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第3章 現行用途地域指定等の問題点の把握
(1)問題箇所の整理
(1)現行用途地域と土地利用・建物立地の現状からみた問題箇所の抽出
○平成13年都市計画基礎調査に基づき、現行用途地域における建物用途制限によって不適格となる建築物(既存不適格建築物)の件数は、次表に示すとおりである。
○これによれば、第一種住居地域においては20件、総建物件数457件の4.4%、第二種住居地域においては92件、総建物件数2,674件の3.4%、近隣商業地域においては2件、総建物件数388件の0.5%、商業地域においては30件、総建物件数6,669件の0.4%となっており、いずれも不適格率は低い状況にある。
○このうち運輸・倉庫施設及び危険物貯蔵・処理施設については、業態や規模、貯蔵量によっては適格となるため、さらに既存不適格となる比率は低くなるものと考えられる。
○以上のことから、現行用途地域において許容される建築物がほぼ適切に立地していると判断でき、土地利用・建物立地の現状からみて用途地域の見直しを要する箇所はないものと考えられる。
 
図表3-1 既存不適格建築物の件数
用途地域 不適格となる建物用途 件数 備考
第一種住居地域 運輸・倉庫施設 18 業態・規模等により適格となるものを含む
サービス工業施設 2  
合計 20  
第二種住居地域 娯楽施設 1  
運輸・倉庫施設 70 業態・規模等により適格となるものを含む
サービス工業施設 21  
合計 92  
近隣商業地域 娯楽施設 1  
軽工業施設 1  
合計 2  
商業地域 サービス工業施設 3  
危険物貯蔵・処理施設 27 業態・貯蔵量等により適格となるものを含む
合計 30
資料:平成13年都市計画基礎調査
注意:平成13年都市計画基礎調査に基づく不適格の判定であり、業態や規模、貯蔵量によっては適格となる場合がある。
 
(2)将来土地利用方針に関わる問題箇所の抽出
【将来土地利用方針と見直し方向の対応】
○上位・関連計画等に示される、まちなか区域の将来土地利用方針に即した用途地域の対応を整理すれば次のとおりである。
○複合住宅地区及び環境改善型住宅地区は、既存商店街の改善や共同化などにより、商業・業務機能と居住機能が共存する都心型住宅地を形成する地区と位置づけられている。このため、住居系用途地域を基準とし、特化混合分析による建物用途の現状を踏まえて、住居専用地域、住居地域、近隣商業地域への見直すことが考えられる。
○低層住宅地区は、生活道路等の基盤施設の整備を図りながら、良好な居住環境の保全を図る区域と位置づけられている。このため、特化混合分析による建物用途の現状を踏まえて、低層住居専用地域、住居専用地域、住居地域への見直しが考えられる。
○商業業務地区は、商業・業務等複合的な機能の集積や、魅力ある商店街の環境整備などにより、都心の拠点の形成を図る地区と位置づけられている。このため、近隣商業地域もしくは商業地域への見直しが考えられる。
 
図表3-2 将来土地利用方針と見直し方向の対応
土地利用方針 対応する地区 誘導する市街地像 建物用途現況 見直し方向
複合住宅地区    富士川地区
相川地区
新紺屋地区
朝日地区
一定規模の商業・業務施設等の立地を許容しつつ、良質で快適な都心型住宅地を形成する地区 低層専用系住居地域 住居専用地域
専用系住居地域  
住居系地域
準工業地域
住居地域
近隣商業地域 近隣商業地域
環境改善型住宅地区 穴切地区 商業地域  
低層住宅地区   愛宕町 良好な居住環境を保全する地区 低層専用系住居地域 低層住居専用地域
専用系住居地域 住居専用地域
準工業地域 住居地域
商業業務地区     春日地区 都心の拠点にふさわしい商業・業務機能等の集積を図る地区 専用系住居地域 近隣商業地域
住居地域
近隣商業地域
準工業地域
商業地域 商業地域
 
○以上の考え方を踏まえた、将来土地利用方針に関わる問題箇所は図表3-4に示すとおりである。
 
図表3-3 将来土地利用方針と現況を踏まえた見直し方向
資料:平成13年都市計画基礎調査を元に作成







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