日本財団 図書館


(26)
(26)―文革で破壊された巴西寺。東チベットのこの寺には、一九三五年、長征途上にあった中国労農紅軍が逗留した。毛沢東たちはこの寺で、陝西省北部、黄土高原の革命根拠地を目指す、“北進”を決定する重要な巴西会議をおこなった。
 
(27)
(27)―文革により壊された観音菩薩像。宝石をえぐったために額が割られ、胸元も毀されている。これは仏像の胎内に宝物などを納める習慣があったからだ。寺院破壊の当事者は、漢人にそそのかされたチベット人たちであった。
 
(28)
(28)―毀された仏像。現在チベットの寺院に祀られている仏像は、すべて文革以降、八○年代になって再建されたものばかりである。大きな寺院の奥まった一画には、破壊されたままのこのような仏像たちが放置されている。
 
(29)
(29)―破壊された如来の首。西チベットのツァパランに残る、文革で破壊された仏像のひとつ。チベットでは一九五九年以降、信仰は禁じられ、全土に六千もあった寺院のすべてが破壊し尽くされ。ラサなどに例外的に、いくつかの大寺院の建物が残ったのは、人民解放軍の宿舎や倉庫として利用されたからだ。現在チベット各地の寺に置かれている仏像のほとんどは文革後に再建されたものである。
 
(30)
(30)―ダライ・ラマの写真を背負って、ラサの巡礼路、パルコルを巡る男。一九五九年に祖国を追われたダライ・ラマであるが、チベット人にとって精神界の最高指導者であることに変わりはない。現在チベットでは、ダライ・ラマの写真等を飾ることは禁じられている。
 
(31)
(31)―礼拝中にカメラに気づき、徴笑むダライ・ラマ一四世。これは一九九二年、北インドのカルパで撮影したもの。この時行われたカーラチャクラ法会には二万人のチベット人が参加していた。その中には、危険を冒してヒマラヤを越え密出国してきたチベットからの人々も多数いた。







日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION