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2 研究の内容
(1)全国及び長崎県の観光レクリエーションと長崎県の港湾の概況
 ここでは、全国及び本研究の調査対象地域である長崎県において、港湾や観光レクリエーションの概況について把握し整理を行った。
 
・ 全国及び長崎県の観光レクリエーションの概況
・ 長崎県の港湾の概況
 
(2)長崎県における港湾の観光レクリエーション機能と運営の実態
 ここでは、市町村アンケートと観光レク関連事業者等アンケートの分析を中心に、港湾における観光レクリエーション機能の整備・運営に関する現状や問題点、課題を整理した。なお、観光レク関連事業者等アンケートは、業種別に設問の異なる調査票を使用しており、配付・回収数も少ないため、県内先進事例調査結果を援用しつつ、定性的な把握を行った。
 これにより、港湾における観光レクリエーション機能整備の特性と普及・利用促進の課題を抽出した。
 
・ 港湾・関連地域の観光レクリエーション振興における港湾の位置づけ
・ 港湾・関連地域の観光レクリエーション機能整備・利用の特性と取り組み
・ 港湾を利用する事業者等の状況
 
(3)長崎県の港湾観光レクリエーション普及・利用促進の基本的方向と展開方策
 ここでは、国土交通省の「みなとまちづくり」事業と全国的に認知しつつある「観光まちづくり」の理念を融合させて「港湾を活かした観光まちづくり」をコンセプトとして設定した。
 また、「ゆとりある国民生活の実現に資する海上レクリエーションに関する調査報告書」(平成12年12月運輸省海上交通局(発表当時))などから、本県における港湾の観光レクリエーションの普及・利用に関する基本的な方向性を整理した。その上で、本県における港湾観光レクリエーション普及・利用促進の地域的展開方策の軸を設定し、その結果を踏まえ、本県における港湾の観光レクリエーション機能の整備と運営管理の実態に即した展開方策を導いた。
 また、港湾の観光レクリエーション活動類型として「A 港湾を楽しむ観光」「B 港湾でのイベント」「C 港湾を基地とする海洋観光」「D 港湾や周辺海域での海洋レクリエーション」以上の「A〜D を支援する各種活動」を設定し、それぞれについて、港湾を観光レクリエーションの場として、利用を促進し地域波及効果を拡大するための展開方策を挙げた。
 
(4)長崎県における港湾を活かした観光まちづくり推進の考え方
 以上を踏まえ、港湾を活かした観光まちづくり意識の共有と人材育成の必要性を指摘し、次のような対応の検討が課題として指摘された。
 
・ 観光レクリエーション機能の充実を含むみなとまちづくりについて、住民・NPO・観光レクリエーション事業者・市町村・港湾管理者などが協働して進めることができるための機会づくりや情報提供
・ 港湾における観光レクリエーション機能の充実に関する部門横断的な行政連携を強化
 
図表序−4 本研究の調査フロー
3 研究方法
 本研究においては、文献調査、取材、事例などの援用も行ったが、市町村並びに観光レク関連事業者等に対する、港湾における観光レクリエーション機能等に関するアンケートが主たる調査方法である。
 なお、観光レクリエーション利用者のニーズについては、市町村並びに観光レク関連事業者が客観的に捉えているものを活用するものとした。
 
(1)市町村アンケート
(1)実施目的
 市町村アンケートは、地域の自然、歴史文化資源等を踏まえ、港湾を有効活用した観光レクリエーションの利用による地域活性化に資するため、長崎県内の重要港湾及び地方港湾が立地する58市町村に対して、港湾における観光レクリエーションの実態及び取り組み意向、実施上の課題などについて調査することを目的として実施した。
 
(2)調査対象
 調査票は、重要港湾及び地方港湾が立地する県内58市町村の港湾担当課に配付した。内容の一部については、当該部署だけでは回答できないものが含まれるため、『必要に応じて企画・観光・水産・教育委員会等の関連部署、商工会・観光協会・漁協等、関連する団体との共同』で回答するよう依頼した。
 調査票は、市町村全体における港湾並びに観光レクリエーションに関する調査票「市町村全体票」と、当該市町村に立地する重要港湾及び地方港湾における観光レクリエーションの資源・ニーズ・活用実態などに関する調査票「港湾個票」の2種類に分かれる。
 
1)市町村全体票
 長崎県内において港湾法に基づく重要港湾及び地方港湾の立地する58市町村。
 
2)港湾個票
 長崎県内の重要港湾(5)及び地方港湾(78)のうち、74港湾を対象とした。
 
図表序−5 港湾立地数と調査対象数
  立地数 対象数(調整後)
市町村数 港湾数 市町村数 港湾数
4港湾 1 4 0 0
3港湾 8 24 5 15
2港湾 10 20 8 16
1港湾 39 39 45 45
全体 58 83 58 74
注:複数の市域をまたがる港湾があるため、全体の港湾数は合計と必ずしも一致しない。
 
 長崎県内において、重要港湾や地方港湾の立地状況を市町村別に見ると、図表序−5の立地数欄にあるような分布となる。しかるにこのままでは、2つ以上の港湾が立地する市町村では、回答の負担が大きく回答率が低くなる恐れがあるため、他港との立地環境の類似性などが認められる港湾については、港湾個票の配付をとりやめ、代わりに市町村全体票において港湾個票の対象でない56条港湾、漁港における観光レクリエーション利用実態等の設問で同時に取り扱うこととした。
 
(3)配付・回収方法
 配付・回収とも、郵送により行った。
 
(4)実施時期
 発送日 平成15年12月16日(火)
 回収締切日 平成16年1月9日(金)
 
(5)回収結果
種別 配付数:件(%) 回収数:件(%)
市町村全体票 58(100.0) 39(67.2)
港湾個票 74(100.0) 53(71.6)
**市町村数は、平成16年2月末日現在の区分による。
 
(2)観光レク関連事業者等アンケート
(1)実施目的
 長崎県の観光レクリエーション関連事業者等に対して、以下のような点を把握することを目的として実施した。
・観光レク(事業)の実態
・港湾の観光レク機能に対する観光レク客の利用実態とニーズ
・港湾を観光レクの場あるいはその基地に活用する上での障害、問題・課題
・港湾を観光レクの場あるいはその基地に活用する上での要望・今後の展望
 
(2)調査対象
 調査対象は次の6タイプに分類し、それぞれに調査票を設計して実施した。
 それぞれの調査対象毎に、電話帳やインターネット等により162事業者を抽出した。
 なお、多角的に事業を行っている事業者の場合には、それぞれの担当部署宛てに複数の調査票を送付した。
 
図表序−6 調査対象の内訳
調査対象 調査対象像
観光レクリエーション施設 港湾に立地する集客施設、及び将来立地する可能性のある類似施設の管理者
マリンレジャー事業者 海洋性レクリエーションに関する物販・サービスを行っていると見られる事業者(教育・訓練を含む)
旅行代理店 長崎県に送客していると見られる旅行代理店の営業部門・商品企画部門
広告代理店 長崎県内でイベント事業を請け負って実施している広告代理店
周遊観光船 長崎県内の港湾で周遊観光船事業を営む事業者
主要団体 港湾において活動したり、あるいはそこから海へ出て活動したりする可能性があるレクリエーションに関連する事業者団体、利用者団体
 
(3)配付・回収方法
 配付・回収とも、郵送により行った。
 
(4)実施時期
 発送日 平成15年12月25日(木)
 回収締切日 平成16年1月16日(金)
 
(5)回収結果
種別 配付数:件(%) 回収数:件(%)
観光レクリエーション施設* 14(100.0) 5(25.7)
マリンレジャー事業者** 81(100.0) 26(32.1)
観光周遊船 19(100.0) 8(42.1)
旅行代理店 10(100.0) 4(40.0)
広告代理店 19(100.0) 6(31.6)
主要団体 25(100.0) 13(52.0)
168(100.0) 62(36.9)
*観光レクリエーション施設に、マリンレジャー事業者、観光周遊船等を含む場合もある(調査票は各部門にそれぞれ配付回収した)。
**マリンレジャー事業者には、釣船業、各種マリンスポーツ事業、港湾でのイベント等を主催する観光協会・商工会等を含む(実態分析にあたっては、観光協会・商工会等=7件とそれ以外の事業者を別枠でとらえた)。
 
(3)事例調査
(1)県内事例調査
1)調査の目的
 長崎県における港湾の観光レクリエーション利用の促進策について、先進的に関連事業を行う事例を通じ、問題解決のための具体的方策のポイントと可能性を析出するために実施した。
 
2)調査の対象と方法
 事業の種類(複合型施設、マリンレジャー、観光周遊船)、立地エリア(本土重要港湾・地方港湾、離島)、組織形態、アンケート調査の回答内容から、代表的な事例を次の通り選定して、訪問調査・電話取材を実施した。
・ 西海パールシーリゾート(1月22日訪問)
 重要港湾(市管理)に位置する複合的な観光レクリエーション施設(第三セクター)
・ 長崎サンセット・マリーナ(1月23日訪問)
 重要港湾に位置するマリーナ(第三セクター)
・ ヤマハマリン西九州(1月27日電話取材)
 港湾を基地とする民間のマリンレジャー事業
・ 木口汽船・福江市観光協会(1月21日訪問)
 離島重要港湾を基地とする観光周遊船事業
・ 長崎県中央釣船業協同組合(1月22日訪問)
 港湾を基地に、海域利用の秩序づくりに取り組む事業者団体
・ 海の駅「船番所」(1月23日訪問)
 重要港湾(市管理)に位置する、港湾の歴史的環境を活かしたブルーツーリズムの拠点
 
(2)県外事例調査
 既存資料情報の検索及び、国レベルの主要団体への取材を通じ、参考となりそうな県外事例について把握を行った。
4 研究体制
(1)実施主体
 本研究は、長崎県と(財)地方自治研究機構との共同研究とする。
 
(2)実施体制
 本研究にあたり、有識者による研究委員会を設置する。研究委員会は、本研究の企画書案ならびに、事務局が報告する本研究の内容・結果について、その妥当性について審議・検討を行い、かつ、港湾の観光レクリエーション機能及びその充実のあり方等について助言・提案するものとする。
 また、委員会の下に事務局を設け、本研究の具体的な推進に必要な事務、調査、研究を行う。
 
図表序−7 実施体制
 
(3)研究委員会開催の記録
 研究委員会は2回開催され、その概要は以下の通りである。
 
第1回研究委員会
日時
平成15年11月18日(火) 10:00〜12:00
主な審議等
全国及び長崎県の観光レクリエーションと長崎県の港湾の概況説明 研究企画書(案)の審議
 
第2回研究委員会
日時
平成16年2月16日(月) 14:00〜16:00
主な審議等
研究報告書骨子案の審議







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