2.28.3)
sourceは、特定の部分集合が関係するDocument(IS-4.2.27)を指定する。
application assertions(IS-4.3.26)を参照のこと。
5.12.3 Document_reference (IS-4.2.29)
Document_referenceは、Document(IS-4.2.27)をその出展や位置によって限定する。Document_referenceはDocument_reference_with_address(IS-4.2.30)としてもよい。
例)Document_referenceの出展が書籍であるならば、ポインタは章のラベルあるいはページ番号となる。
Document_referenceと関連するデータは、以下の通りである。
- assigned_document
5.12.3.1 assigned_document (IS-4.2.29.1)
assigned_documentは、製品データと関連するDocument(IS-4.2.27)、あるいはDocument_portion(IS-4.2.28)を指定する。application assertions(IS-4.3.26)を参照のこと。
5.12.4 Document_reference_with_address (IS-4.2.30)
Document_reference_with_addressは、Document_reference(IS-4.2.29)、そして、出展のなかの位置を示すポインタを指定するExternal_reference(IS-4.2.35)の一タイプである。
5.12.5 External_instance_reference (IS-4.2.34)
External_instance_referenceは、スコープの中に存在していないオブジェクトのインスタンスを示す。External_instance_referenceと関連するデータは、以下の通りである。
- entity_type
- schema_name
- target_GUID
5.12.5.1 entity_type (IS-4.2.34.1)
element_typeは、外部から参照されるインスタンスのタイプ名を指定する。
5.12.5.2 schema_name (IS-4.2.34.2)
schema_nameは、外部から参照されるインスタンスが定義されるスキーマを指定する。
5.12.5.3 target_GUID (IS-4.2.34.3)
target_GUIDは、外部から参照されるインスタンスのグローバルな識別子を指定する。application assertions(IS-4.3.30)を参照のこと。
5.12.6 External_reference (IS-4.2.35)
External_referenceは、オブジェクトのインスタンスが存在するデータセットの外部データソースの抽象的な意味である。External_referenceはDocument_reference_ with_addres(IS-4.2.30)となる。
例)Universal_resource_locator(IS-4.2.114)は、そのようなデータソースを意味している。
External_referenceと関連するデータは、以下の通りである。
- description
- location
5.12.6.1 description (IS-4.2.35.1)
descriptionは、External_referenceに関する付加的な情報を記述する。
5.12.6.2 location (IS-4.2.35.2)
locationは、は外部参照の位置を記述する。Universal_resource_locator(IS-4.2.114)の場合では、その位置はある特定の伝送プロトコルによってコンピュータのアクセスができる。application assertions(IS-4.3.30)を参照のこと。
5.12.7 External_storage (IS-4.2.36)
External_storageは、外部にある物理的な文書や記事などの場所である。このオブジェクトは、CD_ROM、フロッピーディスク、ビデオテープの場所を確認するときに役に立つ。
例)公開図書館や会社の公記録保管所などがExternal_storageとして利用できる。
External_storageと関連するデータは、以下の通である。
- location
5.12.7.1 location (IS-4.2.36.1)
locationは、一般的には直接的なコンピュータネットワークアクセスの可能性のない外部の保管場所の登録番号を記述する。
5.12.8 Universal_resource_locator (IS-4.2.114)
Universal_resource_locatorは、電子的なデータソースのアドレスである。電子データソースは、インターネットアドレスである。Universal_resource_locatorの構造は、RFC2396に記載されるようにUniform Resource Identifier (URI)の仕様に厳密に従う。
Universal_resource_locatorと関連するデータは、以下の通である。
- location
5.12.8.1 location (IS-4.2.114.1)
locationは、ウェブ上の文書や他の情報の置かれている保管場所を記述する。
注)このような記憶位置は、たとえばプロトコルタイプ、マシンアドレス(名前あるいはインターネットプロトコルナンバー)、オプションのポートナンバーやローカルパスなどのように、一般的にはいくつかのコンポーネントによって構成される。さらなるコンポーネントの追加も可能となる。
5.12.1〜5.12.6で解説したexternal_references Uofに関する8つのアプリケーションオブジェクト、
- Document
- Document_portion
- Document_reference
- Document_reference_with_address
- External_instance_reference
- External_reference
- External_storage
- Universal_resource_locator
の関連を示したEXPRESS-Gを図5.12-1、2に示す。
図5.12-1 ARM EXPRESS-G UoF external_references diagram (1)
図5.12-2 ARM EXPRESS-G UoF external_references diagram (2)
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