3. 税関手続申請システム(Customs Procedure Entry System)CuPES(カペス)
税関手続申請システム(以下、CuPES)が、本年2月17日からトライアルを実施、3月に正式稼動する。CuPESについては、昨年の報告書でも概略を報告させて頂いていますが、対象業務の見直しが行われ139の手続きだったものが、現在308115の手続に拡大され運用される予定です。
308手続の内訳
監視関係手続: |
36手続 |
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業務関係手続: |
56手続 |
(含むインボイス関連業務) |
調査保税関係手続: |
214手続 |
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共通手続: |
2手続 |
(収納担当部門宛申請業務) |
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308の手続には大きく別けて、「一般申請等の業務」と「インボイス関連業務」があります。
3.1 「一般申請等の業務」を通関業や倉庫業から見た場合、
●業を営む上で必要な官への届出(例えば、通関営業所新設の許可申請/件数・料金等通関業務関連事項の報告/通関士その他従業者の氏名及び異動届/保税蔵置場の許可申請/保税蔵置所名称・住所・従業者等の内容変更の届出など)といったものと、
●通関申告の際に必要となってくる手続(輸入貨物の評価(包括)申告I・IIや保税蔵置場にある外国貨物の滅却承認申請など)大別すると2つの業務処理とがあります。
●今まで、書面(一部はEXCELデータ等)に記載し、所轄の官へ提出していた訳ですから、まさに「申請・届出等手続の電子化推進のための基本的枠組み」にそったシステムとなっています。
●また、NACCS回線利用者ではNACCS回線を利用でき、NACCS回線利用者以外の方でも全国6ヵ所のアクセスポイントにダイアルアップ方式による接続ができ、利用手数料も無料(電話回線によるアクセスポイントまでのダイアルアップ接続費用は自己負担)であるなど費用面での考慮も歓迎できるシステムとなっています。
3.2 「インボイス関連業務」の概要
輸出入者がインボイス等を電子化しCuPESへ送信(登録業務)する場合は、CSV方式に変換し、CuPESソフトに読み込ませる。
登録業務には、以下の2業務がある。
●インボイス情報登録業務116
●添付インボイス情報登録117
3.3 輸出入申告(NACCS)とインボイス関連業務(CuPES)
●輸出入者は輸出入申告が行われるまえにインボイス情報をCUPESに登録・送信し、CuPESからのインボイス情報受理番号を通関業者へ連絡する。
●通関業者は連絡を受けたインボイス情報の受理番号をもとに「インボイス情報照会」業務を行う。
●通関業者はCuPESの「インボイス仕分情報登録」業務により、税番(HSコード)を登録することで、NACCSの「申告事項登録」業務で必要な情報が作成できる。
●この手順を踏んで、NACCSの「申告事項登録」業務を行うと、CuPESのインボイス情報の受理番号がインボイス番号欄に自動的に反映され、税関での輸出入審査・輸出入申告控の提出にあたり、インボイスの提出が不要となります。
3.4 CuPESの総括
●「一般申請等の業務」については、業として営業して行く際に必要な手続として、定期的または、必要となった時にその利用が見込まれるところである。
●また、申請料(現行では印紙添付)を伴う手続(例えば臨時開庁)が今回の範囲から外されていますが、今後(1年後を目途か)可能となるのではないかと想定されています。
●「インボイス関連業務」については、輸出入者に代わって通関業者が入力することは可能と解釈しているが、電子インボイスの情報を如何に入手(作成)するか、または輸出入者のどの程度が電子インボイスをCuPESに登録・送信されるかといった点が大きな感心事であります。また、通関業者はCuPESのインボイス情報に対して如何に税番を登録するか(税番毎にインボイスを集計し、計算書のような帳票印刷するなど)といったところが、それぞれの社内システムによるところと考えます。
3.5 NACCS回線利用者におけるCuPES連携
CuPESとの連携にあったて、税関HPに詳細な情報があります。118(NACCS掲示板では、2月7日付税関手続申請システム(CuPES:カペス)関連情報について。)平成15年2月6日付で更新された情報では、「税関手続申請システム(CuPES)に係る利用者登録等の方法について」が掲載され、3.送信方法の中で、「税関手続申請システム(CuPES)への接続方法」が追加されております。この中に、NACCS回線利用者であってもゲートウェイ(GW)接続及びダイレクトインターフェイス(DI)接続の場合には、CuPESへの接続はできませんので、ダイアルアップ回線による接続を行って下さい。とあり、当報告書の作成タイミングでは、NACCS回線を利用してCuPESに接続しようとしていた、かなりユーザーに影響がでます。当該ユーザーは既存のNACCS回線利用者であってもダイアルアップ回線を新たに用意するか、インターネットによるCuPES接続の開始されるまで待つことになる訳です。
シングルウィンドウ化の実現にあったては、それぞれのシステムを連携する上で、今後も様々な問題が想定されます。情報の把握や公開についても、その時期(早く)方法(わかり易く)についてユーザーの側に立った運用が望まれます。
以上
(飯田 隆夫)
115 当初309業務であったが「宇宙開発物品等の使用場所変更の届出」(関税暫定措置法第5条の手続−業務関係手続)が対象から外れ308業務となった。
116 柵数が60柵以下のインボイス情報の登録及び、保険明細書等の添付ファイルを登録する業務
117 柵数が60柵を超えるインボイス情報を添付ファイルとして登録及び、保険明細書等の添付ファイルを登録する業務
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