平成13年6月17日講習【社会学概論】
講師 三橋修
資料 「ミード精神・自我・社会」青木書店
「社会学概論というより社会と個人」
リポート課題「別紙プリントより一つ抽出」
社会学概論(三橋修先生)レポート
「多様化」と「画一化」について
神由悟
「一般化された他者」を取得するということは、他者の視点を自分の中に持つということであるが、今の社会ではこれが難しくなってきていると思う。一昔前までは良かれ悪しかれ、皆に共通の価値観が多くあり、他者の視点は掴みやすかったように思う。もちろん現代でも、皆に共通の価値観が全く無くなったわけではないが、以前より確実に多様化した部分が多くなったのは事実である。
しかし、現段階ではこの多様化は、共通の基準が無くなったという感じで、選択肢が増えたというよりは、共通性が欠けたことによる不安感のほうが強いように思う。その表れとして、例えば、CDが何枚も大ヒットしてしまうこと(普通、大ヒットといったらそうそう出ないものだが、今は売れれば簡単に大ヒットしてしまうこと)や、これまた爆発的に誰も彼もがユニクロで洋服を買ったり、女子高生がみんなルーズソックスを履いたりと、「何でもあり(現段階での多様化)」と対照的な画一化の風潮がある。
このことについて、僕なりに思うことを以下にまとめると、
(1)社会が多様化したために、つまり他者の視点が多様化したために、“一般化”というように一括りにできづらくなり、結局、他者の視点を自分の中に持てないことの表れ。
(2)上記のことに加え、自分がしっかりしていないために、他と違うことに強い不安を覚え、結果として、他を徹底的に排除した自己中心化するかもしくは、少人数の強烈な仲間意識をもつかのいずれかになってしまうことの表れ。
(3)自分で何でも判断・選択しなければならないことがしんどくて、それを他に依存したいことの表れ。
(4)他人と共感したいことの表れ。
「社会」と「個人」も相互作用すると僕は思うが、現在の日本では社会が個人に多様化を求め、個人は多様化を歓迎しつつも一方で画一化も同時に求めているように思う。というより、自我が未発達で個人の中で多様化を受け入れる許容量がまだ乏しいために、甘えられる拠り所となる画一化に安心感を求めているといったほうがいいのか。
この文章を書きながら自分でもわからないのは、G・H・ミードによれば自我が発達するために、「一般化された他者」(「私」に入り込んだ「他者の視点」つまり「me」)が必要だが、共同体の大きさによって「一般化された他者」は変わってくるのではないか。
家族のようなかなり狭い共同体から、仲間という共同体、地域という共同体、国家という共同体、地球という極大の共同体など。そして共同体が変わるたびに「一般化された他者」も変わってくるのだとすれば、その度に自我も変わることになり、自我が成立するとはどういう状態を指しているのだろうか。つまり、「自我」と「社会」の関係がよくわからない。
平成13年HRリーダー2級養成講座
リポート返却に際して
受講生の皆様から提出されたリポートは、実践時にどのように役立つのかという観点から添削させていただきますので、ご了承の上、お読み下さい。尚、添削に関するご意見、ご質問などは、12月2日の終了式に意見交換させていただきます。
神田悟様
《社会学概論》リポートについて
(1)人間は社会的動物と言われています。人間を形成するあらゆる条件において、一人では生きて行けないという事でしょう。生まれてから、死ぬまでの一人の人間の時間は、多く人々との出会いで構成されていると思います。それが結果的に社会を作り上げ、時代として流れていっているのではないでしょうか。その立体的な状況の中で、生まれたばかりの人間は、先に生まれた人間をモデルとして育ち、育ちながら、他の人間をモデルとして成長し、それがいわゆる自我の確立を促すという事です。しかも、その行為は生涯続くのだと思います。それを私たちは、体験と言っています。体験が多ければ多いほど、他の人間との出会いも多く、又、自分を知る機会も多いわけです。現代の青少年の体験不足は自我の確立にとっては致命的欠陥とも思えますが、体験を積み重ねる事によって、自我の確立を促す事が出来るのであれば、ひきこもりの状況にあった青少年にも、改めて様々な体験をする機会を提供するのが我々の役目ではないかと考えます。
平成13年6月24日講習【HR概論】
講師 滝川修三
資料 「HRリーダー2級養成講座/HR概論」制作者 滝川修三
リポート課題「あなたの地元でセンターのような施設を運営するとしたらどのようなカリキュラムを作成しますか。」
レポート課題「あなたの地元でセンターのような施設を運営するとしたらどのようなカリキュラムを作成しますか」
香取伸司
自分がセンターのような施設を運営するとしたら下記のようなカリキュラムを組み合わせたものを実践してみたいと思う。
☆初期段階の利用者に向けたカリキュラム
・担当のスタッフと生活の立て直しをするようなカリキュラム。朝、起きて太陽の光の下で多少でも体を動かし、夜に睡眠を取るサイクルを身につける。部屋の掃除をし、食事を少量でも3度取れるようにする、など衣食住の基本を取り戻すようなゆったりしたもの。体調を取り戻してきたら、担当スタッフに一方的でもいいから思いを吐き出す時間を1日の中に取り入れる。
☆少し慣れた段階の利用者に向けたカリキュラム
・担当スタッフに思いを吐き出せるようになった者同士で相手に対して批判や否定をしないというルールのもとで(ブレーンストーミング)スタッフも同席して話をする。同じ場で生活する者だから仲間意識までいかなくても共感や連帯感を持ちたい。
・担当スタッフと行動していたものを徐々に利用者同士の行動に移行する。また、行動的になってきたらリクエストによる外出やリクリエーションで“楽しみ”をべースにした自己実現の経験を積み、対人関係や公共マナー(社会性)を身につける。
→引きこもりの時町を取り戻すと同時に自立した生活力をつける。
☆自立に向けた段階の利用者に向けたカリキュラム
・自立したい、外に出たいという欲求の出てきた利用者には具体的な課題を設定する。マナー、応対力、礼儀作法、金銭管理、仕事に向けた体力と持久力作り、客観的に自分自身を見る練習、対人関係でのトラブルなどをシュミレーションしていく。前段階の利用者をリードして外出に連れ出すなどリーダーシップの体験、従でない主体的で責任のある役割、目的意識と自己肯定感、
☆最終段階
・担当スタッフと職探し〜実習の依頼などを行い、短期のバイトなどから始める。担当スタッフはジョブコーチとして同行する。これを繰り返し、職についてからも就業維持のために継続して訪問していき、定期的に集まりの場を持つ。
平成13年HRリーダー2級養成講座
リポート返却に際して
受講生の皆様から提出されたリポートは、実践時にどのように役立つのかという観点から添削させていただきますので、ご了承の上、お読み下さい。尚、添削に関するご意見、ご質問などは、12月2日の終了式に意見交換させていただきます。
香取伸司様
《HR概論》リポートについて
(1)ブレーンストーミングの発想は素晴らしいと思います。当センターでは、会話教室や、ディベートサークルがありましたが、もともと内向的な青少年が多いので、参加はしたもののなかなか会話になりません。まして、ルールのある会話を皆が楽しめるという段階にまで至るのは難しいのが現実のようです。
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