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グリーンウォッチング
第12回 ユリノキ
 ユリノキは北米に自生する落葉性の高木です。我が国へは明治の頃に渡来したといわれています。
 ユリノキの葉はやや大きめでユニークな形をしています。葉の先が尖らずに凹形になっているのです。このような葉の形は他に類がなく、たいへん珍しいものです。
 この葉の形が半纏(はんてん)に似ていることから、ユリノキをハンテンボクと呼んだりもするそうです。半纏とは和服の上着のことですが、若い世代には馴染みがないでしょうから、若い人にハンテンボクと言ってもぴんと来ないのではないでしょうか。若い世代には、むしろ、Tシャツに似ているといった方がわかりやすいかもしれません。
 ユリノキは初夏の頃に花を咲かせます。この花は淡い黄緑色から橙色で、チューリップの花の形によく似ています。派手な花ではありませんが、不思議な魅力があり、手にとってよく見たいと思わせる花です。
 しかし、花は高い枝の先で上を向いて咲いているので、手に取ることはままなりません。せめて見るだけでもと枝を見上げても、大きめの葉に遮られてよく見えないのです。ならば、葉の間からでもなんとか見たいと、ユリノキの下を右往左往することになるのです。
 ユリノキは秋に、松かさをややスマートにしたような形の実をつけます。この実は、細長い翼を付けた小さな実がたくさん集まったものです。秋が深まるにつれて、これらの実は落ちていきます。
 しかし、時々、真冬になっても落ちずに枝先に残っていることがあります。真冬には葉はすべて落ちてしまっているので、残っている実がよく目立ち、まるで枯れ木に花が咲いているようにも見えます。
 ユリノキは生長が早く、大木に育つことから、一般的な住宅の庭で育てるには向かず、道路並木や公園に植えられることが多いようです。ただ、道路並木では、枝が通行の支障にならないように強く剪定されていることが多いので、ユリノキ本来の雄大な姿を見ることはほとんどありません。河内長野市内では、寺ヶ池公園で自然な姿のユリノキを目にすることができます。
 
<参考> 毛藤勤治、「ユリノキという木」、1989年、アボック社
 
公園の紹介
「鳴尾公園」
 私たちの住む河内長野市に新しく公園ができます。千代田駅の北北東、ほぼ線路沿い近くにあり、電車の中からも見えるその公園は、その地区の古くからの呼び名を用いて、鳴尾公園(「鳴尾」と書いて「どんど」と読みます。)と言います。
 
 平成14年9月から工事が始められ、平成15年4月から開設の予定になっております。園内には子どもが遊べるブランコやスベリ台のついた複合遊具があるほか、休憩ができるベンチやテーブルもあります。
 また、ソメイヨシノやクスノキなどの高木やヒラドツツジやコクチナシといった低木など多種多様の植物も植えられており、公園を訪れる人々の目を楽しませてくれること間違いなしです。特にソメイヨシノが咲く春は楽しみです。皆さまも近くに来たときは、一度ぜひ寄ってください。
 
活動紹介
「烏帽子里山保全クラブ」
 前回もご紹介しましたが、今回も活動内容の続報をお届けします。烏帽子形公園において雑木林に侵入する竹を伐木することで美しい雑木林を守り、里山の保全を進めることを目的に活動していることや伐採した竹で竹炭を作り、リサイクルにも取り組んでいることは前回ご紹介した通りです。
 
 その作業過程にて新たに行ったのが、間伐を終えた竹林で古い竹を新しい竹に更新させるため、これから生えてくる竹の子を保護するための柵作りです。今まで竹林の周囲には何もなく、知らないうちに竹の子が採られていましたが、それを防ぐために伐採した竹を用いて柵を作りました。
 烏帽子形公園に来られた際は、一度ぜひ見てください。見事な竹林ができています。
 同クラブでは現在も会員を募集しています。興味のある方は烏帽子形公園もしくは寺ヶ池公園管理事務所内の同クラブ会員募集ポスターを御覧ください。







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