海洋に関する総合データーバンク
海上保安庁 海洋情報部
海上保安庁に海洋情報部誕生
情報収集130年・海軍に設置された当時の「水路局」がその前身です。
測量船 海洋(全長60m/総トン数550トン)
海洋調査に百三十年
海上保安庁に誕生した「海洋情報部」の前身は、我が国の海運の発展と独立を守るため明治四年(一八七一年)当時の海軍に設置された「水路局」に端を発します。明治のはじめから百三十年の長きにわたって地道な海洋測量を行い海図を整備し、海象を把握し、時には自ら観測機器を開発し、航海の安全と海洋科学の発展に、水路局ははかりしれないほど多くの貢献をしてきたのです。
近年、社会・経済情勢の急激な変化を受けて、海洋調査のニーズは多様化し、その幅は大きく広がってきました。
こうした状況をふまえて、水路部は、IT技術を活用しながら海洋調査と海洋情報の提供のより一層の体制強化を図ることを目的として、新しい組織へと生まれ変り、平成十四年四月、海上保安庁に「海洋情報部」が誕生したのです。海洋情報部は、航行の安全、海洋環境、地震や火山の噴火の予測など海洋を巡るあらゆる分野における高度な調査能力を持っています。そして、海洋に関するあらゆるニーズに応えます。
海洋情報部が目指すものの第一は、航行安全のための情報提供です。
明治の初め以来、航行安全のための数多くの海図や水路書誌を刊行してきました。
また、緊急時には、船舶に最新の安全情報を提供してきましたが、近年発展してきたIT技術の利用により情報提供の形が変わりつつあります。
新しい情報提供の一端を紹介してみましょう。
▲日本人の手による日本第1号の海図
電子海図
平成七年に世界に先駆けて、国際基準に基づく航海用電子海図(ENC*1)を作成し、現在では日本周辺の主要海域の整備をほぼ終わりました。
海洋情報部ではさらに、航海の安全及び効率的な航行を支援するため、リアルタイムに気象・海象、電子水路通報、航行警報等の情報を画面に重ね合わせて表示が可能な次世代型電子海図の検討を行っています。
現在の航海用電子海図を表示するためのシステム(ECDIS*2)は大がかりな装置で大型船にしか向きません。そこで、小型船やマリンレジャーのユーザーにも電子海図をパソコンなどで気軽に使用していただけるよう、小型船用の電子海図を開発中です。小型船用電子海図では、従来の海図の情報に加えて、沿岸の情報を充実させ、潮汐や日出没、マリーナ情報などの海のガイドブックとして利用できる機能も付加する予定です。
【次世代型電子海図システムのイメージ】
【小型船用電子海図のイメージ】
*1 ENC(Electronic Navigational Chart)
*2 ECDIS(Electronic Chart Display and Information System)
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