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3 “手わざ”活用のための市民会議の実施概要と成果
(1)市民会議の目的と方法
 
ア 市民会議の目的
 伝統的手わざを利活用していくためには、まず住民がそれをどう捉えているかを把握することが必要である。また、観光やまちづくりの資源として活用していくためには市民が一体となって取り組んでいくことが欠かせない。
 そこで、宮古らしい風景や風情の要素となる“手わざ”を観光資源やまちづくりに活用するために、手わざの関する情報共有を図り、活用のアイデアとその実現方策について、多様な市民から提案を受け、今後の方向性を探ることを目的としてワークショップ形式の市民会議を開催した。
 
イ 市民会議の開催
日時:平成15(2003)年10月26日(日)
参加者:各種市民活動団体等を代表する市民リーダー20名
方法:3つのグループに分け、各グループでワークショップ
手順:以下のとおり
 
 
 
ウ 作業の視点
 市民会議の内容が拡散して展開することを避ける意図で作業の視点を、宮古らしい風景や風情の要素を生み出す「手わざ」と、それを活かす方向としての「観光」、また、平良市のまちづくりのキーワードである“まちの健康”を「健康なまちの姿」と捉え、この3者間の関係にしぼり市民会議を進めた。
 
 
 
(2)各グループの作業成果
 
ア Aグループ(MAGUグループ)の成果より
○手わざ活用のアイディアは「街なみの個性づくりに結ぶアイディア」「地域の材を活かすアイディア」「観光体験のメニューづくりに結ぶアイディア」「活かすための仕組みづくりに結ぶアイディア」「活かすための建物づくりに結ぶアイディア」等に集約された。
○アイディア実現を考えるモデルに取り上げたのは「マグ作り」と「手わざ体験観光」の2点である。
 第1の視点「マグ作りを平良の魅力に押し上げる」ためのまとめでは、手わざ技術者だけでなく、観光関連事業者や行政等の役割にも言及し、「マグ」が「作る・使う・デザインする・売る」等のあらゆる面で、関心や参加を広げ、結びつきを築いていく段階であることが確認された。
 第2の視点「観光客に手わざを楽しんでもらう」ためのまとめでは、市民・地域、観光協会、農協・漁協・商工会、観光施設・社会教育施設、製造業者など多彩な役割に言及し、行政がこれらをつなぐ役割を担い、「協働」によってつくりあげていく必要性が確認された。
 
イ Bグループ(オジー・オバーのお店グループ)の成果より
○手わざ活用のアイディアは「まつりの活用・体験・民芸体験・自然体験・食文化体験など多彩な体験に結ぶアイディア」「活かすための伝統的な空間確保に結ぶアイディア」「施設は不要で技を持った人を活かすアイディア」などに集約された。
 
○アイディア実現を考えるモデルに取りあげたのは「オジー・オバーの生活の知恵」「石灰岩を活かす」「薬草を活かす」の3点である。
 第1の視点「オジー・オバーから手わざを掘り起こす」ためのまとめでは、各地域や行政の役割に言及した取り組みの必要性が確認された。
 第2の視点「石灰岩を活かす体験づくり・グッズづくり」の実現に向けては、宿泊施設や博物館、学校等に期待する体験ツアーの提案がまとめられた。
 第3の視点「薬草と結んだエコツーリズム+市民の知恵の活用復活」のためには、行政・公的組織、宿泊施設、市民、事業者など多様な主体が担える役割について言及された。
 
ウ Cグループ(ミンガーナの森グループ)の成果より
○手わざ活用のアイディアは、「宮古らしい景観・空間のルールづくりに結ぶアイディア」「企画や育てるための組織づくりに結ぶアイディア」「体験するメニューのアイディア」等とともに、「コミュニケーションや情報共有の必要性の意見」も集約された。
○アイディア実現を考えるモデルは、多くのアイディアを「宮古の暮らしを曼陀羅化する」「組織・ネットワーク化」「宮古島を体験する」の3つに集約して、すべてにわたって「住民側からの提案が活かされる仕組みの重要性」「行政の仕組み改革(協働型行政)の重要性」が確認されるところとなり、宮古の住民が中心となる、
 
(1)「(仮称)宮古観光市民フォーラム」の設立
〜宮古の地域資源や観光課題を地域住民で情報共有し、観光資源として企画、事業化へつなげる住民主体の地域発展組織
 
(2)「(仮称)宮古島向上委員会」の設立
〜住民、事業者、行政などの連携・協力により、事業提案を具現化や行政への提言を行う官民協働組織
 
という2つの行動する組織づくりの提案にとりまとめられた。







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