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仕事を求めている障害のある人
 障害のある人は働きたいと思っています。多くの障害のある人が公共職業安定所などで仕事をさがしています。
 障害のある人の雇用を進めるために「障害者の雇用の促進等に関する法律」が定められていて、民間企業は従業員の1.8%に相当する身体障害者や知的障害者を雇用することとしています。
 そして、毎年9月1日から9月30日までを「障害者雇用促進月間」と定め、障害のある人の雇用促進運動を積極的に展開しております。
 障害が重度の人は働けないと思っている人がいますが、それは間違いです。障害のある人もいろいろな仕事ができるのです。難しそうに見える仕事でも、ちょっとした工夫で働けるようになります。
 あのお店にも、この会社にも、どこにでも障害のある人が働いている−それがあたり前の社会になってほしいと障害のある人たちは願っています。
 
ともに生きる町づくり
 いま日本の各地で「車いすで歩ける町づくり」や「福祉の町づくり」が進められています。
 車いすのために歩道の段差をなくしてスロープにしたり、視覚障害者のために誘導・警告ブロックを敷いたりしてあるのを見た方は多いでしょう。
 それは障害のある人のためだけに進められているのではありません。障害があってもなくても、お年寄りにも、赤ちゃんにも、すべての人が安心してくらせる町づくりなのです。
 障害のある人が住める住宅も不足しています。そのため障害のある人が社会参加したくても、なかなかできないのが実状です。このことが障害のある人にとって大きな壁になっています。
 こうした壁を一日も早く取りはらうことが、これからの課題です。しかし、これらが解決しても、それで福祉の町になるわけではありません。お互いに助け合う心を育てること、それこそが福祉の町づくり、ともに生きる町づくりなのです。
 
障害のある人とボランティア
 最近、ボランティア活動に参加する人が増えてきました。施設を訪問したり、療育キャンプに参加する中学生や高校生もたくさんいます。
 もちろん、それも立派なボランティア活動ですが、そういった特別な活動に参加することだけが、ボランティア活動ではありません。
 道で障害のある人に出会ったとき、何か困っているようであれば、声をかけ、必要があればお手伝いをします。それも立派なボランティア活動です。
 ただ、そのときに「何かをしてあげる」「かわいそうだから、助けてあげる」という考え方をされると、障害のある人はあまりうれしくないのです。障害のある人が本当に欲しいのは、ボランティアよりも友達なのです。
 障害のある子どもの親たちは、近所の人に「子どもや家族を特別な目で見ないで欲しい」、「子どもの遊び友達、仲間になって欲しい」と願っています。
 障害があっても、なくても、同じ人間同士として、困っているときには助け合う、そうなったときに、国民はみんなボランティアといえるでしょう。







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