2 研究内容
(1)豊中市の現状と計画
全国的な現状・動向と適宜対比しつつ、本市における「協働によるまちづくり」「交通バリアフリー化に向けた取り組み」「地域情報化の流れ」を整理した。また、これらを踏まえ、本市における「GISを使ったバリアフリー対策の現状と将来構想」を概説した。
(2)ITを用いた住民・自治体間活動実施上の留意事項
自治体と住民が協働する場として用いられることの多い、電子会議室に代表される投稿参加型システムを整備・運用していくにあたって留意すべき事項を、以下の3視点で既存文献等から抽出・整理した。
また、それらは個別のパーツであるので、総体としてそれらがどのように活用されているのかを示すため、藤沢市市民会議室、浦安市「e-マップ・システム」、大和市「どこでもコミュニティ」を先行事例として紹介した。
以上の整理を通じて、本市のシステムのあり方と今後の工夫をまとめた。
(1)ITを用いた住民・自治体間活動実施上踏まえるべき法令・条例・指針等
プロバイダ責任制限法など踏まえておくべき国・大阪府・本市などが定める法令・条例・指針等と、参考となる民間団体等の指針等について整理した。なお、整理の視点は以下の3つである。
・インターネット接続サービス等に係る法令・条例・指針等
・情報セキュリティに関する法令・条例・指針等
・個人情報保護・プライバシーに関する法令・条例・指針等
(2)トラブルの予防策・対応策
起こりやすいとされるトラブルとその予防策、起きた場合の対応策などについて整理した。
(3)システム利用の活性化策
本市が構築しようとするシステムは、住民が自発的かつ継続的に利用したい・協力したいと思えるものであることが望ましい。ここでは、行動科学研究の視点からと、ネットコミュニティ形成に向けた実務経験からの視点の双方から、活性化策のポイントを整理した。
(3)実証実験
本実証実験の目的は、本格運用の前に、不適切な事態の発生を抑制または回避しつつ、情報の公開まで、あるいはそれ以降のプロセスが円滑に実行されるための具体的な知見を得ることである。
ここでは、この実証実験の目的と内容、プロトタイプシステムの概要、実証実験の方法、2つのアンケートの結果を整理・分析し、今後継続される実験に向けてそのあり方をまとめた。
(4)マップをWWW経由で維持利用するシステムのあり方
以上の調査及び実証実験から、マップをWWW経由で維持利用するシステム(地図情報インターネット協働システム(仮称))のあり方を提案した。
(1)実証実験から明らかになった課題と対応策
まずは、実証実験から明らかになった課題について、その対応策を提案した。
・現地調査のマニュアルの整備
・携帯電話等の活用による現地調査の効率化
・情報の鮮度と情報源の多様化
・公開情報の活用度評価
・情報の整理と多様なマップの形成
(2)利用普及及び活動展開
ここでは、利用普及及び活動展開にあたっての4つの視点を立て、それぞれ2段階の目標を設定した。これを3つの施策軸からなる施策体系を立て、それぞれに2つから4つの施策を例として提案した。
○接点の多様化による体験機会の充実
・学校教育における学習・参加体験の推進
・社会教育における学習・参加体験の推進
・イベントにおける活用の推進
・熱意ある住民団体等の公募
○柔軟なテーマ設定
・展開(例:バリアフリーマップからセーフティマップヘ)
・専門化(例:一般的なバリアフリーマップから高齢者あるいは障害者など利用対象者を具体的に限定したバリアフリー)
○リーディングプロジェクトの実施
・まちづくり協議会そね21の会及び原田校区福祉委員会との協働開発の継続的な実施
・小中学パイロット校との総合学習における活用カリキュラムの共同開発または開発支援
図表序−5 本研究の調査フロー
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