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■まえがき
 (財)ブルーシー・アンド・グリーンランド財団(B&G財団)は、昭和48年(1973年)の設立以来、全国480市町村に地域海洋センターを建設し、指導者の養成をはじめ青少年の健全育成・地域住民皆さんの健康づくりのための事業を実施してまいりました。
 本年3月に創立30周年を迎えた当財団では、「海と緑のふれあい 〜スポーツ・健康・人づくり〜」をスローガンに掲げるとともに、地域海洋センター(プール・体育館・艇庫)整備事業などの“ハード”中心の事業から、ハードを活用した青少年健全育成や高齢者の健康づくりのためのプログラム・ノウハウ・情報などを提供する“ソフト”を中心とする事業へと大胆に転換いたしました。
 このソフト事業のひとつとして、中高年の「健康づくり」を支援する、ウォーキングを中心とした運動プログラムを開発し、指導者の養成をはじめ、全国の地域海洋センターへの普及活動を行っております。
 楽しく充実した一生を送るために「健康」はなくてはならないもの。「足が弱っては長生きできない」ということが生理学的にも証明されていますが、世の中の移動手段が便利になるにつれて、歩く機会が減り加齢とともに「足」は衰えていく傾向にあります。だからこそ、健康を維持していくためには、歩く機会を増やしていく必要があります。
 中高年にとって運動の主な目的は、現在の身体機能を維持することであり、特に、移動能力(歩行、転倒防止能力)、呼吸機能、関節の可動性、ある程度の筋力、平衡機能の維持が重要です。
 そこで、当財団では、アクア(プール)とフロア(体育館)というエリア別に、「歩く」ことを中心にした楽しい運動プログラムを開発しました。
 本マニュアルは、フロア(体育館)で無理なく楽しくできる運動を10回分のプログラムにまとめたものです。指導するにあたっては、参加者の体力レベルやその日の体調を充分に考慮し、プログラムを参加者の状態に合うようにアレンジして実施するようお願いいたします。
 本マニュアルを活用し、健康意識の高い一握りの中高年の方だけでなく、健康づくりや運動に対する意識が低い中高年の方にも「からだを動かす」ことへの興味づけを行い、ひとりでも多くの人々に、運動の楽しさに触れ、その必要性を感じ、健やかで活力ある生活を送り続けることになれば幸いです。
 B&G財団では、今後も、“幼児期からの正しい生活習慣と遊びや自由な身体活動の習慣を身に付けたまま高齢化を迎える”という、長期的視点に立った社会への貢献を目指していきたいと考えております。
 
 最後に、本マニュアルは、競艇公益資金による日本財団の助成金を受けて作成いたしました。厚くお礼申し上げます。
 
平成15年10月
(財)ブルーシー・アンド・グリーンランド財団
 
ライフサポート運動プログラム
 
フロア編I
 
ライフサポート運動プログラム
フロア運動プログラムとは
■LFプログラムとは
 フロア(体育館)でウォーキングを中心にストレッチ、耐久力・筋力トレーニング、レクリエーションなど、いろいろな運動をバランスよく取り入れて行います。
 LFプログラムの中心となる「ウォーキング」は、誰でも簡単にできる有酸素運動であり、歩行能力の維持、向上に効果的です。ただ歩くだけではなく、ウォーキングの基本的な動作にいろいろな動きを取り入れ、いつもは使わない筋肉に刺激を与えて自然に体力を維持します。みんなで音楽に合わせて楽しく歩くことで運動の楽しさを実感します。
 ストレッチやトレーニングはどこにでもある身近な道具を使い、参加者の運動への関心や意識を高め、日頃から自分でも取り組んでいけるようにします。
 レクリエーションはボール運動や簡単なゲームをしながら、楽しく自然に体を動かします。運動を継続してもらうためには参加者同士の交流が必要なことから、レクリエーションではペアやグループで運動することで、自然に会話やスキンシップをはかっていきます。
 フロア運動プログラムでは、加齢による身体機能の低下を十分に配慮するとともに、プログラムの前後に血圧を測定し、その日の健康状態を確認することが必要です。
 
■プログラム構成
<音楽体操>
音楽を活用したリズミカルなオリジナル体操で体をほぐします。
 
<ウォーキング>
基本的な運動にいろいろな動きを取り入れ、いつもは使わない筋肉を動かします。
 
<各部位体操>
ダンベルやゴムチューブを使って、筋肉に刺激を与えます。
 
<柔軟・ストレッチング>
筋肉の緊張を和らげ、体の感覚を維持・向上させます。
 
<レクリエーション>
様々な手具や用具を使い、誰にでもできる簡単な運動を行います。参加者が自然に触れ合う雰囲気を作ります。
 
<リラクセーション>
プログラムの最後に心身をリラックスさせ、上昇した心拍数をさげていきます。
 
■注意事項
(1)運動経験や体力などの個人差を配慮して、自分にあったペースで行うようにする
(2)参加者が運動への意識を持てるようにする
(3)良いところを見つけて褒め、達成感を感じるようにする
(4)テンポよく運動ができるように、リズミカルな音楽を活用する
(5)参加者が自然にコミュニケーションをとれるように配慮する
(6)フロアをあまり広くすると、運動量が多くなるので武道場や体育館の半面を使用する







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