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1999/01/26 産経新聞朝刊
【主張】日教組教研集会 これで学級崩壊防げるか
 
 日教組の教育研究全国集会(教研集会)が終わった。今年の最大のテーマは「学級崩壊」だった。集会では、低学年であってさえ子供たちが教室で「声をはりあげ、泣く。午後になると眠り出す」など、生々しい崩壊の実態が次々に報告された。
 報告した教師たちは、こうした学級崩壊に真っ向から取り組んでいるのであり、その点は評価しなければならない。しかし、その解決方法となると手探り状態に見えた。
 教研集会の「学校再生を誓って」などと題したアピールも「教職員みんなが子供の実態を共有し、力を合わせて保護者・地域に学校参加を求め…」と、抽象的な表現にとどまっている。悪くいえば、家庭や地域にボールを投げ返しただけ、とも受け取れかねない内容だった。日教組の教師たちは、大事なことを忘れているのではないかと思えてならない。
 それは、同じ教研集会で学級崩壊の悩みを訴えながら、一方では相も変わらず日の丸、君が代に反対する運動を続けていることが、誇らしげに報告されているからだ。中には、「日の丸・君が代」対策委員会をつくって各校での反対運動を支援し、「一部の反動どもを包囲、粉砕する」などと、およそ知的な教師のものとは思えない報告もあった。
 これまでわれわれが主張してきたように、「学級崩壊」の最大の原因は、戦後教育が、「自由」と「規律」のバランスを著しく失ってきたことにあるのである。
 ひとつの典型が日の丸・君が代を無視する教育であった。国旗を掲げ、国歌を歌うことは、どの国にあっても教育の最低限の「規律」である。それを「歌うも歌わないも自由」とし、「国の押し付けに反対」としてきた結果、何事に対しても、親や教師に対しても敬意を払うことのない子供たちを育ててきた。卒業しても、成人式で講師の話にだれも耳を傾けないような若者を生んできたのである。
 多くの教師たちがそのことに気づき、「規律」を重んじることから教育を再生しようとしている。
 しかし、そのことを全く理解せず、「日の丸・君が代」反対を繰り返している教師たちに、果たして「学級崩壊」をくい止めることができるのだろうか。
 大相撲初場所で逆転優勝した千代大海は子供時代、手のつけられない「悪ガキ」だった。それが、相撲という「規律」を重んじる社会で、大関を確実にし、「母が喜んでくれて最高」といえる力士に成長したのである。


 
 
 
 
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