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(2)プログラム実践努力の評価
 プログラムでは、地球環境の改善のためにはよりよい交通の使い方を考える必要があり、日常の交通を対象として“かしこいクルマの使い方”を実践してCO2の排出量を削減しようという努力を行った。
 その努力の評価を、「交通ダイヤリー調査」および「交通行動に関するアンケート調査」(いずれも学習の事前/事後で調査した)に基づいて確認した。
 このプロセスにおける学習のねらいは以下に示すとおりであるが、ここでは、両調査に基づいて、CO2削減効果および環境に対する意識の変化などを評価する。
◆努力を評価することの必要性を認識する
◆目標に向かって努力したことに対する達成感を得る
 
イ. 交通ダイヤリー調査に基づくCO2削減効果の評価
 第1回/第2回交通ダイヤリー調査結果に基づいて、1週間の交通で排出するCO2の量を比較したものが表III−1−6および表III−1−7である。
 これらの結果を見ると、CO2排出量が増えた人よりも減った人のほうが明らかに多いことがわかる(たまたまの1週間の平日1日、休日1日の調査であるので、個人個人ではそれぞれに増減の理由があると思われるが、集計量としては減少したという傾向が明らかである)。
 また、取り組んだ5年生全員で、表III−1−8および以下に示すような削減効果があったといえる。
・減少率は16%、減少した量は約11Kg/1週間一人当たり。
・CO2:11Kg/1週間一人当たりの減少は、
ペットボトル(2リットル大):2,750本の体積に等しい(500リットル/CO2、1Kg)
お風呂を沸かす回数:39回分
これだけのCO2を吸収する森林面積:5平方メートル
 
表III−1−6 交通ダイヤリー調査に基づく交通のCO2排出量の増減人数
(単位:人、%)
  変わらなかった人 減った人 増えた人 合計
1 人数 1 17 15 33
割合 3.0% 51.5% 45.5% 100.0%
2 人数   13 5 18
割合   72.2% 27.8% 100.0%
3 人数   21 11 32
割合   65.6% 34.4% 100.0%
4 人数 1 13 14 28
割合 3.6% 46.4% 50.0% 100.0%
学年計 人数 2 64 45 111
割合 1.8% 57.7% 40.5% 100.0%
注)第1回目調査と第2回目調査で、いずれも有効なデータを用いる。
 
表III−1−7 交通ダイヤリー調査に基づく交通のCO2排出量の比較
(1)交通機関合計CO2排出量の比較
(単位:kg/人・1週間)
第1回調査
(a)
第2回調査
(b)

(c=b−a)
割合
(d=b/a)
増減率
(e=c/a)
1 55.12 50.39 ▲4.73 0.914 ▲8.58%
2 78.12 57.12 ▲21.00 0.731 ▲26.88%
3 80.04 65.85 ▲14.19 0.823 ▲17.73%
4 57.98 54.69 ▲3.29 0.943 ▲5.67%
学年計 67.63 57.06 ▲10.57 0.844 ▲15.63%
(2)そのうち自動車合計CO2排出量の比較
(単位:kg/人・1週間)
第1回調査
(a)
第2回調査
(b)

(c=b−a)
割合
(d=b/a)
増減率
(e=c/a)
1 51.31 44.97 ▲6.34 0.876 ▲12.36%
2 55.75 43.69 ▲12.06 0.784 ▲21.63%
3 62.03 41.89 ▲20.14 0.675 ▲32.47%
4 52.9 50.57 ▲2.33 0.956 ▲4.40%
学年計 55.53 45.19 ▲10.34 0.814 ▲18.62%
第1回目、第2回目調査毎に、平日、休日とも有効なデータを用いる。
※自動車合計
=自家用車(運転)+自家用車(同乗)+自家用車以外(運転)+自家用車以外(同乗)
 
表III−1−8 交通ダイヤリー調査に基づくCO2排出削減量の換算値
単位 排出量体積:ペットボトル
(2リットル大)換算本数
お風呂を沸かす回数 CO2を吸収するための森林面積(平方メートル)
1人 1週間 2.750 39 5
1年間(52週) 143,000 2,043 257
学年(135人) 1週間 371,250 5,304 668
1年間(52週)数字が大きいので・・・→ 19,305,000 275,786 13,385
大阪ドーム32杯分(ドーム容積:120万立方メートル)   緑ヶ丘小学校の運動場くらい
原単位 1kgの体積
500リットル
1回当り発生
約280g
1kgを吸収する森林面積
0.45m2
 
ロ. 「交通行動に関するアンケート調査」に基づく評価
 「交通行動に関するアンケート調査(第1回/第2回)」は、プログラムの実践によって私たちの意識がどう変わったかを評価するとともに、その気持ちと「私たちができること」をどう持続していけばよいかを考えるためのプロセスである。
 ここでは、そのプロセスを通して、クルマに関する意識の変化などを評価する。







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