交通量および乗客数、ならびにスクリーンラインの平均利用率を調査した。図で分かるように、スクリーンライン1の1日当たりの上り下りの総交通量は、自転車を除き、それぞれ、約74,000台と75,000台であったが、スクリーンライン2の上り下りの総交通量は、自転車を除き、1日当たり約57,000台と52,000台であった。スクリーンライン2の上り下りの交通量は、スクリーンライン1と比べ、それぞれ約16,000台と23,000台少なかった。
乗客数については、スクリーンライン1では、上り下りで1日当たりそれぞれ約439,000人と480,000人であった。一方、スクリーンライン2の乗客数は、上り下り共1日当たり約257,000人で、スクリーンライン1と比べ、それぞれ約181,000人と223,000人少なかった。
スクリーンライン2の場合、BR-316方向の乗客数は、全乗客数の約70%を占め、残りは、イコアラシ往復の乗客で、それに対し車両数は64%を占めている。ベレーン首都圏では、主要な交通ルートは、交通の流れから見てアルミランテ・バロソ通りとBR-316であることは明らかである。
乗用車とバスの平均利用率は、スクリーンライン1の場合、車両1台当たり、それぞれ約2.3〜2.4人と31〜34人である。スクリーンライン2の場合、乗用車は平均約1.9〜2.0人の乗客を運び、バスは平均約27人の乗客を運ぶ。
ピーク時の上り方向の交通量は、スクリーンライン1では、午前7時から8時までの1時間で約7600台(自転車を除く)、スクリーンライン2では、午前8時から9時までの1時間で約3900台である。スクリーンライン2の交通量のピークは午前中ではないが、スクリーンライン1のピークは明らかに午前中である。
ピーク時の上り方向の乗客数は、午前7時から8時までの1時間当たり約73,000人であるが、下り方向では同1時間当たり31,000人である。スクリーンライン2では、上り下り方向、1時間当たり、それぞれ約29,000人と14,000人である。時間ごとの変動を見ると、乗客のピークの割合は、両スクリーンラインで交通量の割合よりも高くなっている。スクリーンライン1とスクリーンライン2の上り方向の数字は、それぞれ、1日の量の約17%と11%であるが、それに対し交通量では10%と7%である。
BMAにおける主要な交通の流れは、次の2大交通ルートで起こる。(1)アルミランテ・バロソ通り−BR-316(アナニンデウアとベネビデス方向)と、(2)アウグスト・モンテネグロ街道(イコアラシ方向)である。最も交通量が多いのは、アルミランテ・バロソ通りである。その1日当たりの交通量は、自転車を除き、両方向で約95,600台である。上り方向のピーク時は、午前7時から8時の間に発生する。ピーク時の交通量の割合は、1日当たりの9.9%であるが、上り方向の交通量の割合は両方向の58%を占めている。このピーク比は、典型的な都市交通の特性を示している。朝のピーク時間帯の上り方向1時間当たりのバスの交通量は約600台で、乗客は1時間当たり43,000人である。これらの数値は交通容量が限界に近いことを示している。
BR-316の交通量は、1日当たり約43,000台〜49,000台である。アルミランテ・バロソ通りとBR-316のバスの割合は、他の車両より多い。バスの割合は約14%である。この幹線ルートはバスの乗客を運ぶために重要な幹線道路である。
また、アウグスト・モンテネグロ街道は交通量が非常に多い(1日の上り下りの交通量はそれぞれ25,000台と41,000台である)。この道路の交通量にバスの占める割合は12%と高く、公共交通としても重要である。上り方向のピーク時間は午前7時から8時までである。ピーク時間は1日の交通時間の7.7〜9.4%で、上り方向の割合は、両方向の交通量の58〜66%である。ピーク時のバスの乗客数は、1方向および1時間当たり約21,000人である。
その他の主要道路については、ペドロ・アルバレス・カブラルの交通量が非常に多い(1日41,000台)。ピーク時のバスの乗客は、1方向および1時間当たり約11,000人である。乗客数は、アルミランテ・バロソ通りとアウグスト・モンテネグロ街道よりも若干少ない。
進行中の予備調査で、2003年に行なわれた入手可能な情報の分析と各種公共交通調査の結果、この調査地域における現在のバスの運行に関する多数の問題点と課題が指摘されたので、それを次のページに要約した。
現在の公共交通の問題点と課題
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問題点と課題 |
備考 |
運行ルート |
1)多くの人が郊外地域に住んでおり、ベレーンの中心部で働いている。したがって、調査対象地域における主なバス路線は、郊外の各人口集中地域(イコアラシ、シダジ・ノバ、Marituba)とベレーンのセントロ地区とを接続している。セントロ地区は都市バスのサービスが行き届いているが、3つの郊外人口集中地区にはその地域内を移動するためのバス路線がない。 |
1)乗客は限られた地域に集中している。 |
2)調査対象地域には約165のバス路線が運行している。64の路線(路線の40%を占める)がアルミランテ通りを通過するため、激しい交通渋滞を引き起こしている。 |
2)集中したバス路線 |
3)Marituba−セントロ間とアナニンデウア−セントロ間のバス路線は、主にナザレ通りとガバナー・ホセ・マルチャー通りを通り、ひどい交通渋滞の原因となっている。 |
3)集中したバス路線 |
4)ベレーンセントロには約40のバス路線があり地域内を運行している。また、約90のバス路線が郊外からセントロ地区に入っている。全部で130のバス路線があり(全バス路線の79%を占める)、ベレーンセントロで運行している。自動車交通に占めるバスの割合は非常に高く、セントロ地区の交通渋滞問題を悪化させている。 |
4)セントロ地区の過度なバスサービスの供給 |
運行システム |
1)乗客は予測不可能なバスの到着を長時間待たなければならない。乗客が時間どおりに目的地に到着できないことはたびたびあり、バスの利用を避けはじめている。 |
1)スケジュールどおりにバスを運行できない。 |
2)ベレーンセントロには130のバス路線が運行している。バス1台当たりの平均乗客数は非常に少なく10〜20人である。供給と需要の不均衡が効率的なバスの運行を阻害している。 |
2)セントロ地区におけるバス運行の非効率 |
3)バスの運行頻度はピーク時であってもなくても余り変わりなく、バス運行の非効率を表している。 |
3)供給と需要に対応してサービスのレベルを調整できない。 |
料金制度 |
1)乗客は乗車後に車掌に料金を支払い、つり銭を受け取る。このやり取りのために乗車時に大変な時間が掛かり、運行速度が低下し、スケジュールどおりの運行を妨げている。 |
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2)18種類に及ぶバス料金の免除が、料金システムを不必要に複雑にしている。 |
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設備 |
1)ほとんどのバス停にバス乗り場がない。バスは乗客を道端で乗せるので、後続車の流れを妨げる。これは道路の容量を低減し、交通渋滞の頻度を増やす原因となっている。 |
1)不適切なバス停の設計 |
2)バスが使用する道路は往々にして十分な保守が行なわれず、安定した運行をひどく妨げている。 |
2)不適切な道路保守 |
3)バスターミナルにはバスが待機する駐車スペースなどの設備がなく、またバスのスケジュールや運行ルートの地図などの案内板もない。道路で待機するバスは、また別のバスの交通障害になっている。 |
3)不適切なバスターミナルの設備 |
組織 |
バス会社は、市の交通局から運行許可の取得が必要である(ベレーン市ではCTBel)。複数の市で運行したい場合、バス会社は、該当するすべての市からの許可取得が必要である。隣接する市の交通局間のバスの運行に関する協力体制が十分出来上がっていないことが、バスサービスの効率的運営を妨げる要因となっている。 |
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