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記入の手引き
 自動車の走行に伴うCO2や大気汚染物質の排出を適正な状況に保つためには、法に定められた点検・整備を実施することが不可欠ですが、それに加えて、車両の使用状況等を見ながら適切な点検・整備を進める必要があります。
 ここでは、次のような取組を取り上げています。
 
○ドライバーや整備員に対する整備に関連する教育や情報の提供
○車両の状態の把握による迅速な点検・整備の実施
○車両の使用状況に合わせ環境に配慮した独自の点検・整備
 
【点検・整備のための実施体制】
・適切な時期に、適切な箇所の点検・整備を行うためにはドライバーの協力が必要です。このため、ドライバーに対して、日頃の乗務の中での排ガスや燃費、エアコン、騒音等についての異常の見分け方などの教育や情報提供が欠かせません。
・また、整備員についても、環境保全における点検・整備の重要性や、環境保全の観点から特に留意すべき箇所や点検にあたって留意すべき事項などについて、教育・指導が必要です。
 
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記入の手引き
【車両の状態に基づく適切な点検・整備】
・日常の運行に際して、異常に気付いた場合には速やかに点検・整備が行われる体制等を整備しておくことが必要です。
 
○LPG車の排気ガスの臭いが強くなったりディーゼル車の排気ガスの汚れがひどくなる原因は、燃料の異常な燃焼にあります。その場合、LPG車ではCOやHCの増加が、ディーゼル車では黒煙の増加が問題となります。
○燃費の悪化の原因は、原動機や走行装置など様々な箇所にあると考えられます。その場合、燃料消費量やCO2排出量の増加が問題となります。
○エアコンの効きが悪化する原因は、主にエアコンガスの漏れが考えられます。その場合、エアコンガスの影響による地球温暖化が問題となります。
○車両の走行に伴う騒音も環境問題のひとつです。通常とは異なる音がする場合にはすぐに対処することが重要です。
 
【法定点検に加えて環境に配慮した独自の基準による点検・整備の実施】
・環境保全の観点から、法定点検に加えて、自動車メーカーなどからの点検・整備に関する情報や車両の使用状況、日常点検の結果等を考慮して、会社として独自の点検・整備基準(走行距離、点検期間等についてのより厳しい基準)を設定し、点検・整備を行うことが望まれます。
・バス事業者の中には、車両の使用状況を考慮し、法定点検に加えて点検期間を短縮して1ヶ月点検等を自主的に実施している例があります。
・点検・整備記録や事故・故障記録は車両の状態を判断する重要なデータです。これらの記録をもとに、過剰な点検・整備を避けて適切な点検・整備を実施するために、車種や使用条件の違いを把握し、独自の点検・整備基準を作成することが望まれます。また、作成した点検・整備基準は定期的な内容の見直しが必要です。
・このチェックリストで示した点検・整備箇所は、環境保全の上で特に注意が必要な箇所です。自社の車両の運行状況にあわせて、点検基準や実施計画を策定し取り組むことが望まれます。
 
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