4. 地震発災時における調達される船舶運航者への「航行安全に係わる小冊子の作成」
(1)小冊子作成の目的
我が国の河川舟運は、歴史的に重要な物資・旅客輸送手段であった。しかし、明治時代以降の陸上交通や航空機の発達に伴い、河川舟運は私達の生活から次第に縁遠いものとなっていった。しかし、陸上交通の飽和や環境問題の顕在化等から、モーダルシフトの気運が高まっており、また、阪神・淡路大震災の際、河川舟運の信頼性・利便性の高さが再認識され、平時のみならず災害時においても、河川舟運の利活用について見直されつつある。
一方、近年のプレジャーボート・水上オートバイの普及に伴い、プレジャーボート・水上オートバイの海難も増加しており、河川における安全航行等を目的としたルールづくりに関する取り組みも行われているところである。
このような背景から、主として災害時における河川での物資・人員輸送等に資するため荒川・隅田川を対象として、平成14〜15年度に調査研究を実施した。
(2)小冊子の対象地域
図−4.1.1 対象地域
(3)掲載内容
小冊子に掲載する内容は、「1.船舶の河川航行の安全性に係わる事項の取り纏め」にて整理した内容とし、表−4.1.1に示すとおりである。また、荒川に設置されている河川通航標識については図−4.1.1に示すとおりである。
表−4.1.1 小冊子の掲載内容
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*1: 桁下高さ
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荒川下流河川事務所資料に基づく桁下高さを示してあります。
大雨による土砂の堆積や大水等、自然の影響により水位の変化に伴い、桁下高さが変化することも想定されますので、図面の桁下高さと実際の桁下高さは必ずしも一致しません。 |
*2: 水深 |
荒川下流河川事務所資料及び海図に基づく水深を示してあります。
大雨による土砂の堆積や大水等、自然の影響により水深が変化することも想定されますので、図面の水深と実際の水深は必ずしも一致しません。 |
*3: 航路 |
舟運事業者のヒアリングから得られた、舟運事業者が一般的に用いている航路を示してあります。
大雨による土砂の堆積や大水等、自然の影響により河川の水位等が変化することも想定されますので、図示した航路を通航することによって、必ずしも安全であることを保障するものではありません。 |
【河川交通標識】
(4)岩淵水門と隅田水門
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高さ及び幅は現地踏査により得られた値である。 |
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水深は「河川航行情報図荒川(埼玉・東京)国土交通省荒川下流河川事務所試行版」に記載されている水深である。 |
小冊子の内容は別添「船舶の河川航行に関する安全対策の手引き−荒川・隅田川−」に示すとおりである。
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