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E節 バラスト水管理のための検査及び証書要件
 
 
1 浮いているプラットフォーム、FSUs及びFPSOsを除き、この条約が適用される400総トン以上の船舶は、以下に明示の検査に従わなければならない。
 
.1 船舶就航前に、あるいはこの規則E-2又はE-3の下に要求される証書が初めて発給される前に実施される最初の検査。
 この検査では、規則B-1で要求されるバラスト水管理計画並びに関連する構造、設備、装置、艤装品、配置及び材料、あるいは工程が、この条約の要件に十分応諾していることを立証しなければならない。
 
.2 規則E-5.2、E-5.5、E-5.6又はE-5.7が適用される場合を除き、5年を超えない範囲で実施される、主官庁明示の間隔による更新検査。
 この検査では、規則B-1で要求されるバラスト水管理計画並びに関連する構造、設備、装置、艤装品、配置及び材料、あるいは工程が、この条約で適用される要件に十分応諾していることを立証しなければならない。
 
.3 第1.4項に明示の年次検査の一つに代わるべきものとして、第2回目の基準日の前後3箇月以内実施されるか、あるいは第3回目の基準日の前後3箇月以内に実施される中間検査。
 当該中間検査では、バラスト水管理のための設備及び付帯装置について、この附属書で適用される要件に十分応諾し、かつ、作動良好であることを確保するものでなければならない。当該中間検査については、規則E-2又はE-3の下に発給される証書に裏書されなければならない。
 
.4 各証書基準日の前後3箇月以内に実施される年次検査。
 当該年次検査では、この規則B-1で要求されるバラスト水管理計画に関連する構造、設備、装置、艤装品、配置及び材料、あるいは工程についての全般的点検を含み、それらが第9項に従って維持されていること、また、意図された船舶の運航にとって十分なものであり続けることを確保する。
 当該年次検査については、規則E-2又はE-3の下に発給される証書に裏書されなければならない。
 
.5 この条約を遵守の十分に達成するのに必要な、構造、設備、装置、艤装品、配置及び材料についての、変更、交換又は重要修理の後に実施されなければならない、状況に応じた全般的又は部分的いずれかの追加検査。
 当該検査については、このような変更、交換又は重要修理が効果的に実施されたことを保証し、そのことにより船舶がこの条約の要件を遵守できるようにするものでなければならない。この検査については、規則E-2又はE-3の下に発給される証書に裏書されなければならない。
 
2 主官庁は、この条約の適用規定の遵守を確保するため、第1項の規定に従わない船舶に対し、適切な方策を制定しなければならない。
 
3 この条約の規定の執行を目的とする船舶検査については、主官庁の職員が実施しなければならない。しかしながら、主官庁は、当該検査について、この目的のため任命された検査官又は主官庁が承認する組織に委託することができる。
 
4 第3項に記載の検査実施のため、検査官を任命又は組織を承認した主官庁は、当該任命検査官又は承認組織に対して、最小限、以下の権限を与えなければならない2
 
.1 船舶に対し、この条約の規定遵守のための検査を要求すること。
 
.2 締約国である寄港国の関係当局から要求があった場合、検査及び臨検を実施すること。
 
5 主官庁は、締約国職員への情報として締約国に回章できるように、任命検査官又は承認組織に付与した権限の具体的責任及び条件について、機関に通報しなければならない。
 
6 主官庁、任命検査官又は承認組織が、船舶のバラスト水管理が規則E-2又はE-3の下に要求される証書の細目と一致していないか、あるいは当該船舶が環境、人間の健康、財産又は資源への危害脅威を形成せずに航行するのに適していないと決定した場合、当該検査官又は組織は、当該船舶が応ずるための改善措置を直ちに確保しなければならない。検査官又は組織には、直ちに通告されなければならず、また、通知を受けた検査官又は組織は、証書の非発給又は取り消しを確保しなければならない。当該船舶が別の締約国港にいる場合、直ちに寄港国の適切な当局に通告されなければならない。主官庁の職員、任命検査官又は承認組織が、寄港国の適切な当局に通告した場合、関係寄港国政府は、当該職員、検査官又は組織に対し、第9条に記載のいかなる措置をも含め、この規則の下に、彼らの責務を遂行するのに必要な助力を与えなければならない。
 
7 この条約に従ったバラスト水管理における船舶の実施能力について、実質的に影響する事故が発生するか又は欠点が発見された場合にはいつでも、当該船舶の所有者、運航者又は責任者は、可及的速やかに、関連証書を発給する責任のある、第1項で要求される検査の必要性を決定する調査を開始すべき主官庁、承認組織又は任命検査官に報告しなければならない。当該船舶が、他の締約国の港にいる場合、当該船舶の所有者、運航者又は責任者は、寄港国の適切な当局に対し、速やかに報告しなければならず、また、任命検査官又は承認組織は、当該報告がなされたことを確認しなければならない。
 
8 あらゆる場合において、関係主官庁は、検査の完全性及び能率性を十分に保証しなければならず、また、この義務を果たすのに必要な措置を確保する責任を負わなければならない。
 
9 船舶及びその設備、装置及び工程の状態については、当該船舶が、すべての点で、環境、人間の健康、財産又は資源への危害脅威を形成しない航行への適合性続行を確保できるように、この条約の規定との一致性を維持しなければならない。
 
10 この規則第1項の下のいかなる船舶検査が完了した後においても、当該検査に包含されている、規則B-2で要求されているバラスト水管理計画に関連する構造、設備、艤装品、配置又は材料については、当該設備又は艤装品についての直接の交換を除き、主官庁の認可なしで変更してはならない。
 
 
1 主官庁は、この附属書規則E-1適用船舶に対する、規則E-1に従って実施された検査が好結果をもって完了した後の証書発給を確保しなければならない。一締約国の権限の下に発給された証書については、他の締約国に受け入れられなければならず、また、この条約でカバーされるすべての目的上、他の締約国が発給した証書と同じ効力を持つものとみなされなくてはならない。
 
2 証書は、主官庁あるいは主官庁から正式に承認されたいかなる者又は組織により、発給又は裏書されなければならない。当然のことながら、あらゆる場合において、主官庁は証書についての全責任を負う。
 
 
1 主官庁の要請があった場合、その他の締約国は、条約に従って船舶を検査することができる。条約の規定が遵守されていることを確信した場合には、この附属書に従って、証書を発給するか又は発給を承認しなければならず、また、必要に応じ、船内の当該証書を裏書するか、又は裏書を承認しなければならない。
 
2 当該証書の写し及び検査報告書の写しは、当該要請主官庁に対し、可及的速やかに送付されなければならない。
 
3 このようにして発給された証書は、当該主官庁の要請で発給された趣旨の記述を含まなければならず、また、当該主官庁により発給された証書と同様の効力を持ち、かつ、同様の承認を得たものとみなされなくてはならない。
 
4 非締約国旗を掲げる権利を有する船舶に対しては、証書を発給してはならない。
 
 
 当該証書の様式については、発給国の公用語で、付録に記載の様式で作成しなければならない。当該公用語が英語、仏語又はスペイン語のいずれでもない場合、これらの一言語による翻訳を含まなければならない。
 
 
1 証書は、5年を超えない範囲で、主官庁が明示する期間に対し発給されなければならない。
 
2 更新検査:
 
.1 第1項の要件にかかわらず、更新検査が既存証書失効日より前の3箇月以内に完了した場合、新証書については、更新検査完了日から既存証書失効日から5年を超えない日までを有効としなければならない。
 
.2 更新検査が既存証書失効日より後に完了した場合、新証書については、更新検査完了日から、既存証書失効日から5年を超えない日までを有効としなければならない。
 
.3 更新検査が既存証書の失効日の3箇月より前に完了した場合、新証書については、更新検査完了日から、更新検査完了日から5年を超えない日までを有効としなければならない。
 
3 証書が5年未満の期間に対して発給された場合、主官庁は、証書有効日を、第1項に明示の最長期間まで延長することができる。ただし、5年間の証書が発給される場合に適用される規則E-1.1.3に関する検査が、適切に実施されたことを条件とする。
 
4 更新検査を完了したが、既存証書失効日前に新証書を発給又は船内に所持できない場合、主官庁に承認された者又は組織は、既存証書に裏書することができる。当該裏書証書については、既存証書失効日から5箇月を超えない延長期間に対し、有効なものとして受け入れなければならない。
 
5 船舶が、証書失効時に検査予定港にいない場合、主官庁は、当該証書の有効期間を延長することができる。しかしながら、当該延長については、当該船舶の当該検査予定港に向けた航海成就のためのみに許可しなければならない。また、当該延長の適切性及び合理性が明確な場合に限られる。3箇月を超えた期間の証書延長はない。また、当該延長が許可された船舶は、検査予定港への入港時に、新証書を所持せず出港するための当該延長効力の資格を失う。当該更新検査完了時の新証書については、当該延長許可以前の既存証書の失効日から5年を超えない日まで有効としなければならない。
 
6 この規則の上述規定の下に延長が許可されない短期間航海に従事する船舶に対し発給される証書については、主官庁は、当該証書に記載の失効日から1箇月までを猶予期間として延長することができる。当該更新検査完了時の新証書については、当該延長許可以前の既存証書失効日から5年を超えない日まで有効としなければならない。
 
7 主官庁が決定する特別な状況下においては、新証書の有効日については、この規則第2.2、5又は6項が要求している既存証書の失効日からの日付とする必要はない。これらの特別な状況下においては、新証書については、更新検査完了日から5年を超えない日まで有効としなければならない。
 
8 規則E-1で明示の期間より前に、年次検査が完了した場合、
 
.1 証書に記載の基準日については、当該検査完了日から3箇月以内の日付にするよう、裏書により変更しなければならない。
 
.2 規則E-1で要求されている後続の年次又は中間検査については、新たな基準日をもって、当該規則に規定の間隔で完了しなければならない。
 
.3 証書失効日については、1回又は複数回の年次検査が、規則E-1で規定されている検査間の最長間隔を超過しないように適切に実施されることを条件に、変更しないままとすることができる。
 
9 規則E-2又はE-3の下に発給される証書は、以下のいかなる場合にも効力を失わなければならない。
 
.1 この条約の十分な遵守に必要な、構造、設備、装置、艤装品、配置及び材料について、変更、交換又は重要修理がなされたにもかかわらず、当該証書がこの附属書に従って裏書されなかった場合
 
.2 船籍を転籍した場合
 新たな証書については、新たな証書を発給する締約国が、当該船舶について、規則E-1の要件に従っているとものと十分に満足した場合にのみ発給しなければならない。締約国間における転籍の場合で、船舶の転籍が実施された後3箇月以内に要請があった場合には、前船籍の締約国は、可及的速やかに、当該船舶が転籍前に保持していた証書の写しを、また可能ならば、関連検査報告書の写しについても、現船籍の主官庁に伝達しなければならない。
 
.3 関連検査が、規則E-1.1の下に明示されている期間内に完了しなかった場合
 
.4 証書が、規則E-1.1に従って裏書されていない場合
 
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2 機関が決議A.739(18)により採択した諸ガイドライン(機関により修正可)、並びに機関が決議A.789(19)により採択した仕様(機関により修正可)参照







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