どこのゴミ箱?
◆やってみよう
ゴミ箱のふたを全部開けてみて下さい。
どのゴミ箱が、どの国のものか分かりますか?
◆考えてみよう
豊かな国では1人が1年に300kgから700kgのゴミを出すのに対して、100kgほどしか出さない国もあります。ゴミの中身はいろいろです。有機物(台所からのゴミ)の割合は、先進国のものほど少なくなります。その多くは、プラスティックや包装ゴミの割合が大きくなるからです。
●解説
ゴミ箱の中身は、ゴミを出した人々の生活様式や消費様式に関して多くのことを教えてくれます。このことは人にも都市にも国にもあてはまります。
ある都市の家庭から出るゴミは、その町の社会・経済的な姿をそのまま反映しています。ゴミ分析研究者はゴミからその都市の特徴を決めることができます。
工業が発展し消費が進むにつれて、廃棄物もたくさん出ます。廃棄物の量は、この10年間で50%以上も増えています。
暑さ、寒さ 熱の循環
◆やってみよう
ランプで熱されたアルミ粉の動きを見てみましょう。どんなことが起っているでしょうか。
◆考えてみよう
ランプで暖めると底の方の水は膨張して密度が小さくなります。そのため渦を巻きながら上に昇っていきます。一方、水面の水は昇ってくる水より冷たく、より密度が大きいため、下に降りていって、はじめに底の方にあった水と位置を変えます。このような動きを対流といいます。
大気の中でも、つねに対流が起っています。それは大気が地球の発散する赤外線によって下から暖められているからです。海では暖かい水が水面にあります。温度の違う水の層が混じりあう速度は、空気の場合よりも、もっとゆっくりしています。
●解説
アルミ粉を見ていると、ランプによって暖められた流体の中に流れが発生するのが分かります。この流体は熱くなると膨張し、表面に向かって上昇し、そこで冷えて濃縮され、今度は下降して来ます。こうして動きはいつまでも続きます。
流体では、それが水であっても空気であっても、このような流れが熱を伝え、温度のちがう各層を混ぜ合わせます。これを対流と呼びます。テレビの天気予報でもおなじみですが、地球の回転とともに、この流れが気象状況を変化させているのです。
気象状況の変化には、海が一番大きな役割を果たしています。
・海は雨となる水を大気に与えます。
・赤道の熱を寒い地域に伝達し、夏期に熱を貯え、冬期に放出します。
・空中の二酸化炭素(C02)を取り込みます。
このように、海は気候の調整をしています。
「アルベド」って何?
◆やってみよう
明るくするほど、風車は速くまわります。どうしてでしょう。
◆考えてみよう
「アルベド(反射率)」という単位を使って、ある面が光を反射する強さを知ることができます。明るい面は光を強く反射し、暗い面は光を吸収して熱くなります。ここではこの原理が風車を回しています。
地球の表面はいろいろな色からできていて、場所によって光を反射する力が違います。この反射の強さを0から1の段階(あるいはパーセント)で表しますが、それが「アルベド(反射率)」です。海や湖の上では5%以下、森では5から10%、湿った土では10%です。氷の表面では50%以上になり、新しく降った雪の上では90%にもなり、積もった雪の上では80%です。
●解説
この装置はクルックス(CR00KES)のラジオメーター(放射計)と呼ばれます。「風車」の羽はそれぞれ、赤外線を吸収する黒い面と光線を反射する明るい面とでできています。風車の入った容器の中のわずかな空気は黒い面と接触して熱され、空気を構成する気体分子が活性化されて風車に衝突し回転させます。
地球表面の「アルベド(反射率:太陽からの入射光エネルギーに対する反射光エネルギーの比)」は、次の条件によって変わります。
・地面と雲の特質(明るい表面は暗い表面に比べてたくさん反射します)
・地面に対する太陽光線の角度(角度が小さいほど反射が大きくなります)
北極や南極に近づくほど、太陽光線の入射角は小さくなるためにアルベド(反射率)値は上がります。
つまり、ある一定の面積で吸収される太陽エネルギーは、両極よりも赤道の方が大きくなります。さらに、両極圏の雪や氷は太陽光線の大部分を反射します。アルベド(反射率)は%で計算されるか、0(0%)から1(100%)の間の値で示されます。
温室効果は両刃の剣
◆やってみましょう
ランプをつけて、もう片方の手をかざしてみて下さい。
1と2と、どちらが熱いでしょう?
◆考えてみましょう
ランプが発する赤外線は水に吸収されます。水は熱くなると、今度は自分が赤外線を放出します。
同じように太陽からでる赤外線は地球に吸収され、次に地球がそれを放出します。赤外線は大気を通過するとき、水蒸気、二酸化炭素、メタンなどによって弱められます。私たちの生活空間は、このように、あたたかい「まゆ」の中に包まれています。これは温室の中にいるのと同じことです。ただし、このアクリル容器はありませんが・・・
●解説
地球表面の平均気温は現在15℃です。
もし大気が地球から放射される赤外線を完全に透してしまうとすれば、地球の温度はもっと低くなるはずです(約−18℃)。
この違いが生じるのは、大気中のいろいろな気体が、地球から発散される赤外線の熱放射の大部分をさえぎるためです。これを温室効果といいます。温室の中と同じ原理で、熱が貯えられます。陸や海の発散する赤外線を反射する「力バー」の役を果たしている気体は、主に水蒸気、二酸化炭素(C02)、大気中のオゾンです。
地球は太陽エネルギーを吸収して熱くなり、宇宙に赤外線を放射して部分的に冷却します。年単位で見ると、吸収エネルギー量と放射エネルギー量は一致しています。そうでなければ、地球の温度はどんどん上昇してしまうでしょう。
吸収エネルギーの一部は暖かい地帯で熱い季節に貯えられ、寒い季節に大気や宇宙に戻されます。このエネルギーは、より冷たい海域に流れていく海流によって伝達されたり、あるいは水の蒸発エネルギーとして消費されたりします。
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