北海道の教育改革を目指す民間団体「教育改革道民協議会」が発足した。北海道は国旗・国歌の実施率が全国最低レベルにあるなど、多くの問題を抱えている。“学校の非常識”を正す民間の力となることを期待したい。
協議会は「二十一世紀の日本やわが子の未来のためには、教育改革こそが最重要の国家的課題である」と位置づけ、教科書採択の正常化や国旗・国歌の適正指導などを求める幅広い道民運動を展開したいとしている。発起人には、北海道経済連合会名誉会長や同商工会議所連合会会頭ら、地元を代表する有力者が名を連ねている。
昨春の小中学校における卒業・入学式の国歌斉唱率はいずれも六〇%台で、四十七都道府県中ワースト1、2という不名誉な記録となった。三十年前の昭和四十六年、北教組と北海道教育委員会との間で結ばれた「学校管理規則などの改正は組合との交渉で行う」などとする違法な取り決め(46協定)も、ほとんど改められていない。
こうした現状を打破するため、札幌市教委は昨年九月、今春の卒業・入学式に向け、国旗・国歌実施の職務命令を出したが、道教委は依然、腰が引けたままだ。札幌市教委も、北教組支部の札幌市教組の執拗な抵抗に直面している。
今年一月末、東京で開かれた日教組教研集会でも、北教組は「『日の丸・君が代』の強制反対」「『日の丸・君が代』を排除する取り組み」などの“闘争報告”を行った。こんな偏向教育の犠牲になっているのは、北海道の児童生徒たちである。
現に、平成十年の長野五輪では、金メダルをとった北海道出身の女子選手が表彰式で帽子をかぶったまま日の丸掲揚・君が代吹奏に臨み、外国人観客のひんしゅくを買った。ふだんの学校教育で、国旗・国歌に対するマナーを教えられていなかったのだろう。
世間常識とかけ離れていた広島、三重県、東京都国立市などの教育現場でも、「このままではいけない」とする民間人のグループが立ち上がり、教育正常化に大きな力を発揮している。こうした民間パワーが全国各地で芽生え、“学校の非常識”を改める原動力となってほしい。
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