日本財団 図書館


●年代別目標
 自分の足でいきいきと自分らしく生きてゆくこと。自分で食べていける力をつけること。
●施設における自立の定義
 自力で食べていけるようになること。
●在籍生の就職状況とその支援体制
 仕事を探すのは子供自身ですが、相談にのったり、アドバイスをしたりと側方支援をしています。
●在籍生のアルバイトの可否・その状況と支援体制
 社会経験は貴重だと考えているので、本人が希望すれば入寮期間に関係なくアルバイトは可能です。その支援としては、挫折したときの心理面でのサポートを重要視します。アルバイト探しも側方支援を中心とし、子供たちのやりたいことを尊重しています。
●作業(有償/無償)の有無・その内容と状況
 作業・リサイクル資源回収(無償)、農作業(無償)・ハウスクリーニング(有償)。この作業を続けることにより、一人暮らしのための資金を自分の力で貯めてゆく間に、忍耐力や継続する力をつけ、それが自信につながっていくと考えています。
 
北斗寮でセラピストとして活動している準スタッフ。気まぐれではあるものの、寮生からの慕われ、信頼も厚い。
 
寮生が作業プログラムの一貫として耕している畑。今はたまねぎとジャガイモが植わっている。
 
リサイクル作業で収集してきたリサイクル品。この回収作業は近所でも非常に評判が良い。
 
●教科学習の必要性とサポート体制
 現在、寮生6人のうち定時制高校に通学する子供が1名、通信制高校1名、予備校生1名となっています。テスト期間中は作業より勉強を優先させたり、本人の「勉強したい」という意思を尊重しています。寮での学習時間は13:00から15:30まで週に3回設けています。
●在籍生の心理的サポート体制
 スタッフが共に生活をしながら声を積極的にかけています。月に1回、専門家によるカウンセリングを行っています。北斗寮に住む2匹の猫もセラピーキャットとして大切な存在です。
●外部医療機関との連携
 この場を理解して下さっている精神科医とのつながりはありますが、現在まで一度もお世話になるようなことは起こっていません。家であれば暴れていたり、まったく話さなかった子も、北斗寮で暴れたりするようなことが殆どないというのが実状です。
●在籍生の保護者へのサポート体制
 2ヶ月に1度北斗寮で親の会を開いています。日常的には何かあればすぐに連絡をするようにしています。また、請求書をお送りするときに子供たちの状況を詳細に知らせています。子供の実家への帰省は理由があれば基本的に自由です。
 
◆スタッフに訊く・・・1
鈴木 法政さん
●30歳 男性 正規スタッフ 勤続年数1年6ヶ月
●施設と関わるようになった理由
 仏教大学社会福祉学科(通信)三回生です。北斗寮を知ったのは新聞に北斗寮のことが載っていて、実際に現場で働きながら勉強したいと思い応募してやって来ました。
●施設について
 規模が小さいので毎日一人ひとりの顔を見ることができ、話すことが出来る点が良いところだと思います。
●在籍生の変化に気づくとき
 すぐに変化が現れることはないのですが、落ち込みの幅が小さくなった様子から気持ちの整理が出来るようになったのだなあと思ったりします。
●在籍生との関わりで注意している点
 一つは、怒るときは怒る、楽しむときは楽しむという風に自然体で接することです。もう一つは、それぞれの子供たちは性格が違うので、それぞれに合った接し方を考えて接するということです。
●ここで働いて喜びを感じるとき
 子供たちが楽しく自分から積極的に行動してくれたときは本当に嬉しいです。
●辛いと感じるとき
 子供たちが調子が悪くなったときなんかに、どうしてやることも出来なくなってしまう。そんなときが非常に辛いです。
●施設での自分のポジション(役割)
 現場で子供たちと直接接することが自分の役割だと思っています。
●施設の今後について
 経営面で苦労が多いようなので、法人化されたことでうまくいくようになるといいのですが・・・。
●代表・その他のスタッフについて
 スタッフが少ないので力を合わせて一緒にやってゆければと思っています。
●その他
 北斗寮のことを近隣の人達や地域の人たちにもっと知ってもらえるように、また活動としても地域とつながってゆきたいです。
 
◆スタッフに訊く・・・2
山下 健太郎さん
●25歳 男性 ボランティア 勤続年数2週間
●施設と関わるようになった理由
 大学在学中より北斗寮のような施設に興味を持っていて、実際に知る機会が欲しかったので、日本青少年奉仕協会主催ボランティア365に応募してこちらに来ました。
●施設について
 パンフレットに「子供が決めたことをサポートします」と書いてあったので、実践しているか見てみたいと思いここへ来ました。まだ2週間しか見ていないのですが主体が寮生にあるように思います。
●在籍生の変化に気づくとき
 まだ分かりません。
●在籍生との関わりで注意している点
 自然体で接してゆけばいいのかなと思っています。
●ここで働いて喜びを感じるとき
 寮生が楽しくしているときは自分も嬉しいです。
●辛いと感じるとき
 どのように対応していいのか分からない時です。それとフリーの時間の寮生との接し方がまだうまく出来ないことです。
●施設での自分のポジション(役割)
 まだ日が浅く、自分のポジションは良く分かりませんが、寮生と付き合うことと作業の労働力として役立つことかなと思います。
●代表・その他のスタッフについて
 豊富な経験を色々話して下さるので勉強になります。







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