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(2)用途地域見直しに際しての課題
○まちなか区域の用途地域は、商業地域を中心とした緩やかな建物用途、建築形態制限となっているが、現状の土地利用・建物立地は住宅用地に特化した土地利用が多く、建物についても低層戸建住宅地が広範に分布するなど、誘導方向と現状の間に大きなかい離が生じている。
○将来の土地利用方針としては、土地利用の高度化による高次都市機能や都心居住機能の集積を図る方向が示されているが、一方ではゆとりある都市環境の創出や歴史文化特性との調和も求められている。
○現行用途地域の見直しによる建築形態規制等の緩和により、土地の高度利用が可能となるが、低層戸建住宅地が広範に分布する現状を考慮すれば、「暮らしの場」としてまちなか区域をとらえた場合は、居住環境の悪化が懸念される(下記参照)。
○まちなか区域における人口の空洞化は、郊外部における新市街地の形成や比較的緩やかな建築形態規制の指定、道路整備等公共投資の拡大に伴う自動車利用利便性の向上などにより、都心居住の利点が喪失したことに起因している。
○また商業機能の低下は、人口の減少等を背景に商業活動が衰退し、空き店舗等が発生した結果、拠点性や商店街としての連続性・回遊性が喪失したことに起因している。
○これらの問題点を踏まえ、用途地域の見直しに際しては、次の視点から検討することが求められるものと考える。
 
・都心拠点性を高める視点から、商業業務等の都市機能の集積密度を高める。
・都心居住のメリットを高めるため、都心型集合住宅による画一的な市街地形成でなく、多様な属性を有する居住者の定住を可能とする住環境を確保する。
 

【参考-集合住宅立地のシミュレーション】

○与条件
敷地面積:1,750m2
建物用途:集合住宅
前面道路:10m・12m(西側角地)
 
○商業地域で可能な建物ボリューム例(現行用途地域)
建ぺい率:80%
容積率:400%
道路斜線:∠1.5
隣地斜線:31m+∠2.5
日影規制:対象区域外
 
可能階数:10階(一部7階)
 
○第一・二種住居地域で可能な建物ボリューム例
建ぺい率:60%
容積率:200%
道路斜線:∠1.25
隣地斜線:20m+∠1.25
日影規制:測定面4m
      5h(5mライン)
      3h(10mライン)
 
可能階数:4階(一部6階)







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