NPO法人 北陸青少年自立援助センター
Peaceful House はぐれ雲
ピースフルハウス ハグレグモ
代表者名●川又直[カワマタナオシ]
所在地●〒939−2204 富山県上新川郡大沢野町万願寺144番地
電話番号●076−467−0969 FAX番号●076−467−3597
URL●無し E−mail●farmfirm@tateyama.or.jp
陽気で気さくな代表が作る「地域に育てられる大家族」
●報告―工藤啓
[NPO法人青少年自立援助センター]
NPO法人北陸青少年自立援助センター・Peaceful House はぐれ雲を初めて訪れたとき、「何もない」という印象を受けた。目に飛び込んでくるのは山と田んぼ。
東京で生まれ育った人間の観点からすれば、そこで暮らすということがどういうことであるのかがいまいちピンとこなかった。
初日の夕方到着したこともあり、寮生がそれぞれの作業から帰宅するまでは時間もあったので、まず代表の川又さんにインタビューをお願いした。寮生インタビューにもある通り、川又さんは普通のおじさんのように見える。しかし会話をしてみると陽気で気さく、そして何よりも温かく懐が広い。この人なら悩み事や相談事を腹を割って話せると思った。
はぐれ雲には様々な問題を抱える青少年が共同生活をしているのだが、みんな大きな声で挨拶をしてくれて非常に生き生きとしているように思える。本当に問題を抱えていたのが疑問に思うぐらいだ。
はぐれ雲は富山県上新川郡に位置する。富山市にも近く、豊かな自然に囲まれている。 |
現在は17名(男性11名 女性6名)の寮生が川又さん一家と共同生活をしている。 |
みんなが自然と集まる居間。一冬使用する薪は寮生が大きな鉈で割っている。 |
夕食も終り、就寝時間近くになって近所のおじさん(元校長先生)がはぐれ雲に来て寮生と談笑して帰っていった。
他にもふらりとはぐれ雲を訪れては談笑して帰っていく方は多いという。先ほど「何もない」と述べたが、はぐれ雲には「地域」と「温かい人間関係」があった。それは目に見えるものではないが、寮生の人間形成の過程になくてはならない非常に重要なものであろう。人見知りもなくなり、社交性、社会性も自然に身に付いていく。地域崩壊という言葉が叫ばれているが、地域が崩壊していない場所では子供達がのびのびと確実に成長するということを目の当たりにした気がした。
「はぐれ雲を一言で言うとどんな場所ですか?」という質問に、川又さんが「地域に育てられる大家族」と答えた。そのフレーズに、スムーズに納得できたのは、はぐれ雲という場所が、どのような場所であるのかを理解できていたからであろう。寮生達は共同生活という大家族型の暮らしの中で、地域と密着し地域に育てられている。[調査日―2002.02]
食事は当番制。ただし、はぐれ雲での生活のルールを破った寮生には「つけ」と呼ばれるペナルティーが科せられ、その「つけ」は食事当番やその他の活動の中で清算しなくてはならない。 |
寮生が使用する部屋。これは5人部屋で掃除・洗濯はすべて自分たちで行なう。 |
こちらは3人部屋の様子。プライバシーに関しては賛否両論。共同部屋派vs個室派、に分かれている。 |
|