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1994/12/29 毎日新聞朝刊
憲法改正の是正 「改憲」と「護憲」ほぼ同数――本社世論調査
 
 毎日新聞が今月初めに実施した「戦後五十年」全国世論調査によると、憲法について「改憲する方がよい」が昨年四月の調査と比べ一六ポイントも減って二八%となり、「改憲しない方がよい」は二五%から二七%へわずかに増え、改憲、護憲両派がほぼ同数となった。最も多いのは「わからない」の四一%。社会党が自衛隊合憲に転換する一方、自民党が従来の改憲色を大幅に弱める方針に転換、「憲法改正」が当面の焦点から遠のいたことが背景にあるようだ。五歳きざみの年齢別でみると、四十代前半までは改憲派の方が多く、四十代後半以上は護憲派の方が多数。四十五歳が憲法意識の分水れいであることが分かった。
 年代別に見ると改憲は三十代が三四%で最高、七十歳以上が二二%で最低。護憲は六十代が三六%で最高、二十代が二〇%で最低だった。また、男性は護憲より改憲のほうが多く、女性は逆だった。
 職業別で護憲派の方が多いのは管理職、農林漁業、主婦など。改憲派が多数は工場労働者、自営業、自由業、パートタイマーなど。大卒者で改憲が多いのは男性、護憲は女性、と対照的だ。
 支持政党別(新進党結成前)では自民党と支持政党なしが護憲・改憲の両派ほぼ同数。社会、さきがけ、民社、共産党支持層は護憲の方が多く、新生、公明、日本新などは改憲の方が多かった。
 昨年四月調査と比較すると、すべての年代で改憲が減少。最も減ったのが二十代、五十代の一八ポイントだった。


 
 
 
 
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