講演
「ホームヘルプ事業がスタートして」
《9月5日(木)13時30分〜15時》 会場:華厳の間(8階)
講師:首長 正博 栃木市社会福祉協議会在宅福祉係長
研修会資料
H14.9.5
地域における精神保健福祉活動
栃木市社会福祉協議会 首長正博
1. はじめに
福祉との出会い 北海道滝川市
福祉の定義(今回の講義は、(1)の定義で進めます)
(1)幸せを目指し、よりよく生きるという大きな意味での福祉概念
(2)社会保険、公衆衛生等も包含する広い意味での福祉制度
(3)社会保障の中で社会福祉といわれる狭い意味での福祉制度
漢字の意味を調べてみてください。
「福」も「祉」も、どちらも幸せの意味
特別な人に特別なことでなく、
ふつうの人に、ふつうの暮らしの中で営まれる活動
ふつうのくらしができるしあわせ
2. ノーマライゼーションとは
デンマーク バンク・ミッケルセンの提唱
2つのノーマル
(1)世の中には、いろいろな人がいてノーマル(あたりまえ)
(2)障害を持とうが持つまいが、ふつうに暮らせてノーマル(あたりまえ)
現在の制度はどうなっているのでしょうか
市民意識はどうでしょうか
3. 人生は荒海
宮城県知事 浅野史郎氏のことば
人生が荒海に例えられます
地域社会が「海」であり
我々は全員「海で遊ぶために生まれてきた」と考えてください
「海」(生活の場)は、危険がいっぱいです
泳げない人へのサービス(福祉)は、
かつては、山に施設を建てて、避難させて介護した
つまり、できるだけ海から遠ざけたものとなった
「海は確かに怖いけれど、何らかの手立てがあれば、みんなで泳いで遊べるのではないか」という考え方
地域福祉、在宅福祉という観点が主流になってきた
つまり、(1)「施設」の形態を変えていく
(2)「海」(地域社会)そのものを変えていくことが必要
「施設」のあり方を変える
訓練内容を変える
プールを作る・・・まず水に慣れよう
海の家を作る・・・避難所を作ろう
浮き袋を用意しよう
「海」そのものを変えていこう
海を放っておいて、海の家ばかり作ってきた反省
正しい障害者観
差別がない社会作り 福祉教膏
今までの考え方
周りで支える人がいない場合・・施設に入れるしかなかった
誰もが「ふつうのあたりまえの生活をしたい」
障害の有無にかかわらず、一人ひとりが求めているものです
これこそ、守られるべき「人権」です
障害を持ってしまったがゆえに、奪われてしまうものかもしれません
ふつうの暮らしは、どこにあるの・・「地域社会」にあるのです
精神保健に対する偏見・特殊性の排除からはじめませんか
4. 精神保健福祉への市町村の取組み
専門性の欠如
(1)仕組み作りの専門家はいるが、相談・助言になると・・・
(2)個別化の視点での取組みか行なわれているか
社会資源の未整備
(1)サービスの絶対量の不足
(2)内的資源の活用法の未確立
(3)専門職員の不足
当事者組織・家族会との連携が不十分
(1)本人・家族との接点の不足
精神保健の理解不足
リスクに強い環境づくり
記録の重要性 介護の専門性の担保
ケアの決定と実行のプロセスを明らかにする
5. ホームヘルパーの意識改革
老人ヘルパーからの意識改革
利用者の年齢・性格・目標設定・モチベーションの維持の難しさ
援助期間の長期化
より、専門性の高い、知性と感性のケア
6. 障害者ケアマネジメントの視点
(1)情報発信(アウトリーチ)の徹底
(2)出来る能力(エンパワメント)の活用
(3)人権意識・権利擁護(アドボカシー)の意識化
(4)論理性と温かさのミックス
温情的父権主義(パターナリズム)の変革
7. 求められる市民の意識
(1)宗教・歴史性を踏まえた、文化意識の涵養
(2)正しい障害者観とユニバーサルデザイン
(3)価値観・違いを認めるこころ
福祉は特別なものでなく、日常の延長に日常のままにあるもの
8. まとめ
私達にできること
自分のできるところからのアクション
市町村の時代とは、コミュニテイの多様化の時代
誰のための福祉か
人の為でなく、自分のため
|