第1章 調査概要
1. 調査の目的
浜松市に在住するブラジル人の青少年を対象に、生活実態および意識調査を行い、不就学や義務教育からのドロップアウト、言語の不習得、そして社会からの孤立など、行政および市民が懸念し続けてきた問題について、解決策を見出すための資料とする。調査の結果は、浜松市と教育機関、外国人支援を行う市民団体、外国人自助グループに提供し、今後の問題解決に向け、協力を仰ぐ。
2. 対象
浜松市に在住する12歳〜18歳のブラジル人の青少年(一部10歳〜11歳を含む) ※回答者の意見の反映を考慮し、上記世代に絞った。
3. 方法
調査票はポルトガル語、日本語で作成し、2002年3月に以下の団体の協力のもと実施した。
(1)ブラジル人学校(浜松市内の2校)にて
協力:・エスコーラ・ブラジレイラ・デ・ハママツ
・コレージオ・ピタゴラス 浜松校
(2)浜松市高丘地区にて
協力:アラ・ブラジル協会
4. 調査内容
調査項目は以下の通り
・言語の習得状況とコミュニケーション
・就学経験
・家族(父母)の学習への参加
・人生設計
・日本人との接点
・日本社会に対する視点
・その他
5. 回答者数 72名
※ブラジル人学校からは62名、浜松市高丘地区からは10名の回答が得られた。
6. 留意点
ブラジル人学校での回答と、高丘地区での回答は、第2章、 第3章にそれぞれの結果を分けてまとめた。
第2章 ブラジル人学校での調査結果と考察
1. 回答者の属性
(1)年齢および性別
回答者の年齢は、浜松市内にあるブラジル人学校2校に通う10歳〜17歳で、回答数の内訳は以下の通りである。
・エスコーラ・ブラジレイラ・デ・浜松・・・30回答
・コレージオ・ピタゴラス浜松校・・・32回答
性別については、男女比に大きな差はなかった。
回答者の年齢
回答者の性別
(2)日本在住年数と居住地域
滞在年数3年以下が約70%を占めた。(*以下の%は全回答者62人に対する割合)
日本滞在年数
浜松での在住年数
浜松での在住年数(詳細) |
1年未満 |
10人 |
(16.1%) |
1〜2年未満 |
20 |
(32.2%) |
2〜3年未満 |
6 |
(9.7%) |
3〜4年未満 |
2 |
(3.2%) |
4〜5年未満 |
4 |
(6.5%) |
5〜6年未満 |
3 |
(4.8%) |
6〜7年未満 |
4 |
(6.5%) |
7〜8年未満 |
2 |
(3.2%) |
8〜9年未満 |
1 |
(1.6%) |
9〜10年未満 |
0 |
(0%) |
10年以上 |
2 |
(3.2%) |
回答なし |
8 |
(13%) |
合計 |
62人 |
|
|
居住地域は、浜松市の高丘(16.2%)と磐田郡・磐田市(14.5%)が最も多いが、市内全域だけでなく、市外、県外豊橋市・豊田市と、広範囲から通学していることが伺える。
居住地域(%―全回答者62人に対する割合)
(拡大画面:24KB) |
|
居住地区(詳細) |
浜松市 |
高丘 |
10人 |
(16.2%) |
入野 |
3 |
(4.9%) |
佐鳴台 |
3 |
(4.9%) |
国吉町 |
2 |
(3.2%) |
小豆餅 |
2 |
(3.2%) |
葵西 |
1 |
(1.6%) |
笠井町 |
1 |
(1.6%) |
大瀬町 |
1 |
(1.6%) |
湖東町 |
1 |
(1.6%) |
白羽町 |
1 |
(1.6%) |
中田島町 |
1 |
(1.6%) |
本郷町 |
1 |
(1.6%) |
領家町 |
1 |
(1.6%) |
萩丘 |
1 |
(1.6%) |
新橋町 |
1 |
(1.6%) |
和合町 |
1 |
(1.6%) |
立野町 |
1 |
(1.6%) |
磐田市・磐田郡 |
9 |
(14.5%) |
浜北市 |
|
5 |
(8.1%) |
小笠郡 |
|
4 |
(6.5%) |
引佐郡 |
|
1 |
(1.6%) |
湖西市 |
|
1 |
(1.6%) |
豊橋市 |
|
2 |
(3.2%) |
豊川市 |
|
1 |
(1.6%) |
回答なし |
7 |
(11.3%) |
合計 |
62人 |
|
|
|