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第2章 知的障害者の居住環境の現況
 知的障害者の居住環境を検討する場合、千葉県内の在宅の知的障害者(以下、「在宅者」という)の家庭環境、住宅環境等の居住環境の現況について把握する必要がある。このため、平成15年10月、千葉県手をつなぐ育成会の協力を得て、「在宅の知的障害者の生活現況・生活意向調査」を実施した。本章各節における知的障害者の居住環境の現況については、その結果をとりまとめたものである。
1 本人及び家庭環境
(1)性・年齢の状況
 調査した在宅者の性別は、男性68%、女性32%で、男性が3分の2を占めている。
 年齢については、最年少は4歳、最高齢は61歳、平均年齢は25.3歳であった。年齢階級別にみると、20代の在宅者が34%を占め、次いで、10代(33%)、30代(25%)と続き、10〜30代世代が在宅者全体の9割以上を占めている。10〜30代世代と比較して、40代以上の中高年世代の割合は低くなるが、中高年世代全体では約9%程度となり、在宅者の約10人に1人が中高年者で占められている。
 
図表2-1 性・年齢の状況
 
(2)療育手帳の障害程度区分の状況
 療育手帳は、児童相談所又は知的障害者更生相談所において、知的障害者と判定された人に、一貫した指導・助書を行うとともに、各種の援助を受けやすくするために交付されている。本人又は保護者の任意により取得が可能となっており、必ずしも知的障害者全てが取得していない。交付に際して、判定機関(児童相談所、知的障害者更生相談所)が、障害の程度を判定する。千葉県では、(A)(最重度)、A1(重度)、A2(重度)、B1(中度)、B2(軽度)の5区分により判定している。
 在宅者では、A1が42%と最も多く、(A)(20%)、B1(18%)と続く。
 
図表2-2 療育手帳の区分状況
 
図表2-3 千葉県における障害程度の基準
障害程度 障害程度の基準
最重度 (A) 知能指数がおおむね20以下の者で日常生活において常時の介護を必要とする程度の状態にある者
重度 Aの1 知能指数がおおむね21〜35以下の者で日常生活において常時の介護を必要とする程度の状態にある者
Aの2 知能指数がおおむね36〜50以下の者で重複の障害を有し、日常生活において常時の介護を必要とする程度の状態にある者
中度 Bの1 上記以外の者で知能指数がおおむね36〜50にある者
軽度 Bの2 知能指数がおおむね51〜75にある者
資料:千葉県
 
(3)家族の状況
 在宅者の家族の状況をみると、平均家族数は3.9人、核家族世帯が88%を占め、三世代世帯は9%と少ない割合となっている。家族構成は、本人と両親の3人世帯が28.4%、本人と父親又は母親の世帯が6%、その他の核家族世帯が54%となっている。
 主な家族との同居率をみると、父親が85%、母親が95%、兄弟姉妹が63%となっており、在宅者の大半が、父母、兄弟姉妹と同居している現状にある。
 
図表2-4 在宅者の家族の状況







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