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f. 動物プランクトン(底生動物の幼生)
 
 底生動物の幼生(二枚貝、ヒドデ、カニ等の浮遊期幼生)に対する処理効果は、漲水時あるいは排水時のどちらか一方の処理で、ほぼ100%の殺滅率を得た。 ただし、漲水時の原水との比較ができない一部の実験では、ごく少量であるが正常個体が残存し、完全に100%の効果を得るまでには至っていない。
 
(漲水時に処理し、排水港で未処理排出ケースも含む。)
 
 表II.2.3.4-20及び図II.2.3.4-19には、漲水時と排水時の2回処理した第1航海のシアトルから東京及び第2航海のシアトルから名古屋における実験結果を示した。
 底生動物の幼生に対する処理効果は、漲水時処理直後で100%の殺滅率となる。
 
表II.2.3.4-20(1)漲水時と排水時の2回処理したケースにおける
動物プランクトン(底生動物の幼生)の変化
(第1航海:シアトル→東京)
実験港 Seattle Tokyo
実験日 Dec.6 Dec.15
分析検体数 3 3
サイズ区分(単位)\試料名 シアトル原水 シアトル漲水時処理後 東京排水時処理前 東京排水時処理後
80μm以上(inds/m3 <100 <100 <100 <100
80μm未満−10μm以上
(inds/ml)
<0.001 <0.001 <0.001 <0.001
 
表II.2.3.4-20(2)漲水時と排水時の2回処理したケースにおける
動物プランクトン(底生動物の幼生)の変化
(第2航海:シアトル→名古屋)
実験港 Seattle Nagoya
実験日 Dec.6 Dec.15
分析検体数 3 3
サイズ区分(単位)\試料名 シアトル原水 シアトル漲水時処理後 名古屋排水時処理前 名古屋排水時処理後
80μm以上(inds/m3 <100 <100 <100 <100
80μm未満−10μm以上
(inds/ml)
0.001 <0.001 <0.001 <0.001
 
図II.2.3.4-19(1)漲水時と排水時の2回処理したケースにおける
動物プランクトン(底生動物の幼生)の変化
(第2航海:シアトル→名古屋)
 
80μm未満−10μm以上(inds/ml)
注)図中の数字は、原水に対する減少率
 
 
 表II.2.3.4-21及び図II.2.3.4-20には、底生動物の幼生に対する排水時処理ケースの実験結果を示した。
 底生動物の幼生は、航海中に自然死滅するケースが多く、残存したとしても排水時に処理することで、1ケース(第2航海における香港で漲水した海水の神戸での排水時処理、表II.2.3.4-21(5)と図II.2.3.4-20(5))を除き漲水港湾の原水に比べて100%の殺滅率となった。
 
表II.2.3.4-21(1)排水時処理ケースにおける
動物プランクトン(底生動物の幼生)の変化
(第1航海:ロサンゼルス→バンクーバー)
実験港 Los-Angeles Vancouver
実験日 Dec.1 Dec.5
分析検体数 1 2
サイズ区分(単位)\試料名 ロサンゼルス原水 バンクーバー排水時処理前 バンクーバー排水時処理後
80μm以上(inds/m3 4100 <100 <100
80μm未満−10μm以上
(inds/ml)
0.004 <0.001 <0.001
 
図II.2.3.4-20(1)排水時処理ケースにおける
動物プランクトン(底生動物の幼生)の変化
(第1航海:ロサンゼルス→バンクーバー)
 
80μm以上(inds/m3
 
80μm未満−10μm以上(inds/ml)
注)図中の数字は、原水に対する減少率
 
表II.2.3.4-21(2)排水時処理ケースにおける
動物プランクトン(底生動物の幼生)の変化
(第1航海:シアトル→名古屋)
実験港 Seattle Nagoya
実験日 Dec.6 Dec.16
分析検体数 3 1
サイズ区分(単位)\試料名 シアトル原水 名古屋排水時処理前 名古屋排水時処理後
80μm以上(inds/m3 <100 <100 <100
80μm未満−10μm以上
(inds/ml)
<0.001 <0.001 <0.001
 
表II.2.3.4-21(3)排水時処理ケースにおける
動物プランクトン(底生動物の幼生)の変化
(第2航海:東京→ロサンゼルス)
実験港 Tokyo Los-Angeles
実験日 Dec.27 Jan.7
分析検体数 2 3
サイズ区分(単位)\試料名 東京原水 ロサンゼルス排水時処理前 ロサンゼルス排水時処理後
880μm以上(inds/m3 <100 <100 <100
80μm未満−10μm以上
(inds/ml)
0.006 0.001 <0.001
 
図II.2.3.4-20(3)排水時処理ケースにおける
動物プランクトン(底生動物の幼生)の変化
(第2航海:東京→ロサンゼルス)
 
80μm未満−10μm以上(inds/ml)
注)図中の数字は、原水に対する減少率
 
表II.2.3.4-21(4)排水時処理ケースにおける
動物プランクトン(底生動物の幼生)の変化
(第2航海:バンクーバー→東京)
実験港 Vancouver Tokyo
実験日 Jan.12 Jan.21
分析検体数 2 1
サイズ区分(単位)\試料名 バンクーバー原水 東京未排水時処理前 東京排水時処理後
80μm以上(inds/m3 200 <100 <100
80μm未満−10μm以上
(inds/ml)
0.002 0.002 <0.001
 
図II.2.3.4-20(4)排水時処理ケースにおける
動物プランクトン(底生動物の幼生)の変化
(第2航海:バンクーバー→東京)
 
80μm以上(inds/m3
 
 
80μm未満−10μm以上(inds/ml)
注)図中の数字は、原水に対する減少率
 
 
表II.2.3.4-21(5)排水時処理ケースにおける
動物プランクトン(底生動物の幼生)の変化
(第2航海:香港→神戸)
実験港 Kobe
実験日 Dec.28
分析検体数 2
サイズ区分(単位)\試料名 香港海水の排水時処理前 香港海水の排水時処理後
80μm以上(inds/m3 350 <100
80μm未満−10μm以上
(inds/ml)
0.002 0.002
 
図II.2.3.4-20(5)排水時処理ケースにおける
動物プランクトン(底生動物の幼生)の変化
(第2航海:香港→神戸)
 
80μm以上(inds/m3
 
 
80μm未満−10μm以上(inds/ml)
注)図中の数字は、香港海水の排水時処理前に対する減少率
 
 
表II.2.3.4-21(6)排水時処理ケースにおける
動物プランクトン(底生動物の幼生)の変化
(第1航海:太平洋上交換→ロサンゼルス)
実験港 Los-Angeles
実験日 Dec.1
分析検体数 3
サイズ区分(単位)\試料名 太平洋上海水の排水時処理前 太平洋上海水の排水時処理後
80μm以上(inds/m3 <100 <100
80μm未満−10μm以上
(inds/ml)
<0.001 <0.001
 
表II.2.3.4-20(7)排水時処理ケースにおける
動物プランクトン(底生動物の幼生)の変化
(第2航海:太平洋上交換→ロサンゼルス)
実験港 Los-Angeles
実験日 Jan.7
分析検体数 1
サイズ区分(単位)\試料名 太平洋上海水の排水時処理前 太平洋上海水の排水時処理後
80μm以上(inds/m3 <100 <100
80μm未満−10μm以上
(inds/ml)
<0.001 <0.001







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