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社会保険神戸中央病院
病院の概要 開設: 昭和23年7月10日(昭和61年3月27日移転)
敷地面積: 33,397m2
施設: 病院/地下2階・地上7階
看護婦宿舎/地上7階
医員宿舎/地下1階・地上4階
病床数: 424床
診療科目: 内科・精神科・小児科・外科・整形外科・脳神経外科・皮膚科・泌尿器科・産婦人科・眼科・耳鼻咽喉科・リハビリテーション科・放射線科・歯科・麻酔科
病院の沿革  当病院は国が設置し、社団法人全国社会保険協会連合会(全社連)が委託を受けて運営している病院で、昭和23年7月に病床数45床で開設、その後多くの変遷を経て現在に至っています。
 昭和61年、神戸中央区から現在地に新築移転し神戸市北部の中核病院として高い信頼と評価を得ています。
 豊かな緑に包まれた環境の中で最新の施設を誇る当院には、RI、MRI、CTなどの高度医療機器が整備され、ICUをはじめとする特殊、集中医療などによって高い水準の医療を提供しています。
 院内の健康管理センターでは公衆衛生活動を積極的に展開しているほか、意思の臨床研修指定病院、薬剤師等医療系職種の実習施設として医療技術者の育成に努めています。平成6年5月には、入所定員100名の神戸社会保険介護老人保健施設が併設、また、平成8年6月から緩和ケア病棟も設置され、ホームページを見られた方々が全国から入院されています。また、平成12年4月、居宅支援事業所を開設し、訪問看護ステーションとともに地域住民の在宅医療を支援しています。
 さらに、平成12年10月より病診連携、病病連携の積極的な推進を図るため、地域医療連携室と開放型病床を開設しています。また、看護専門学校も運営しています。
病院の理念 一、私達は、「医療に携わる者として社会的責任」をはたします。
一、私達は、一体となって、「患者様と共に病気を治すこと」につとめます。
一、私達は、「患者様のプライバシーと権利および自己決定権」を尊重します。
一、私達は、地域の医療機関と連携して、「地域住民の医療・福祉と健康増進」に貢献します。
一、私達は、「地域住民に最新の医療・福祉を提供すべく、常に研鑽」を続けます。
 
看護部の紹介
 患者さんに対する快適な療養環境の提供と日進月歩する医療や、地域社会のニーズに対応して、信頼される看護を行うため専門職である私達は、よりよい看護実践をめざして努力しています。
 
看護部の組織 看護部長のもと、健康管理センター、人工透析室、ICU、緩和ケア病棟等を含む17看護単位で運営され、それぞれに看護師長、主任を配置しています。
看護体制 10単位ある病棟は(看護単位50床以内、ICU6床)一般病棟I群(看護師配置2:1以上)、三交代、複数夜勤制をとっています。患者さん中心の看護ができるよう、プライマリ・ナーシングに準じた看護を行い、患者さんのニーズにこたえられるよう努力しています。
看護部の方針 個々の看護観を明確にし、看護判断能力を高め、看護の質の向上をはかり、看護の自立をめざしています。
 
目標
1. チーム医療の確立と推進
1)クリティカルパスの本格運用
2)他部門と連携を図り、在院日数の短縮
2. リスクマネジメントの強化
1)知識・技術取得の徹底
3. 看護職員各自が目標をもち、専門職としての能力の開発
4. 看護の見える記録の充実と展開
1)看護記録記載基準にそった記録ができる
 
緩和ケア医療とは
 治癒をめざした積極的な治療が有効でなくなった患者さんで、肉体的苦痛や、精神的苦痛の緩和を希望される方に対して行われる医療ケアのことです。
 
[ホスピス・緩和ケアの基本的な考え方]
 ホスピス・緩和ケアは、治癒不可能な疾患の終末期にある患者および家族のクォリティーオブライフ(QOL)の向上のために、さまざまな専門家が協力して作ったチームによって行われるケアを意味する。そのケアは、患者と家族が可能な限り人間らしく快適な生活を送れるように提供される。ケアの要件は、以下の5項目である。
1)人が生きることを尊重し、誰にも例外なく訪れる「死への過程」に敬意をはらう。
2)死を早めることも死を遅らせることもしない。
3)痛みやその他の不快な身体症状を緩和する。
4)精神的・社会的な援助を行い、患者に死が訪れるまで、生きていることに意味を見いだせるようなケア(霊的ケア)を行う。
5)家族が困難を抱えて、それに対処しようとするとき、患者の療養中から死別したあとまで家族を支える。
 
社会保険神戸中央病院緩和ケア病棟の特徴
1、家庭的な環境の中で、痛み・体のだるさ・不安などの症状をやわらげ充実した日常生活が過ごせるように、スタッフ一同、努力いたします。
2、患者さんや、ご家族の悩みをいっしょに考え相談にあたります。
3、症状が落ち着き、自宅での介護を望まれる患者さんには、緩和ケア外来への通院や訪問看護室の利用が可能です。
 
こんな看護をしてます
症状の緩和
 鎮痛剤(強オピオイド、弱オピオイド、NSAlDs、鎮痛補助薬)を効果的に使用するために3つのスケールを患者さんに合わせて選択使用し評価します。最初は夜間の入眠の確保、次に安静時の除痛、最後に体動時の除痛を目標とします。
○VAS:ビジュアルアナログスケール
○0〜10の数字を見せどのくらいの痛みかを言ってもらう方法。
○VRS:ヴァーヴァルレイティングスコア 言葉によって測定する方法。
○0、全く痛みがない 1、わずかに痛みがある 2、耐えられる程度の痛みがある 3、耐えられない痛みがある
○フェイススケール
○いろいろな顔があり、痛みに該当する顔を看護スタッフが表情でスケールを測る方法。
 
 そのほかにも苦痛となる、食欲不振・呼吸困難・全身倦怠感・腹部膨満感・浮腫などもコントロールしていきます。例えば点滴のアップ・ダウン、ステロイドの使用、マッサージ(ハドマー使用)理学療法士の介入・・・
 又、モルヒネなどの鎮痛剤の副作用対策を行いますが一番力を注いでいるのは排便コントロールです。モルヒネ使用と共に緩下剤を開始し、2〜3日に一度の排便(個人差あり)があるようにします。緩下剤が効ない時には浣腸(ネラトンGE)もします。
 
日常生活の充実のサポート
 患者さんの希望は出来るだけ取り入れ健康時の生活に近づけるよう努めます。
 例えば、重症であっても酸素吸入をしながら寝たまま入浴できる浴室があり、床づれや骨折していても入浴できるように工夫しています。又、御家族の方と一緒に入浴できるひのき風呂もあります。
 食事は栄養課の協力を得て、嗜好に合った食事を取り入れていますし、家族の方の使用できるキッチンもあります。患者さんの食べたいものを作ってあげて下さい。
 寝る前の晩酌が日課という方にはアルコールもOKしています。
 22時が消灯ですが面会制限はありません。(他の患者さんに迷惑ない程度で)ペット面会もOKです。過去には犬とかハムスターなんかありましたよ。どっちかというと患者さんより看護婦の方が喜んだりもして・・・ちなみに病棟ではメダカを育てています。
 ご家族の付き添いも出来るよう家族室を準備していますし、個室の方は部屋に簡易ベッドがあります。外出・外泊も実現できるようバックアップもします。当病棟に入院したらもう最期と思われている方が多いようですが、症状コントロールして退院される方も1.5割いらっしゃいます。
 入院生活に少しでも変化がつくように季節に応じた行事も開催しており七夕・花火大会・クリスマス会など行っています。(ディルームにて)又、毎週火曜日はお茶会です。患者さん・家族・スタッフとの良い交流の場となっています。
 誕生日を迎えられる患者さんは一緒にお祝いさせて下さいね。ささやかながらプレゼントもお渡しします。
 
精神面の支え
 ご自分の病状を正しく説明されている・されていないにかかわらず多くの患者さんはいらだち、恐怖心、孤独、抑欝、不眠など、精神的問題を抱えておられます。嘘のない関係を築く為にも告知は重要なのですが、ケースバイケースが現状です。
 患者さんの感情の表出を支えるように、共感的態度で接し、何を望み、なにを必要としているかを理解するよう心掛けています。ベッド数に対し看護婦22名と余裕があるので一般病棟に比べると同じ時間を共有することが長くできています。
 
家族のサポート
 緩和ケアでは、患者を支えるのは家族・医療者で、家族を支えるのは医療者と考えています。受け持ち看護婦(プライマリー・アソシエイトナース)が主に関わり、家族の悩みを受け止め相談にのっています。一緒に患者さんにとっての一番を考えていきましょう。







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