日本財団 図書館


11. 金谷大井川川越し太鼓(かなやおおいがわかわごしだいこ)チャレンジチーム
(静岡県)
―プロフィール―
 平成10年に金谷町近隣の1市4町の知的障害者で結成されたチームです。小学生から大人までのメンバーで、週1回金曜日の夜に練習をしています。練習の成果を発表する機会も結成当初から恵まれて、大きな舞台の上や観客のすぐ目の前など色々な場面での演奏を経験できました。また、今年は2年に1度の金谷町の茶まつりがあり、太鼓道中について屋台を曳いたり、上で演奏したりと多くの人たちと関わることができました。
 リハビリや社会性の向上などにも効果が表れ、1時間の練習を精一杯頑張っています。
 
演奏曲
すわばら太鼓
 
出演者
代表者 和田 光則
岡崎真知子 若味 一秀
絹村 浩長 江塚 渡
山内 大佑 塚本 敦也
鈴木久美子 山内 学
増田 芳宏 萩原 学
立石 友子 田中 才洋
川本浩太郎 山河 亮子
中田小百合 鈴木美枝子
酒井 勝則 有馬 和之
塚田 利恵 小玉恵美子
武田ひろみ
 
―実践報告―
 私たちチャレンジチームは静岡県茶所金谷から来ました。金谷というところは「箱根八里は馬でも越すが、越すに越されぬ大井川」の西側にあります。平成10年に発足して4年になります。色々な曲を教えていただきました。でも、あまり太鼓を叩くチャンスがありません。全国障害者大会に出るのが楽しみです。今回6人のメンバーが出れませんが、みんなの力を合わせてがんばります。
 曲目はすわばら太鼓です。
 この曲は皆さんの前では初めて叩きます。本当は心臓がドキドキしています。上手く打てるか心配ですが、頑張って打ちます、よろしくお願いします。
 
12. 佐久(さく)ろうあ太鼓(だいこ)
(長野県)
―プロフィール―
 佐久ろうあ太鼓は、佐久鯉太鼓の演奏に感動したことをきっかけに、佐久鯉太鼓保存会の指導を受けながら、昭和63年に佐久地域の耳の不自由な皆さんが中心になって結成されました。現在ではボランティア4名を加えて、総勢10名で活動しています。会員の皆さんは耳が不自由なので、リズムを合わせることが難しいのですが、腹に伝わる太鼓の響きでリズムをとります。
 音の高低や強弱がなかなか身に付かない等の苦労はありますが、腹に響く音に魅力を感じ、仲間作りと文化活動のために演奏活動を続けています。
 
演奏曲
龍・鳳太鼓
 
出演者
代表者 尾台 実雄
佐藤 正則 寺島 好昭
田村 善重 大日方敏充
上野セシリア
 
―実践報告―
 佐久地域でろうあ者が中心となって14年前、昭和63年に結成したのが佐久ろうあ太鼓です。聴障者の仲間作りと文化活動のために様々な活動を行っています。
 始まり 20年程前、長野県聴覚障害者協会佐久部創立15周年大会で、地元の佐久鯉太鼓保存会の演奏を聴きました。その時に腹に響いて伝わってきた太鼓の響きが忘れられず、仲間を誘って同好会をつくりました。14年前から佐久鯉太鼓保存会の指導を受け、その後、自分たちで一生懸命練習を重ねてきました。
 障害者に太鼓は出来ないのではないかと、思われるかもしれないが、私たちもやればできるのです。ただ残念なことは、一人ひとりの個性を表現する場所が少なすぎることです。
 練習 毎週土曜日の午後7時から佐久内ボランティアセンターで練習に励んでいます。初めは9人のメンバーでしたが、その後、何度かメンバーの入れ替えもあり、今はボランティア4名を含めて10名になります。私たちは耳が聞こえないが腹でわかります。腹に太鼓の響きやリズムが伝わってきます。バチが思う様に動いてくれなかったり、音の高低や強弱がなかなか身に付かない等、苦労はずっと続いていますが、打ちこめるものがあるということが嬉しくてたまりません。
 「練習が2時間位というのは大変だが、いったん始めると1〜2時間はあっというま間に過ぎてしまう」と、練習に出てくるのが楽しみだと言ってくれる会員もいます。ろうあ者の仲間では気が付かない魅力のある演奏にするために、健聴者の耳も借り、また協力していただければありがたいと思っています。懐かしいことになってしまいますが、結成して、しばらく自分たちの太鼓が持てず、練習には雑誌を束ねた台を叩いていました。その後は日本酒を入れる樽を使って練習する方法に変わりました。本物とは違って太鼓の響きは感じられませんが、形が似ており、雰囲気が出てきました。その頃は、いつの日か、本物の太鼓で練習できる日を目指して頑張っていました。
 演奏 レパートリーは「ふれあいの響き」「あばれ鯉」「龍嵐」など10曲。これまでふれあい広場、手話フェスティバル等、年に10〜12回位演奏しています。10年前には松本城400年祭りで打ち、9年前は三重県四日市市での全国ろうあ者大会の演劇祭典で演奏、県外では初めての経験でした。8年前福島県太鼓フェスティバル、5年前東京でチャリティコンサート、長野県パラリンピック、日本ろう者太鼓同好会合同演奏会等披露しました。
 作曲 ろうあ太鼓のメンバーが作曲をやってみたいと思い、実際に曲を作りました。しかし、太鼓譜の記号についてメンバーは譜面がわかりません。譜面の見方がなかなか覚えられないようです。体譜が、よくわからなくてリズムを合わせるまでが大変でした。あばれ鯉の曲を作りましたがリズムをあわせることが大変と思いました。マスターするまで2年間かかったようです。今では懐かしい思い出となりました。
 今までの曲目は全部で10曲です。最近1〜4曲を披露しています。長野オリンピックのために3曲練習しなければならないことがありました。新曲を覚えるほどには大変時間がかかるようです。初めのころは、ろうあ者は音楽が苦手だと言っていました。メンバーの全員が凄いリズムの持ち主ということはありません。他の太鼓を見ているとリズムを合わせるのが難しいけれど、太鼓の響きが身体に伝わってくることが嬉しいようです。まだまだ未熟な私たちですが、文化活動を通して、地域に障害者への理解が広がることを願っています。







日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION