処理後海水のバラストタンクへの漲水は、本システム搭載に伴う配管工事を最小限とするため、バラストタンクのエアーパイプ（エアー抜きライン）を使用することとした。　このため対象バラストタンクは搭載場所に近い、No.2W.B.TK（S）及びNo.3U.W.B.TK（S）の2つのタンクに限定した。　バラスティング状況によっては、当該タンクのバラストを操作しない場合も考えられるが、排出時処理については、すべてのバラストタンクからの処理が可能であり、運航・荷役に支障がない実験対象タンクを適宜決定した。

　

　

　表II.2.3.3-2及び3には、第1及び第2航海の運航スケジュールと実験内容、図II.2.2.3-5には、航路とスケジュールを図示した。

　実験対象船は、平成15年11月12日に就航したが、実験は停泊時間等の制約から平成15年11月22日の東京港から開始した。

　実験は、平成15年11月22日から同年12月17日の第1航海（東京−太平洋上−ロサンゼルス−バンクーバー−シアトルー東京−名古屋−神戸）と、平成15年12月27日から翌平成16年1月22日の第2航海（神戸−東京−太平洋上−ロサンゼルス−シアトル−バンクーバー−東京−名古屋）で実施し、漲水時に処理して排水時に無処理排水するケース2回、漲水時と排水時の2回処理するケース2回、無処理で漲水し排水時に処理するケース7回のデータを取得した。

　また、バラスト水洋上交換が行われる東京−ロサンゼルス間の2回の航海では、乗組員に一連のサンプリング作業を依頼した。　なお、この期間のサンプルはすべてホルマリン固定処理を行った。