エ 宮古島での行動について
(ア)滞在期間
最も多かったのが「3泊」(41.1%)、次いで「4泊」(20.3%)、「2泊」(17.3%)という順であり、1割弱は「5泊以上」(9.6%)の長期滞在者である。
冬期は、「2泊」(37.3%)、「3泊」(31.0%)が上位を占め、比較的夏期より滞在期間は短く、周遊型観光客が多いことを裏付ける結果となった。また夏期と同様に、1割弱は「5泊以上」(9.6%)の長期滞在者であった。
図表1-28 宮古島での滞在期間
(イ)主な宿泊施設(複数回答)
6割弱が「リゾートホテル」(57.1%)で、「ビジネスホテル」(23.2%)、「民宿・旅館」(10.7%)、「ペンション」(8.8%)と続く。
「リゾートホテル」は、女性(62.9%)と家族(86.2%)の割合が高い。
また、来島回数が増えるほど「リゾートホテル」の割合は減少し、代わりに「ビジネスホテル」、「民宿・旅館」などが増える傾向がうかがわれた。
冬期では、4人に3人が「リゾートホテル」(77.9%)となり、その他宿泊施設は軒並み減少する傾向がみられた。
図表1-29 宮古島での主な宿泊施設
(ウ)島内での行動(複数回答)
9割弱が「ビーチ・海岸」(86.4%)、次いで6割強が「景勝地」(西平安名崎、池間大橋、通り池など)(63.2%)などの宮古島の自然特性と関わりの深い場所が抜きん出て多い。
年齢別では、順位に変動はみられないものの若い年齢層ほど「ビーチ・海岸」、高い年齢者層ほど「御嶽」(漲水などの拝所)や「ゴルフ場」の割合が高くなる傾向がある。
また、同様に順位に変動はみられないものの、来島回数が多いほど、「ビーチ・海岸」・「景勝地」、「歴史的史跡」などの割合は減り、「学習体験施設」(平良市熱帯植物園、平良市総合博物館など)「御嶽」や「ゴルフ場」の割合が高くなり、「海」や「自然」を堪能しつつも、それに加えて新たな観光を求める姿がうかがわれた。
図表1-30 島内での行動
(エ)滞在期間中に使った費用
切符・宿泊施設料金を除く滞在期間中に使った費用は、3割強が、「5〜10万円」(34.4%)、次いで「3〜5万円」(20.5%)、「2〜3万円」(18.4%)、「10万円以上」(17.6%)、「1万円未満」(6.4%)という順である(図表1-31)。
5万円以上(全体:52.0%)でみると、「夫婦」(59.8%)、「家族連れ」(74.6%)、「リゾートホテル宿泊者」(67.3%)などが島内で比較的高額の費用を使っている。
これを、宮古、八重山、沖縄県全体との比較でみると、平成12年の一人当たりの観光収入額(観光入域客数)は、沖縄県内の全体平均では91,757円(約452万人)であるのに対し、宮古圏域が61,695円(約32万人)、石垣島を中心とする八重山圏域が92,128円(約59万人)となっており、同じ離島の八重山圏域は観光入域客数で約2倍、一人当たりの観光収入額も3割程度高い(図表1-32)。
また、沖縄県全体、あるいは宮古、八重山それぞれ規模は異なるものの観光入域者数は昭和50年以降順調に伸びているものの、宮古圏域の一人当たり単価が、平成2年をピークに7年からほぼ横這いであるのに対し、八重山圏域では昭和50年以降着実に増加傾向にあり、統計的なデータ上では、八重山圏域は、観光振興と地域経済の調和のとれた発展の姿をみることができる。
宮古観光が、現地に経済的な果実をもたらしにくい構造になっていることは、観光みやげ品の地元産品の占める割合からもうかがえる。宮古観光みやげ品として扱われている菓子類、海産物加工品、農産物加工品などの地場産品比率は、黒糖が約9割である以外はほとんどが沖縄県内の他地域あるいは県外から調達されており、全体平均で3割程度の状況である(図表1-33)。
同様に卸業者のみやげ品の仕入額の割合でも、陶器と織物がわずか1割弱が地場産品である以外、菓子類で0.3%、小物雑貨、衣類雑貨などはすべて県内他地域か、県外・海外からと調達している(図表1-34)。
今回調査では、来島者の特産品や郷土料理など「地のもの」への強いニーズがみられた(後述)が、それに応える地場産品の品揃えの少なさや質の低さ、また魅力的なみやげ品の商品企画、製造、流通、宣伝、販売といった観光に対応した地域の社会経済構造の転換がうまく行われていないことが、一人当たり単価の頭打ちという状況につながっている様子がうかがわれた。
図表1-31 滞在期間中に使った費用
図表1-32 入域観光客数と観光収入額の推移
(単位:宮古・石垣(千円)、県全体(百万円))
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宮古圏域 |
八重山圏域 |
沖縄県 |
観光入域客数 |
観光収入額
(一人当単価) |
観光入域客数 |
観光収入額
(一人当単価) |
観光入域客数 |
観光収入額
(一人当単価) |
昭和50
(1975) |
44,337 |
1,156,241
(26,078) |
78,722 |
1,574,440
(20,000) |
1,558,059 |
125,777
(80,726) |
昭和55
(1980) |
84,511 |
2,439,326
(28,864) |
210,850 |
10,739,011
(50,931) |
1,808,036 |
180,080
(99,599) |
昭和60
(1985) |
119,980 |
4,981,570
(41,520) |
245,865 |
17,210,550
(70,000) |
2,081,900 |
232,965
(111,900) |
平成2
(1985) |
157,749 |
11,706,870
(74,212) |
327,104 |
22,897,280
(70,000) |
2,985,200 |
327,473
(109,698) |
平成7
(1995) |
212,403 |
13,078,289
(61,572) |
442,140 |
35,371,000
(79,999) |
3,278,900 |
354,449
(108,099) |
平成12
(2000) |
324,804 |
20,039,000
(61,695) |
599,343 |
55,216,790
(92,128) |
4,521,200 |
414,852
(91,757) |
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注)観光収入額は、パック観光及び本土〜沖縄(宮古、石垣)間の航空機運賃を除く。
出典:「宮古概観」、「八重山要覧」、「沖縄県観光要覧」
図表1-33 宮古産品の割合
(単位:件、%)
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合計 |
菓子類
(うち黒糖) |
海産物
加工品 |
農産物
加工品 |
薬草 |
調査数 |
360 |
207(22) |
76 |
73 |
4 |
うち宮古産品 |
109 |
54(20) |
42 |
12 |
1 |
構成比(%) |
30.2 |
26.1(90.9) |
55.2 |
16.4 |
25.0 |
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出典:「宮古観光みやげ品実態調査報告書」
図表1-34 卸売業者の土産品の仕入額の割合
出典:「宮古観光みやげ品実態調査報告書」を基に作成
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