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二泊三日、カナダ旅行
 日本からアイコウボウを訪れた人たちは、オプショナルツアーとして様々なところに観光に出掛ける。
 ポートランドやシアトルでショッピングをしたり、冬はマウントフットでスキー、夏はコロンビアゴージで滝めぐり、オレゴンコーストでホエールウォッチングをすることもある。
 さて、その中から九八年秋のカナダ旅行の様子を紹介しよう。
 この時の参加者は、ボランティアの浅田さん、土屋さん、落合さん。それに、メンバーのひろしくん、知代ちゃん、宏美ちゃん、そして、あきちゃん、はるちゃんの総勢八名。共にオープンハウスを乗り切った仲間である。
 題して「カナダ・バンクーバー、3デイズツアー」の始まりである。
 
 九月十七日、朝八時。一行はアイコウボウのバンに乗り、落合さんの運転でバンクーバー駅に向かった。ここでいうバンクーバーとはカナダのバンクーバーのことではない。バンクーバーというと、どうもカナダのバンクーバーの方が有名のようだが、元々はアメリカ・ワシントン州のバンクーバーの方が先である。位置的にいうと、ワシントン州のバンクーバーから真直ぐ北上し、国境を越えたところにカナダのバンクーバーがある。どうやらワシントン州のバンクーバーの人たちがカナダに移住し、そこでカナダのバンクーバーを作ったということらしい。
 それはともかく、一行はバンクーバー駅でバンを降り、九時十五分発のアムトラックに乗り込んだ。アムトラックとはアメリカを縦断している鉄道のことで、車内は思いのほか快適である。列車は時間通りに発車し、次の乗換え地、シアトルを目指す。
 昼ごろシアトルに到着した一行はお昼を食べることになった。しかし、乗換えまでにあまり時間がない。そこでシアトルで評判のホットドックを買ってくることになった。
 シアトルからはバスに乗換えて国境を越える。全員分のホットドッグを抱えた落合さんが戻ってくると、すぐにバスは発進した。座席に落ち着いて、さあお昼。車内にホットドックのいい匂いが漂う。すると、運転手さんが何か言った。「おいしそうだね」と言っているのかと思えばそうではない。なんと、バスの中での食事は禁止だというのである。みんな口をあんぐり。その後一行は夕方六時にバスを降りるまで、お昼をお預けされることになる。
 しょんぼりした一行を乗せて、バスは国境に近づく。国境では一度バスを降りて入国審査を受けなければならない。一行はもう一度荷物を持って、ぞろぞろとバスを降りた。
 入国審査を受けるとき、一つ問題が起こった。あきちゃんが持っていたリンゴにチェックが入ったのである。調べると、ひろしくんのリュックからもオレンジが出て来た。リンゴとオレンジ、何が問題なのかというと、カナダの決まりではアメリカのフルーツを本国に持ち込んではいけないのだそうである。リンゴとオレンジは没収、ということで一行は無事入国を果たした。
 夕方六時、予定通りバンクーバーに到着。停留所ではロバートさんが笑顔で一行を出迎えてくれた。ロバートさんは宿泊先のB&Bのご主人。B&Bとはベッド&ブレックファーストの略で、一晩泊まって翌朝朝食が付くということ。ちなみに、朝食はロバートさんが作ることになる。
 一行はロバートさんの車に乗り込み、バンクーバーのダウンタウンにあるレストランに向かった。やっと食事にありつくことが出来る。ところがこのレストラン、落合さんのたっての希望で、日本食専門店。カナダにまで来てお寿司を食べることになったのである。これには大多数からブーイングが上がったようである。
 結局この日は移動だけ。八時に宿に着き、シャワーを浴びてリビングでくつろぐ。一行の泊まったB&Bは、日本でいう民宿のような感じで、この日は他のお客さんがほとんどいなかったため、二階建ての一軒家を貸し切りで使うことが出来た。
 リビングに集まったみんなは、十三日に終わったばかりのオープンハウスの話で盛り上がる。そのうち、ひろしくんのかくし芸が始まった。森進一や田村正和の物まね、そして、アイコウボウのスタッフやボランティアの物まねまで披露、みんなを笑わす。そのあと、知代ちゃんとはるちゃんがデュエットをしたり、あきちゃんの一人芝居が始まったり、和気あいあいとした雰囲気で初日の夜はふけていった。
 翌朝はちょっと早起き、一行は七時に観光に出掛けた。
 一行が玄関に出ると、宿の前に一台の観光バスが停まっていた。なんと、ロバートさんが知り合いの観光バスを呼んでくれていたのである。しかも、ガイドさん付きで。
 大きな観光バスはアイコウボウ一行八人を乗せて、まずはスタンレーパークに向かった。スタンレーパークはイングリッシュ湾に突き出した大きな半島で、半島全体が巨大な公園になっている。紅葉に色づいた樹々が石畳に葉を落とし、それを踏みしめて馬車が走る。公園の中にはいろいろな施設があり、動物園や日本庭園などもあるそうである。
 次に一行は、ガスタウンヘ。
 ガスタウン−このちょっと変わった街の名前は、街角に立っているスチーム時計に由来する。スチーム時計とは蒸気で動く時計のことで、五メートルほどもある大時計から、時間ごとに蒸気が噴き出す。
 それから一行は、バンクーバーのダウンタウンをぶらぶら歩きながらショッピングを楽しんだ。そして、お昼はチャイナタウンで、ガイドさんお勧めのとびきりおいしい肉まんを食べた。
 午後から一行がおもむいたのは、キャピラノパーク。キャピラノパークは六万平方メートルの自然公園で、虹鱒の泳ぐ池がある。中でも有名なのは世界最大のつり橋で、全長百三十七メートル、高さが七十メートルもある。みんな怖がってキャーキャー言っていたが、あきちゃんは途中でとうとう泣き出してしまい、落合さんに抱きかかえられるようにして渡った。ひろしくんは怖がって、結局最後まで渡らなかったようである。
 
スチーム時計の前で
 
 そのあとみんなでロープウェイに乗って、ブルーマウンテンに登った。あいにくこの日は雲が多く、そんなに遠くまでは見晴らすことが出来なかったが、それでも宏美ちゃんは、その雄大な眺めに感動したようだった。
 帰り道、一行はまたしても日本食レストランヘ。で、またまたブーイングになったあと、八時に宿泊先に帰り着いた。この日は朝が早かったので、みんなもうくたくた。でも、いろんなところに行くことが出来て、みんな満足そうであった。
 翌朝は、ロバートさんの朝食を食べて八時に宿を出発。ロバートさんの車でダウンタウンに向かった。帰りのバスが出発するのはお昼ごろ。それまでの間、サイエンスワールドを見学する。
 サイエンスワールドは子供たちのための科学博物館で、この中で3Dシアターを体験することが出来る。これは大人でも充分楽しめる代物である。みんな3D眼鏡をかけてイスに座り、海底探検に出掛ける。海の生物がスクリーンの中を泳ぎまわり、それに合わせてイスが動く。ときどき飛び出すサメに、ビックリして体をのけ反らせる人もいた。
 館内にあるフードコートでお昼を食べると、もうバスの発車時刻。一行は惜しみながらもカナダを後にし、バスとアムトラックを乗り継いで帰途についた。
 我が家に到着したのは夜の九時。こうして二泊三日のカナダ旅行は終わった。
 
 オプショナルツアーは、その名の通り自分で行きたいところを選択出来る。せっかくアメリカに来たのだから、いろんなところに行かないと損。これから行こうという人も、たっぷりアメリカを楽しんで欲しいと思う。







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