第5章 知的障害者をとりまく地域環境の現況
1 市町村別にみた知的障害者数
平成15年3月現在の知的障害者数2万2,067人(知的障害者名簿搭載者数)のうち、市部は1万8,791人、町村部は3,276人となっており、市部に85%の知的障害者が居住している。市部では、千葉市の3,253人が最も多く、以下、船橋市の2,154人、市川市の1,434人、松戸市の1,405人、柏市の1,043人と千葉圏、東葛圏の都市部に多くの知的障害者が居住している。町村部では、大網白里町などの大都市近郊地域では知的障害者数が多くなっているが、県南、県東の町村部では障害者数が少なく、最も少ない神崎町では21人となっている。
図表5-1 市町村別にみた知的障害者数(1)
市町村名 |
18歳未満 |
18歳以上 |
合計 |
|
市町村名 |
18歳未満 |
18歳以上 |
合計 |
千葉市 銚子市 市川市 船橋市 館山市 木更津市 松戸市 野田市 佐原市 茂原市 成田市 佐倉市 東金市 八日市場市 旭市 習志野市 柏市 勝浦市 市原市 流山市 八千代市 我孫子市 鴨川市 鎌ヶ谷市 君津市 富津市 浦安市 四街道市 袖ヶ浦市 八街市 印西市 富里市 白井市 |
988 82 423 558 62 134 429 118 46 142 75 123 55 31 48 141 298 11 248 125 176 117 22 116 114 56 138 79 61 112 60 47 51 |
2,265 371 1,011 1,596 219 345 976 357 151 238 253 379 158 119 122 376 745 112 681 290 362 307 106 231 323 216 179 223 213 226 104 162 89 |
3,253 453 1,434 2,154 281 479 1,405 475 197 380 328 502 213 150 170 517 1,043 123 929 415 538 424 128 347 437 272 317 302 274 338 164 209 140 |
山田町
栗源町 多古町 干潟町 東庄町 香取支庁分 海上町 飯岡町 光町 野栄町 海匝支庁分 大網白里町 九十九里町 成東町 山武町 蓮沼村 松尾町 横芝町 芝山町 山武支庁分 一宮町 睦沢町 長生村 白子町 長柄町 長南町 長生支庁分 大多喜町 夷隅町 御宿町 大原町 岬町 夷隅支庁分 富浦町 富山町 鋸南町 三芳村 白浜町 千倉町 丸山町 和田町 天津小湊町 安房支庁分 |
19 6 14 10 9 0 14 11 8 10 0 52 29 35 32 3 12 18 9 0 8 6 8 6 6 13 0 16 6 7 23 14 0 10 5 2 1 4 10 4 7 8 0 |
44 28 65 39 81 0 33 74 42 49 5 138 85 80 72 20 46 63 39 0 45 43 55 67 29 36 2 95 35 44 131 86 2 28 33 47 23 33 65 27 29 42 3 |
63 34 79 49 90 0 47 85 50 59 5 190 114 115 104 23 58 81 48 0 53 49 63 73 35 49 2 111 41 51 154 100 2 38 38 49 24 37 75 31 36 50 3 |
市部計 |
5,286 |
13,505 |
18,791 |
関宿町 沼南町 東葛支庁分 酒々井町 印旛村 本埜村 栄町 印旛支庁分 下総町 神崎町 大栄町 小見川町 |
37 52 0 16 11 13 31 0 4 5 14 30 |
110 115 10 68 24 20 54 9 35 16 47 97 |
147 167 10 84 35 33 85 9 39 21 61 127 |
町村部計 |
668 |
2,608 |
3,276 |
合計 |
5,954 |
16,113 |
22,067 |
|
(注)平成15年3月31日末現在、市町村名は当時 |
資料:千葉県 |
図表5-2 市町村別にみた知的障害者数(2)
(注)平成15年3月現在 |
資料:千葉県資料を基に作成 |
2 生活ホーム・グループホームの設置状況
平成15年現在で千葉県内の生活ホームは74ホーム、グループホームは35ホームが設置されている。市町村別の設置状況をみると、生活ホームは設置が17市9町村で、未設置が24市39町村、グループホームは設置が8市3町村、未設置が40市28町村となっている。生活ホームは全ての障害保健福祉圏域に立地しているが、特に知的障害者が多く居住する千葉圏、東葛圏の都市部に多数が立地している。グループホームは船橋市をはじめ大都市部の設置が多く、安房圏など設置されていない市町村も多くなっている。
人口10万当たりの設置数・定員数をみると、生活ホームは千葉県平均が1.2か所、5.6人分であるのに対して、グループホームは0.6か所、2.7人分となっており、生活ホームの設置数、定員数が多い。市部・町村部別でみると、生活ホームでは、設置数・定員は市部の61か所、268人分に対して、町村部は13か所、62人分となっており、圧倒的に市部での整備が進んでいる。しかし、人口10万当たりの設置数・定員数では反対に町村部の設置数、定員数が高くなり、市部の1.2か所、5.2人分に対して、町村部は1.7か所、8.3人分となる。
グループホームの設置数・定員数については、市部が31か所、141人分であるのに対して、町村部は4か所、21人分と、市部での整備がほとんどとなっているため、人口10万当たりの設置数は、僅かながら市部が高く、市部の0.6か所、2.7人分に対して、町村部は0.5か所、2・8人分となっている。
図表5-3 市部・郡部別にみた生活ホーム・グループホームの設置状況
区分 |
生活ホーム |
グループホーム |
設置数 |
定員 |
人口10万当たり設置数 |
人口10万当たり定員数 |
設置数 |
定員 |
人口10万当たり設置数 |
人口10万当たり定員数 |
千葉県 |
74 |
330 |
1.2 |
5.6 |
35 |
162 |
0.6 |
2.7 |
市部 町村部 |
61 13 |
268 62 |
1.2 1.7 |
5.2 8.3 |
31 4 |
141 21 |
0.6 0.5 |
2.7 2.8 |
|
図表5-4 生活ホーム・グループホームの立地状況
福祉圏域 |
生活ホーム、グループホームの立地状況 |
千葉圏 |
生活ホームのみ |
- |
グループホームのみ |
- |
生活・グループ両方 |
千葉市 |
未立地 |
- |
東葛南部圏 |
生活ホームのみ |
市川市、習志野市、八千代市 |
グループホームのみ |
- |
生活・グループ両方 |
船橋市 |
未立地 |
鎌ヶ谷市、浦安市 |
東葛北部圏 |
生活ホームのみ |
松戸市、流山市、我孫子市、沼南町 |
グループホームのみ |
- |
生活・グループ両方 |
柏市 |
未立地 |
野田市 |
君津圏 |
生活ホームのみ |
木更津市 |
グループホームのみ |
富津市 |
生活・グループ両方 |
君津市、袖ケ浦市 |
未立地 |
- |
安房圏 |
生活ホームのみ |
鴨川市、富山町、三芳村 |
グループホームのみ |
- |
生活・グループ両方 |
- |
未立地 |
館山市、富浦町、鋸南町、白浜町、千倉町、丸山町、和田町、天津小湊町 |
香取・海匝圏 |
生活ホームのみ |
大栄町、小見川町、海上町 |
グループホームのみ |
下総町、飯岡町 |
生活・グループ両方 |
- |
未立地 |
銚子市、佐原市、八日市場市、旭市、神崎町、山田町、栗源町、多古町、干潟町、東庄町、光町、野栄町 |
夷隅・長生・ 市原圏 |
生活ホームのみ |
睦沢町、長生村、長柄町 |
グループホームのみ |
茂原市、夷隅町 |
生活・グループ両方 |
市原市 |
未立地 |
勝浦市、一宮町、白子町、長南町、大多喜町、御宿町、大原町、岬町 |
印旛・山武圏 |
生活ホームのみ |
成田市、佐倉市、東金市 |
グループホームのみ |
- |
生活・グループ両方 |
八街市 |
未立地 |
四街道市、印西市、酒々井町、富里町、印旛村、白井町、本埜村、栄町、大網白里町、九十九里町、成東町、山武町、蓮沼村、松尾町、横芝町、芝山町 |
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図表5-5 都市の区分
区分 |
生活ホームのみ立地 |
グループホームのみ立地 |
生活・グループ両方立地 |
政令市 |
- |
- |
千葉市 |
中核市 |
- |
- |
船橋市 |
40万台 |
松戸市、市川市 |
- |
- |
30万台 |
- |
- |
柏市 |
20万台 |
- |
- |
市原市 |
10万台 |
佐倉市、八千代市、習志野市、流山市、我孫子市、木更津市 |
- |
- |
5〜10万 |
成田市、東金市 |
茂原市、富津市 |
君津市、八街市、袖ケ浦市 |
1〜5万 |
沼南町、鴨川市、小見川町、長生村、大栄町、海上町 |
飯岡町 |
- |
1万未満 |
長柄町、睦沢町、富山町、三芳村 |
下総町、夷隅町 |
- |
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図表5-6 ホームの設置状況
3 ホームの立地環境
生活ホームの立地に関する規定は要綱上ないが、グループホームは要綱では「生活環境に十分配慮された場所にあること」とされている。「運営ハンドブック」によると、グループホームは「一般住宅地内に位置し、その外観は一般の住宅と異なることのないよう配慮されていなければならない」とされているが、市街化調整区域に設置することも制度上は可能である。
生活ホーム、グループホームの立地環境を主要施設との距離からみると、JR・私鉄などの鉄道の駅や商店街・ショッピングセンターなどは徒歩圏にあるところが多い。
市役所・町村役場、図書館・公民館、スポーツ施設といった公共施設は徒歩圏にあるところは少なくなり、市役所・市町村役揚は生活ホーム、グループホームともに3割を下回っている。
図表5-7 ホームの立地環境
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