配布資料−3
グリーン経営推進の必要性(背景)
現在、地球温暖化や大気汚染などの環境問題がクローズアップされており、環境問題への対応が企業経営の重要課題になっています。国や自治体による地球温暖化対策、大気汚染対策は急速に実施され、荷主企業は環境に配慮しない運送事業者を排除する傾向にあります。
■地球温暖化問題、排気ガス問題への対応の重要性
《地球温暖化問題・二酸化炭素(CO2)排出量》
1999年度のわが国の二酸化炭素排出量は約12億5,000万トンとなっており、そのうち、運輸部門の排出量は21.2%(約2億6,000万トン)です。そして、運輪部門のうち営業用貨物車の排出量は16.7%(約4,300万トン)となっています。
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《大気汚染(排気ガス)問題 窒素酸化物(Nox)・粒子状物質(PM)排出量》
大都市圏において排出される窒素酸化物(Nox)の52%、粒子状物資(PM)の43%はそれぞれ自動車部門からのものであり、そのうち、Noxに関しては約8割が、PMに関しては全てがディーゼル車からの排出となっています。
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■荷主企業の環境問題への取組
メーカー各社等の荷主企業では、環境保全活動を積極的に進めており、トラック運送事業者を選定する上で、環境保全活動に取り組んでいるかどうかが条件のひとつになっています。また、以下の通り、トラック運送事業者に求める環境対策は、環境ISOの認証取得よりも、低公害車導入や従業員に対する環境教育の徹底といった実質的な取り組みです。
グラフ「業者選定の際の物流業者の環境保全取組状況の考慮」グラフ「業者選定の際に重視する物流業者の取組内容」
日本通運(株)物流ニュース2002年2月号
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■行政機関の動き
国や自治体による地球温暖化対策、排気ガスによる大気汚染対策が急速に実施されています。
《地球温暖化対策推進大綱》
京都議定書に定められたわが国の削減目標である温室効果ガスの削減に向けた地球温暖化対策が2002年3月に取りまとめられました。その中で運送事業者のグリーン経営の推進は重要な対策として位置付けられています。
《自動車NOx法の改正》
NOxに対する従来の施策を強化するとともに、自動車交通に起因するPMの削減を図るため、2001年6月にNOx・PM法が成立しました。これにより、排出を規制する物質にNOxだけでなくPMが追加され、ディーゼル車排出ガス規制が強化され、規制対象地域が拡大された車種規制が実施されます。また、運送事業者に対する環境対策計画の提出等が義務付けられ、国土交通大臣による指導・勧告が行われ、一層の排ガス対策が実施されます。
グリーン経営チェックリスト・マニュアル
ISO認証取得は経済的にも人的にも大変です。(取得のための事務費用、コンサルタント料、推進専任者の配置等々1000万円以上の費用がかかるという調査もあります)
グリーン経営推進マニュアル・チェックリストを活用すれば、中小規模の事業者の方々にも環境改善の取組の推進を容易とし、ひいては、コスト削減、荷主企業へのアピールが可能となります。
●エコドライブによって一台あたり20万円(10%燃費が改善した場合)のコスト削減ができる
●取引先の荷主企業に自社をアピールできる
●トラックの半数がエコドライブに取り組めば、政府の運輸部門CO2削減目標(4600万t)の約5%を達成できる
■構成
《グリーン経営推進マニュアル》
グリーン経営の実施について詳しい内容を知りたい方のために、項目別にグリーン経営の具体的進め方を解説したものです。
《グリーン経営推進チェックリスト》
トラック運送事業者が環境改善のために取組むべき項目をまとめており、具体的な内容が示されています。チェックリストの中の記入の手引きを参照しながらチェックリストを実施すれば、グリーン経営推進マニュアルを使用しなくても、自社の環境改善のための取組状況が自己評価できる内容になっています。
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グリーン経営推進項目
トラック運送事業者のみなさんがグリーン経営を進めるために、ぜひとも取り組んでいただぎたい項目として、次の5項目を取り上げました。言い換えれば、次の5項目、特に「2. エコドライブ」、「3. 低公害車の導入」、「4. 自動車の点検・整備」を取り組むだけで、環境改善等に十分な効果があります。
評価項目 |
取組のポイント |
大項目 |
小項目 |
1. 環境保全のための仕組み・体制の整備 |
・環境方針 ・推進体制 ・従業員に対する環境教育 |
環境保全への取組を進めるためには、まず、会社の方針(環境方針)を示したうえで、取組のための責任者等を明確にするとともに、従業員に対する環境教育を進めることも重要です。 |
2. エコドライブの実施 |
・燃費等に関する定量的な目標の設定等 ・エコドライブのための実施体制 ・アイドリングストップの励行 ・推進手段等の整備 |
エコドライブを会社として実施し、燃費の改善によるコスト削減や環境負荷の低減を図るためには、まず、日頃から燃費管理を徹底して行い、それをもとに燃費の改善目標を設定することが必要です。さらに、実際にエコドライブに取り組むドライバーへの教育や指導、ドライバーがエコドライブに取り組みやすいような装置や機器の導入も重要です。 |
3. 低公害車の導入 |
・低公害車等の導入目標の設定と取組 ・最新規制適ディーゼル車の導入目標の設定と取組 ・地域で定める低公害車等に関する制度への取組 |
自動車からのCO2や大気汚染物質を削減するためには、低公害車やディーゼル車の最新規制適合車を導入することが最も効果的です。このため、低公害車について業態に合った車種を計画的に導入することが重要です。また、最新規制適合ディーゼル車についても、できるだけ前倒しで導入する計画を設定することが重要です。 |
4. 自動車の点検・整備 |
・点検・整備のための実施体制 ・車両の状態に基づく適切な点検・整備 ・法定点検に加えて、厳しい使われ方等も考慮した独自の基による点検・整備の実施 |
日常から車両の状況を把握し、整備の依頼時にその結果を伝えたり、法に定められた点検・整備の実施に加えて、会社として独自の点検・整備基準(走行距離、点検期間等)を設けて点検・整備基準を定めて整備を進めることが重要です。 |
5. 廃車・廃棄物の排出抑制、適正処理およびリサイクルの推進 |
・廃車・廃棄物の適正な管理 ・廃梱包材の排出抑制 |
廃車に際しては、廃車自体を適切に行うとともに、廃棄物の処理やリサイクルを適切に実施している業者に委託することが重要です。 |
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グリーン経営の進め方
グリーン経営を進めるためには、「自社の環境保全活動の取組状況の把握」⇒「評価結果に基づく改善策の検討」⇒「行動計画の作成」⇒「計画に基づく取組の推進」⇒「取組状況の把握と見直し」というサイクルによって、様々な環境保全活動の継続的な向上を目指すことが必要です。
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(1)申し込み(マニュアルの無料配布、登録希望)
まず、交通エコモ財団にFAXあるいはHPから申し込んでいただければ、グリーン経営推進マニュアル、チェックリストを無料で送付します。(ただし、無料配布は1事業者1部ずつとさせていただきます)
(2)チェックリストによる現状把握
送付された「グリーン経営推進チェックリストと記入の手引き」を実施していただきます。記入の手引きを見ながら、チェックリストを実施し、自社の環境保全活動の現状を把握します。
●評価方法(到達度レベルの設定)
チェックリストの各項目について取組レベルを3段階で示すことによって、さらに高いレベルの取組を目指すためには次にどのような内容について取り組めばいいかなど取組の改善・見直しにも活用可能にしています。
チェックリストにおけるレベル基準
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