1.3 用語解説(Glossary)
・認証(Authentication):認証とは、人またはモノが実際に申告されているとおりであるかどうかを確かめる処理(process)である。私的および公的なコンピュータネットワーク(インターネットを含む)では、通常、ログオンパスワードで認証が行われる。パスワードを知っていることにより、ユーザーが本人であることの保証となると考えられる。証明機関(CA)から発行され、確認されたデジタル証明を公開鍵のインフラストラクチャーの一部として使用するのが、インターネット上で認証を行う標準的な方法になると思われる。
・取引信号(Business Signal):PIPインスタンス(instance)の実行において、特定のイベントを伝えるために、2つのRosettaNetアプリケーションの間で取り交わされるメッセージである。信号の例には、メッセージの受信確認(confirmation of receipt)やメッセージ確認の成功(successful validation of a massage)が含まれる。信号は、通常のPIPのメッセージ構成に生じた例外的状態を通信するために使用することができる。
・証明機関(Certificate Authority):証明機関とは、セキュリティ上の信用証明やメッセージ暗号化の公開鍵を発行および管理するネットワークの機関である。証明機関(CA)は、デジタル証明を特定の個人もしくは法人に関連付け、デジタル証明を受ける個人または法人を識別するとともに、必要に応じてデジタル証明の発行および取消を行い、公開されている無効リストで通知する。
・暗号学(Cryptography):暗号学とは、情報セキュリティに関する学問である。現代の暗号学は、(a)機密を保持すること(情報が意図されていない第三者に分からないこと)、(b)完全な状態に保つこと(情報が記憶媒体内で改変されたり、改変されたことがわからないまま発信者から意図された受信者に伝送されたりしないこと)、(c)否認できないようにすること(情報作成者/発信者が情報の作成または発信の意図を後で否認することができないこと)、(d)確証できるようにすること(発信者と受信者が互いの身元および情報の発信元/送信先を確認できること)の4つを目標としている。
・デジタル証明(Digital Certificate):デジタル証明(「証明」と略称)とは、インターネットを通じて取引を行うための信用証明が含まれた電子的身分証明(electronic identification)である。証明は、証明機関(CA)から発行され、これに証明の所有者名、証明番号、有効期限、暗号化およびデジタル署名に使用される証明公開鍵のコピー、および受信者が証明の有効性を確認することができるその証明機関のデジタル署名が含まれる。
・デジタル署名(Digital Signature):デジタル署名とは、メッセージ発信者またはドキュメントの署名者の身元(identity)を認証したり、送信されたメッセージまたはドキュメントの元の内容が改変されていないことを保証するために使用可能な電子署名をいう。
・電子データ交換(EDI)(Electronic Data Interchange;EDI):EDIとは、ビジネス情報およびデータを交換するための標準フォーマットである。標準はANSI X12で、これはデータ交換標準協会(Data Interchange Standards Association)によって開発された。ANSI X12は、国際標準であるEDIFACTと密接に調整されているか、あるいは統合されている。
EDIメッセージには、それぞれが例えば、価格や製品モデル番号など、一つの情報を表すデータエレメントの文字列が含まれる。各データエレメントは区切り記号(delimiter)で区切られている。文字列全体は、データセグメントと呼ばれる。ヘッダーとトレーラーで囲まれたひとつ以上のデータセグメントが、EDIメッセージの送信単位であるトランザクションセットとなる。
・電子署名(Electronic Signature):電子署名とは、契約書やその他のドキュメントに添付されるか、または論理的に関連付けられ、ドキュメントに署名することを意図して行使または採用された電子的なサウンド、コード、記号またはプロセスをいう。
・暗号化(Encryption):暗号化とは、数学的アルゴリズムの方法でデータを権限のない者によって容易に理解されることのない形状(秘密コード)に変換することをいう。
・鍵(Key):暗号学では、鍵とは、暗号文を生成したり、解読したりするためにアルゴリズムを使用して文字列や暗号化されていないテキストに適用される変数である。鍵の長さ(例えば、1028ビットなど)は、メッセージ内のテキストを解読する難度を考慮する際の要素である。
・プロトコル(Protocol):情報技術では、プロトコルとは、通信の際にテレコミュニケーション接続の両端(end points)が使用する一式の特別な規則である。プロトコルは、業界標準または国際標準で記述されることが多い。
・公開鍵/秘密鍵(Public-Private Key):公開鍵とは、公開鍵から派生した秘密鍵と組み合わせ、メッセージやデジタル署名を効果的に暗号化するために使用可能な鍵として、指定された機関が提供する値(value)である。公開鍵を使用するシステムは、公開鍵インフラストラクチャーと呼ばれる。
・サービス(Service):サービスとは、サービスプロバイダーによって提供されるプラットフォームにアクセス可能なネットワーク上に展開されるソフトウェア・モジュールをいう。そのインターフェイスはサービス・ディスクリプションで説明される。それは、サービス請求者の要請によるか、または請求者との相互作用で実現する。
・サービス可能性(Service Availability):情報技術では、サービス可能性とは、長時間にわたり連続して動作するサービスを意味する。コンピュータシステムやネットワークは多くの部分で構成されており、全体を動作させるためには、通常、すべてのパーツやコンポーネントが揃っていなければならないことから、高度な可能性を実現する重要なポイントは、バックアップや代替処理、データ記憶装置およびアクセスに集中している。
・サービスプロバイダー(Service Provider):取引当事者がそれぞれ自社のコンピュータ内に設置する代わりに、電子情報交換サービスを取引当事者に提供する会社をいう。サービスプロバイダーは提供されたサービスの所有者である。
・仕様(Specifications):本取引当事者間協定書(Trading Partner Agreement)(以下、「協定書」と称す)に明示されている採択フォーマットを使用し、合意済みの電子情報交換に適用される取引上および技術上の手続、規則、その他の条件を示した一組の標準、プロトコルおよびドキュメント。
・トランザクション(Transaction):企業や消費者の行為または複数の当事者間の商業上の業務に関連した活動(action)または一連の活動をいい、これには(a)(i)有体および無体の動産、(ii)サービス、および(iii)それらの組み合わせの売買、リース、交換、ライセンス供与、またはその他の譲渡、および(b)不動産に関する権利の売買、リース、交換、その他の譲渡、またはそれらの組み合わせが含まれる。
(朝岡 良平)
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