3. 信頼性試験
3.1 試験装置の改造
SMGT陸上試験装置でSMGT2の運転試験を行うため、試験装置の改造設計・製作および改造工事を実施した。SMGTで使用した減速機や水動力計、計測室はそのまま使用するが、SMGT2で新設計となったパワータービンモジュールや熱交換器に対応するように、また、長時間の耐久運転を実施できるように試験設備の改造を行った。図3.1−1に改造した試験装置図を示す。主な改造内容を以下に示す。
1)新設計の熱交換器がSMGTと比較して大きくなったため、試験装置の高さを800mm延長した。図3.1−2に試験装置の外観を示す。
2)熱交換器の形状や取り合い寸法が異なるため、熱交換器架台、配管、サポート等を製作、設置した。
3)新設計のパワータービンと排気室に合わせて取付けサポートを変更した。
4)パワータービンの振動計に合わせてアンプ、モニタを変更した。
5)換気性を向上し、パッケージ内温度を一定に保つために、換気ファン、換気ダクトおよび換気塔を追加した。
試験装置を改造して、エンジン、熱交換器、配管類を据え付けて試験準備を行った。試験装置内の写真を図3.1−3に示す。
3.2 信頼性試験
本年度はSMGT2の運転試験により、運転試験装置の作動確認と、ガスジェネレータモジュールはSMGTで実績があるため、特にパワータービンモジュールおよび熱交換器の作動確認と慣らし運転試験を実施した。
(1)着火・起動
SMGTと同様、着火や起動については問題は無かった。
(2)振動
運転試験により、機械的健全性について確認を行った。その一例として、 図3.1−4にパワータービンロータの軸振動計測結果を示す。一次のピークはほとんど検出されず、二次は55%回転数で少しピークがでるが、振動レベルは小さい。それ以上100%回転数までは振動値はほぼ一定で全体のレベルは十分低く、運転に支障が無いことが確認できた。
(3)慣らし運転
無負荷状態で以下の慣らし運転を行った。
・ほぼ無負荷のアイドル条件を2時間保って、ガスタービン本体および熱交換器、熱交換器空気配管や排気ダクト等に熱を加える慣らし運転を実施した。運転データを 図3.1−5に示す。
・パワータービンの無負荷慣らし運転を実施し、パワータービンが機械的に100%回転数まで運転できることを確認した。運転データを 図3.1−6に示す。
(4)点検
排気ダクト部の目視点検や高温部のボアスコープ点検を行ったところ、特に異常は無かった。
(5)まとめ
本年度は実験機を製作し、作動確認試験、慣らし運転、部品の健全性等の確認を実施し、特に問題の無いことを確認した。
今年度の運転試験結果をもとに、平成15年度の運転試験で制御の調整や耐久試験を実施する。
図3. 1−1 試験装置配置図
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図3. 1−2 試験装置外観
図3. 1−3 試験装置内設置状況
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