自然教育園(I)
8月の自然教育園
1. アブラゼミが鳴いています。アブラゼミはどんな一生を送るのでしょう。
2. ヌスビトハギの葉が丸く切りとられています。なにかに食べられたのでしょうか。
3. 草の上に足の長いクモのような虫がたくさんいます。なんの仲間でしょう。
4. このコバギボウシにきているクマバチはどうやって蜜をすっていますか。
5. トンボを見かけませんか。なん種類ぐらいいるのでしょうか。
6. ネムノキはさわると葉をとじるでしょうか。夜になるととじるでしょうか。
国立科学博物館附属
自然教育園
2002.8
質問の番号とリーフレットの番号を照らし合わせてご利用ください。
設問板の位置と今月の見どころ
(拡大画面:48KB) |
|
日曜野外案内(午前11時から約1時間) |
8月4日 |
生きもののつながり |
9月 1日
|
鳴く虫 |
11日
|
林と気温 |
8日
|
林のうつりかわり |
18日 |
つる植物 |
15日
|
秋の自然教育園 |
25日 |
林と土 |
22日
|
ヒガンバナの生活 |
|
|
29日
|
どんぐりのなかま |
|
チョウのくらし案内(毎日曜日午前10時から約1時間) |
8月 |
チョウの一生 |
9月 |
チョウの変異 |
|
子ども土曜観察会(午前11時から約1時間) |
9月14日
|
セミとトンボ作り |
|
|
9月28日
|
たねの模型作り |
|
|
※これらの案内はいずれも自由に参加できます。 |
1 アブラゼミが鳴いています。
アブラゼミはどんな一生を送るのでしょう。
アブラゼミは枯れ木などの中に卵を生みます。卵はそのまま、翌年の初夏まで地上で過します。そして、ふ化した幼虫はすぐ地面におり、地中にもぐって木の根から養分をすって生活し、約5年かかって4回脱皮して5令幼虫となり、その約1年後に成虫になります。しかし、親になっても5〜10日ぐらいで一生を終えてしまいます。
アブラゼミの幼虫
2 ヌスビトハギの葉が丸く切りとられています。
なにかに食べられたのでしょうか。
これはハキリバチが切ったものです。ハキリバチは、この丸く切った葉を竹づつなどのなかに運んで何枚も組み合わせ、小さなコップ型の巣を作ります。そしてそのなかに蜜(みつ)や花粉(かふん)をためて、卵を産みます。
卵からかえった幼虫(ようちゅう)は、この蜜や花粉を食べて成長します。
ヌスビトハギの葉
3 草の上に足の長いクモのような虫がたくさんいます。なんの仲間でしょう。
これはザトウムシという名前の虫です。アシナガグモなどと呼ばれることがありますが、クモの仲間ではなく、どちらかというとダニに近い仲間です。8本の足がありますが、そのうちの2本を触角(しょっかく)のように使って歩いています。
自然教育園にいるのはモエギザトウムシという種類で、昆虫やダニ、その死体、また植物質などを食べています。
ザトウムシ
4 このコバギボウシにきているクマバチはどうやって蜜をすっていますか。
コバギボウシの花は、深いつつ型をしています。小さなハチとちがって、体の大きなクマバチやドロバチは花の中に入れないので、外側から花の根もとに口をさしこんで蜜をすいます。この方法だと花粉はハチの体につきません。
蜜をとるだけで花粉を運ばない、このようなハチの蜜のすい方は盗蜜(とうみつ)とよばれています。
蜜をすうクマバチ
5 トンボを見かけませんか。
なん種類ぐらいいるのでしょうか。
右の図はオニヤンマですが、このほかにも、アジアイトトンボ・クロイトトンボなどのイトトンボのなかま、ギンヤンマなどヤンマのなかま、オオシオカラトンボ・ショウジョウトンボ・アキアカネ・ナツアカネ・コシアキトンボなどいろいろ見られます。
オニヤンマ
6 ネムノキはさわると葉をとじるでしょうか。
夜になるととじるでしょうか。
ネムノキはさわっても葉をとじません。しかし、夜になるとひとりでに葉をとじるので、ネムノキの名がついています。夜に葉をとじることは、明るさに関係しておこることです。
このほかにクズやカタバミでも同じようなことが観察できます。
ネムノキ
自然教育園(III)
10月の自然教育園
1. いろいろな形のどんぐりが目につきますが、種類のちがいがわかりますか。
2. アザミの花には、どんな虫が集まっているのでしょう。
3. クモの網がたくさん見られます。何というクモでしょう。
4. 池に水鳥がきました。どんな鳥がいるのでしょう。
5. ススキとオギとはよく似ています。ちがいはどこにあるでしょう。
6. 道ばたでは、服にくっつくたねがありませんか。どのようにしてくっつくのでしょう。
国立科学博物館附属
自然教育園
2002.10
質問の番号とリーフレットの番号を照らし合わせてご利用ください。
設問板の位置と今月の見どころ
(拡大画面:55KB) |
|
日曜野外案内(午前11時から約1時間) |
10月6日
|
ジョロウグモの生活 |
11月3日
|
都市とシュロ |
13日
|
草花あそび |
10日
|
落ち葉のゆくえ |
20日
|
秋の空 |
17日
|
渡り鳥 |
27日
|
たねの散り方 |
24日
|
ヤツデの花と昆虫 |
|
チョウのくらし案内(毎日曜日午前10時から約1時間) |
10月
|
チョウの冬ごし |
|
|
|
子ども土曜観察会(午前11時から約1時間) |
10月5日
|
木の実のブローチ作り |
11月2日
|
たねの模型作り |
12日
|
どんぐりのミニ動物園作り |
9日
|
オギのふくろう作り |
19日
|
子ども自然相談室 |
16日
|
子ども自然相談室 |
26日
|
たねの模型作り |
23日
|
たねの模型作り |
|
|
30日
|
落ち葉絵作り |
※これらの案内はいずれも自由に参加できます。 |
自然教育園(IV)
1 いろいろな形のどんぐりが目につきますが、種類のちがいがわかりますか。
ドングリのなる木には、コナラ・クヌギなどの落葉樹と、シイやカシなどの常緑樹とがあります。
これらの木の実をまとめてドングリとよんでいますが、全体の大きさや形、受け皿の形やもようなどにそれぞれ特徴があって区別できます。たとえば、コナラの受け皿にはうろこ状のもようが、また、クヌギにはギザギザがついていますが、シラカシ・アカガシなどには、輪が何段か重なったようなもようがついています。
コナラ
クヌギ
シラカシ
アカガシ
2 アザミの花には、どんな虫が集まっているのでしょう。
10月になって花が少なくなると、アザミの花にはたくさんのこん虫が集まります。イチモンジセセリ・キタテハ・キチョウなどのチョウのなかまのほか、ハチのなかま、アブのなかま、ハエのなかま、ガのなかまなどが飛んできます。
また、これらのこん虫をねらうハナグモやカマキリなども、アザミの花の近くで見られます。
タイアザミの蜜をすうイチモンジセセリ
3 クモの網がたくさん見られます。何というクモでしょう。
体の色が黄と赤の美しいクモは、ジョロウグモです。このクモは中央に大きな網(あみ)、その前後に形のふぞろいな網というように、三重の網をはります。中央の網の上側に横糸が少なくて、全体が馬てい形をしているのも特徴の一つです。
中央の網はえものをとらえるのに使い、前後の網は脱皮したかすや、食べかすをひっかけるのに使います。
ジョロウグモ
4 池に水鳥がきました。どんな鳥がいるのでしょう。
自然教育園には毎年9月ごろからオシドリがやってきて、ドングリなどを食べながら、静かなこの池で冬をこします。また、ときにはマガモ・コガモなどもやってきます。
冬を日本ですごすこれらの渡り鳥たちは、冬鳥とよばれています。
オシドリ(上)とマガモ(下)
5 ススキとオギとはよく似ています。ちがいはどこにあるでしょう。
ススキは根元から茎をだして株をつくり、どこの草原にもふつうにはえています。一方、オギは横に長くのびた地下茎から茎が1本ずつでるので大群落になります。花はススキが9月、オギは10月に咲きます。
次に、穂についてくる小穂(しょうすい)を比べてみると、ススキにはまん中に長くのびたひげ状のノギがありますが、オギにはありません。ほかにも、細かなわた毛はオギの方がずっと長いという違いがあります。
ススキ
オギ
6 道ばたでは、服にくっつくたねがありませんか。どのようにしてくっつくのでしょう。
植物は自分で動くことができないので、ほかの力を借りてたねを遠くへ運ぼうとしています。これらのたねは、かぎのような毛やとげなどを持っていて、人間や動物にくっついて運ばれます。
この仲間にはヌスビトハギやミズヒキ、キンミズヒキ、イノコズチなどがあり、道ばたなどに多く生えています。
ヌスビトハギ
ミズヒキ
ヌマスギ
メタセコイア
Aが複葉なら、更に葉が出ることはない。枝なら枝が出てよい
互生
ヌマスギ
対生
メタセコイア
|