【表紙イラスト】
左側/中村陽太くん「暗い心から開く」
右側/高萩ちえさん「自分の心は空想の世界」
・いずれも中学3年生の時の作品です。
発刊のごあいさつ
ろう教育の明日を考える連絡協議会
代表世話人 安藤豊喜
第15回ろう教育を考える全国討論集会は、社団法人福島県聴覚障害者協会や福島県立聾学校父母な会などを中心とした実行委員会の皆さんの努力で大成功の集会として終了しました。福島県で開催される全国、ブロックレベルのろうあ者大会や研修会の特徴は、遠路参加してくる皆さんを温かく迎え、目配りや気配りの効いた運営がなされることです。今回の集会でも随所にその精神が見られましたし、改めて実行委員会の皆さんのご苦労と努力にお礼を申します。集会の内容としては、ろう教育を考える連絡協議会の工夫があり、現今のろう・難聴教育が当面する課題に沿った分科会が計画され、それぞれの分科会で活発な討論が行われましたが、そこでえられた結論や方向が全国の地域で活かされると確信するものです。
また、福島集会の特徴としては、板橋正邦氏と森井結美氏の対談「ろう教育のあした天気になーれ」が企画されましたが、会場全体の耳目が舞台に釘付けになるほど吟味された内容でした。ろう教育や運動の過去・現在を分析するとともに未来を展望する対談の企画が賞賛されます。
今、ろう・難聴教育は大きく揺れ動いていますが、それはろう・難聴教育が多様な選択肢を持つようになったことと、医学の発展や出生率の低下などで、ろう・難聴児が少なくなっていることに起因しています。多様な選択肢のなかで口話一辺倒であったろう・難聴児を持つ親が、教育現場の手話言語環境を提言するような変化も出ています。従って、現在の振幅は、ろう・難聴教育の発展を約束する社会的、時代的な変化とも言えますし、私どもはこの条件を未来につなげていかねばなりませんし、福島集会はそれを示唆する集会でもありました。このようなことがこの報告書によって確認されることを期待して発刊のごあいさつと致します。
第15回ろう教育を考える全国討論集会
実行委員長 石井静子
全国から参加してくださったみなさん!ご苦労様でした。
「第15回ろう教育を考える全国討論集会(福島集会)」の報告書を発刊するにあたり、実行委員会を代表いたしまして一言お礼を申し上げたいと思います。
〜聴覚障害教育の充実と発展をめざして〜をメインテーマに開催いたしました今集会は、文部科学省の「特別支援教育構想」「新生児聴覚検査事業」など、聾学校の存在意義と専門性が問われ、ろう学校を取り巻く大きな社会変革の中で開催されました。
実行委員会では、5年前から「教育フォーラムin福島」を開催し、今回の全国集会を焦点に県内の意識を向上させてきましたが、集会の一ヶ月前時点で400名足らずと、集会成功への不安を抱えながらも中央との連絡を密にして準備を進めてきました。最終的には、全国のみなさんのご協力を得て北は北海道から南は沖縄まで966名(内訳は別表)の方々に参加していただき、成功裡に終えることができました。
東北で初めて開かれた今集会では“福島らしさ”を出そうと、福島県立聾学校の演劇・表現教育をモチーフにした基礎講座「ザ・表現教育」・対談「ろう教育のあした天気にな〜れ」・小学生/中高生企画「心とからだでコミュニケーション」・屋外での交流会などなど、福島らしさを充分全国のみなさんへ発信できたものと思っています。
又、全日本ろうあ連盟事務所長大杉豊氏の記念講演や8つの分科会での討論は、今回のメインテーマの通り、参加者のみなさんに21世紀のろう教育のあり方や指針、私たちの運動の重要性に確信が持てたのではないかと思っています。今回、討論で学び深め合ったことをそれぞれの地域で、日常の実践活動の中で活かされれば幸いです。
最後に、180ぺージをこす報告書となりましたが、参加者はもちろん、教育・行政関係者のみなさんにもご一読いただけることを願い、お礼のあいさつといたします。
<内訳区分>
内訳 |
参加者数 |
聴覚障害者 |
239名 |
学校関係者 |
246名 |
学生 |
60名 |
親 |
80名 |
手話関係者 |
211名 |
その他 |
45名 |
小中高企画 |
85名 |
合計 |
966名 |
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第15回ろう教育を考える全国討論集会
1 名称 第15回ろう教育を考える全国討論集会
2 目的 「聴覚に障害を持つすべてのこどもたちの教育と将来」について、聴覚障害教育に深く関わる立場の人々(教育関係者、父母、聴覚障害者、手話関係者、ボランティア等)が一堂に会し、共通の願いを確認するとともに、聴覚障害教育のあり方を考え合い、もってその発展に寄与することを目的とする。
3 期日 2003年(平成15年)8月1日(金)〜3日(日)
4 会場 福島県産業交流館ビッグパレットふくしま
郡山市総合福祉センター・ビッグアイ
郡山市青少年会館
5 主催 ろう教育の明日を考える連絡協議会
(代表世話人:安藤豊喜=財団法人全日本ろうあ連盟理事長)
6 主管 第15回ろう教育を考える全国討論集会実行委員会
(実行委員長:石井静子=社団法人福島県聴覚障害者協会会長)
〔構成団体:社団法人福島県聴覚障害者協会/福島県立聾学校同窓会/福島県立聾学校父母の会/福島県ろう重複障害者親の会/全国手話通訳問題研究会福島支部/福島県手話サークル連絡協議会〕
7 後援 福島県 郡山市 福島市 会津若松市 福島県市長会 福島県町村会 福島県教育委員会 郡山市教育委員会 いわき市教育委員会 福島県社会福祉協議会 郡山市社会福祉協議会 福島県身体障害者福祉協会 福島県共同募金会 福島県立聾学校 福島県中途失聴・難聴者協会 福島県聴覚・言語障害児をもつ親の会 福島盲ろう者友の会 全国聴覚障害者親の会連合会 全国難聴児をもつ親の会 全日本難聴者・中途失聴者団体連合会 聴覚障害児と共に歩む会 トライアングルろう教育科学会 全国手話通訳問題研究会 日本財団 財団法人福島県産業振興センター 財団法人郡山コンベンションビューロー 福島民報社 福島民友新聞社 朝日新聞社福島支局 毎日新聞社福島支局 読売新聞社福島支局 産経新聞社福島支局 河北新報福島総局 NHK福島放送局 福島テレビ 福島中央テレビ 福島放送 テレビユー福島 (株)名鉄観光サービス福島支店
8 参加者 約1000人(要員等を含む)
9 参加費 ろう教育の明日を考える連絡協議会賛助会員 3,500円
一般参加者 5,000円
●8月1日(金)
会場:郡山市総合福祉センター
会場:ビッグアイ市民交流プラザ
●8月2日(土)
会場:ビッグパレットふくしま・郡山市青少年会館
●8月3日(日)
会場:ビッグパレットふくしま・郡山市青少年会館
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