日本財団 図書館


4 被襲撃船舶の船主国別割合
 2001年に襲撃された船舶の船主国別割合をみると、ギリシャが50隻(16%)を占め、次いでシンガポール45隻(13%)、ドイツ20隻(6%)、マレーシア、キプロスがそれぞれ18隻(5%)となっています。(図6)
 なお、日本は11隻(3%)となっています。
 (※2001年のレポートから掲載されることとなった新しい統計です。)
 
図6 被襲撃船舶の船主国別割合(2001年)
 
地域別 件数
ギリシャ 50
シンガポール 45
ドイツ 20
マレーシア 18
キプロス 18
香港 16
英国 15
日本 11
ノルウェー 11
その他 131
335
 
5 人的被害
 2001年に海賊事件による人的被害は331人となっており、2000年の480人と比べると149人(31.0%)の減少となっています。
 人的被害の推移をみると、1994年までは50名前後で推移していたものが1995年に410人と急激に増加しています。1997年には643人を記録していますが、以後は480人前後でほぼ横ばい状態となっています。海賊事件数の増加傾向とは対照的です。(図7)
 2001年の海賊事件による人的被害を海域別にみてみると、インドネシアが100人と全体の30%を占めており、次いで、ソマリア48人(14.5%)、マラッカ海峡27人(8.2%)となっています。(図8)
 一方、海賊による死亡者数についてみると、2000年の72人(さらに26人が未だ行方不明)から2001年には21人に減少しています。(図9)
 また、その推移をみてみると1998年まで顕著な増加傾向を示し1998年には78人となったものが1999年には一挙に3人にまで激減、そして2000年に再度急激に増加しています。
 海賊事件を武装・非武装別にみてみると、武装海賊による海賊事件が増加傾向を示しており、上記の殺傷事件の増加傾向の要因として考えられます。(図10)また、武装海賊の中でも、拳銃による海賊事件が増加傾向を示しており、総件数の減少とは対照的に、海賊事件の深刻性は増加していると言えます。(図11)
 
図7 海賊事件による人的被害(人)
 
図8 海賊事件による人的被害(2001年・海域別)
 
海域名 件数
インドネシア 100
ソマリア 48
マラッカ海峡 27
インド 24
バングラディッシュ 21
タンザニア 21
ブラジル 18
シンガポール海峡 14
その他 58
合計 331
 
図9 海賊事件による死亡者数の推移(人)
 
図10 武装・非武装海賊の推移
 
図11 武装海賊の推移
 
6 船舶の状態別発生件数
 2001年に発生した海賊事件のうち、約半数の156件(46%)が錨泊中に発生しています。次いで、航行中が130件(39%)、岸壁停泊中が47件(14%)となっています。(図12)
 
図12 海賊襲撃時の状態(2001)
 
岸壁停泊中 47
錨泊中 156
航行中 130
不明 2
合計 335
 
7 ハイジャック事件の発生状況
 2001年におけるハイジャック事件は16件で、2000年の8件に比べ倍増しました。ハイジャック事件の推移をみると、1991年以降急激に増加し、1997年、1998年には年間17件を記録したものの、以降は減少傾向に転じたが、2001年にはまた増加しています。
 ハイジャック事件の海域別発生状況をみると、マレーシア6件、インドネシア4件、マラッカ海峡2件とこれら3海域で12件、全体の75%を占めています。(図13、14)
 (※ハイジャック事件とは、船舶の貨物、船体を乗っ取る意思を持って、船舶のコントロールを奪う行為とされています。)
 
図13 ハイジャック発生件数の推移
 
図14 ハイジャック事件発生件数(2001年・海域別)
 
地域別 件数
マレーシア 6
インドネシア 4
マラッカ海峡 2
南シナ海 1
インド 1
その他 2
合計 16







日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION